水俣病の症状があっても国の基準では患者と認められない被害者の救済策を巡り、細野豪志環境相は3日、7月31日に申請受け付けを締め切る方針を表明した. 細野環境相は「(残された)半年間で広報を徹底し、すべての被害者を救済する」と強調した. 水俣病被害者救済法は「あたう限り(可能な限り)の救済」を目指し、「水俣病の最終解決」をうたう. 申請開始日から「3年以内をめど」、来年4月末に救済対象者を確定させる、と定める. 環境省は当初、今年度末の締め切りを検討した. だが被害者・患者の「潜在被害者の切り捨てになる」という反発を受けて、4カ月間、先に延ばした. 7月末にした理由について、細野環境相は「(申請者の)審査にかかる時間を考えれば、ぎりぎりだ」と説明. 申請が間に合わず、救済策から取り残される人がでないよう「私自身が先頭に立つ覚悟. (加害企業である)チッソ経営者を呼び、周知徹底への協力を強く要請する」と述べた. 東京や大阪で説明会を開いたり、全国各地の病院にポスターを掲示したりするなど、広報に力を入れるという. 昨年末までに、熊本、鹿児島、新潟の3県で、想定を超す約5万人が救済を申請した. 国の患者認定基準より対象とする症状の幅が広がり、これまで声をあげなかった潜在被害者が数多く申請したことなどが理由とみられる. 昨年12月も800人以上が申請し、なお増加が続いている. (岩井建樹) ◇ 〈水俣病被害者救済法〉 2009年成立. 手足の先や全身性の感覚障害などの症状がある被害者に、一時金210万円や医療費などが支給される. 一時金は原因企業であるチッソが負担するが、原資は国や県が貸し付ける. 国が決めた認定基準による患者は約3千人にとどまり、未認定患者による裁判闘争が長く続いた. uggブーツ 95年、政府は患者と認めないままで被害者約1万1千人に一時金を支払い、解決を図った(第1の政治決着). その後、04年の最高裁判決が国の基準より幅広い救済を認めた. これを契機に再び認定申請を求める人が急増. これを受け、「第2の政治決着」として、自民、公明、民主の超党派の合意で救済法が成立した.
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