早い物で、第1年度がおわりに近づいた。
この一年、自然の中で心豊かな時間をすごすことができたことに、感謝でいっぱい。
暑さ寒さも彼岸まで、というとおり、早春の風は頬に冷たい。
まして、奈良盆地の曇天の一日、森の中でしゃがみこみ、冷え切った身体で、
虫の目になってルーペを覗き、初めてのマクロの世界に引き込まれる。
まさに、身近にあったのに、気づかずにいた、万華鏡。
自然の観方を習い、回を重ねて漸く、自然観察は〝いのち〟の観察、地球の観察と気づいた。
今日のテーマ、苔についても、シダや藻類、蘚類をまだ区別できていない。
唯一、ウメノキゴケだけは、アンモニア抽出で染色に熱中したことがあるのみ。
さて、木村先生にいただいたレジュメに、万葉集の中のコケの歌が4首、抜き出してあった。
国歌、〝千代に流れむ 羅(こけ)生すまでに〟は恋愛歌と教わった。
〝み吉野の青根が岳の羅むしろ 誰か織りけむ経緯なしに〟を、マイフェバリットにいただく。
そういえば、〝万葉人は、自然観察と恋愛、が生活のすべて〟には、思わず膝を打った。
古稀過ぎて、万葉人に倣ってみるとしようか、後者は無理でも、前者の自然観察なら・・・。