
建築士から見た医院開業について学ぶため、深谷康壽氏(積水ハウス株式会社ケアリング推進事業部)を講師にお迎えして、「医院開業の新しい流れ」についてお話いただきました。
①私は積水ハウスに30年間所属し、一級建築士として積水ハウスの商品モデルの開発や特殊な戸建建築等を中心に設計してきました。その中で、診療所付きの住宅を設計する機会が多くありました。2年前からは、医院開業に特化した医院開業企画室という専門チームを作り数名のチームで全国の医療物件をフォローしています。私自身で設計した診療所は30件を数えます。
②診療所の数は年々増えています。1年間に全国で約1000件ずつのペースで増えています。それに対して病院は徐々に減少し、9000件を切ろうかという現状です。平成15年度に新設・再開した診療所が約5000件で休止・廃止した診療所が約4000件です。平成16年度に新設・再開した診療所が約6000件で休止・廃止した診療所が約5000件です。約10万件の診療所のうち、5%が新規参入している、ということは、単純に計算して10年で50%が入れ替わる、という非常にダイナミックに動いている市場といえます。
③診療所の所有形態には3つあります。土地と建物の両方を自己所有するか、土地を借りて建物を自己所有するか、土地と建物の両方を借りるかのいずれかです。建物形態には3つあります。戸建て建築と、タテに集合する医療ビルと、ヨコに集合する郊外型集合クリニックです。すべての診療所の形態は3×3の枠内に当てはまります。
④開業には初期投資が必要です。所有形態、建物形態によってその額が変わります。初期投資額が高い順番に並べると、土地と建物を両方所有する戸建建築の場合は、1億円~2億円必要です。土地を借りて建物を所有する場合は、6000万円~1億円必要です。土地と建物を両方借りる医療ビルの場合は、数千万円必要です。土地と建物の両方を借りる郊外型集合クリニック(クリニックレント)の場合は、約1000万円必要です。クリニックレントの初期投資額が低く抑えられるのは、内装費の多くが地主(オーナー)負担になるからです。年間支出もクリニックレントの場合が一番安くなります。
⑤開業に適する場所は以下の条件を満たします。診療圏に人口が多い。活気があり将来性がある。以前の勤務先に近い。周囲に競合する病院が少ない。出身地である。人、車、自転車のアクセスが良い。郊外型の診療所の場合、車のアクセスと駐車場の確保は大事です。
⑥クリニックレントの医師側のメリットは3つです。開業資金が軽減できます。間取りを自由に決定できます。ゆとりのあるモール内の設計が得られます。土地のオーナー側のメリットは3つです。長期間に渡って安定経営ができます。賃貸住宅よりも高い収益性が得られます。地域に貢献できます。オーナーと医師との間をとりもつ事業者は、地域性を考慮しながら外観をコーディネートします。
⑦設計する立場からすると、これからの診療所に求められるのは社会性と事業性を共に満足させた設計です。社会性という点では、特に街並みを意識した外観と不特定多数の利用者にたいする安全性。事業性という点では、患者さんとスタッフの満足度を上げる事、先生及びスタッフの作業効率、建物の更新性への配慮が挙げられます。
①私は積水ハウスに30年間所属し、一級建築士として積水ハウスの商品モデルの開発や特殊な戸建建築等を中心に設計してきました。その中で、診療所付きの住宅を設計する機会が多くありました。2年前からは、医院開業に特化した医院開業企画室という専門チームを作り数名のチームで全国の医療物件をフォローしています。私自身で設計した診療所は30件を数えます。
②診療所の数は年々増えています。1年間に全国で約1000件ずつのペースで増えています。それに対して病院は徐々に減少し、9000件を切ろうかという現状です。平成15年度に新設・再開した診療所が約5000件で休止・廃止した診療所が約4000件です。平成16年度に新設・再開した診療所が約6000件で休止・廃止した診療所が約5000件です。約10万件の診療所のうち、5%が新規参入している、ということは、単純に計算して10年で50%が入れ替わる、という非常にダイナミックに動いている市場といえます。
③診療所の所有形態には3つあります。土地と建物の両方を自己所有するか、土地を借りて建物を自己所有するか、土地と建物の両方を借りるかのいずれかです。建物形態には3つあります。戸建て建築と、タテに集合する医療ビルと、ヨコに集合する郊外型集合クリニックです。すべての診療所の形態は3×3の枠内に当てはまります。
④開業には初期投資が必要です。所有形態、建物形態によってその額が変わります。初期投資額が高い順番に並べると、土地と建物を両方所有する戸建建築の場合は、1億円~2億円必要です。土地を借りて建物を所有する場合は、6000万円~1億円必要です。土地と建物を両方借りる医療ビルの場合は、数千万円必要です。土地と建物の両方を借りる郊外型集合クリニック(クリニックレント)の場合は、約1000万円必要です。クリニックレントの初期投資額が低く抑えられるのは、内装費の多くが地主(オーナー)負担になるからです。年間支出もクリニックレントの場合が一番安くなります。
⑤開業に適する場所は以下の条件を満たします。診療圏に人口が多い。活気があり将来性がある。以前の勤務先に近い。周囲に競合する病院が少ない。出身地である。人、車、自転車のアクセスが良い。郊外型の診療所の場合、車のアクセスと駐車場の確保は大事です。
⑥クリニックレントの医師側のメリットは3つです。開業資金が軽減できます。間取りを自由に決定できます。ゆとりのあるモール内の設計が得られます。土地のオーナー側のメリットは3つです。長期間に渡って安定経営ができます。賃貸住宅よりも高い収益性が得られます。地域に貢献できます。オーナーと医師との間をとりもつ事業者は、地域性を考慮しながら外観をコーディネートします。
⑦設計する立場からすると、これからの診療所に求められるのは社会性と事業性を共に満足させた設計です。社会性という点では、特に街並みを意識した外観と不特定多数の利用者にたいする安全性。事業性という点では、患者さんとスタッフの満足度を上げる事、先生及びスタッフの作業効率、建物の更新性への配慮が挙げられます。