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平積み本に魅せられて

目利きがすすめる新刊書の紹介 と 付和雷同的読書の感想 

「光の帝国」 【キム・ヨンハ著、宋 美沙訳】 を読んで

2009年04月08日 | 読書 (思うまま)
夜の景風なのに昼の空、不思議なマグリッドの絵「光の帝国」 が表紙
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かつて北朝鮮からスパイとして韓国に潜入した男に、突然の帰還指令。
20年もソウルで暮らした男の戸惑いを描いている。
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北朝鮮での少年時代の断片的な思い出、工作員教育、その後のソウルでの生活。

中年になった主人公は、もはやすっかり韓国での暮らしが体に染みついていて、このまま続けたいのが本心。 
突然の帰還指令に驚きと、疑惑を抱きながら、今の生活の精算に模索する。

友人、愛人、家族とのやり取りの中で、主人公が苦悩する様が何となく可笑しくもありまた哀しい。

サスペンスの体裁をとっているが、中身はどちらかというと、韓国の生活風俗を描いた作品。

満足度 ★★★★☆ (中年男の悲哀が感じられる)

→ 「光の帝国」 Amazon でもっと見る





2009/4月前半 おすすめの本一覧 (NHK週間ブックレビュー、新聞書評、他)

2009年04月04日 | 目利きのおすすめ本 一覧
4/4 放送 NHK週間ブックレビューから
<おすすめの一冊>
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 上 ・下 【スティーグ・ラーソン著 ヘレンハルメ美穂・岩澤雅利訳】 児玉清 (俳優)
全世界で800万部売れた、告発型エンターテイメントミステリー3部作の一作目。
スウェーデン社会の問題を、さりげなく内部に加えている。
主人公が強く生きざるをえなく、手助けしたくなるような気になる。

反哲学入門 【木田元著】 藤沢周 (作家)
題名とは裏腹の、格好の哲学入門書。 哲学の流れがかなり深いところまで理解できる書。 西洋哲学から始まり、神の存在、禅の考えなども織り込まれている。

ひろしま 【石内都著】 梯久美子 (ノンフィクション作家)
被爆被災者の衣服を撮影した写真集。 飾りや縫製など、その衣服からいろんな想いが湧き、胸に突き刺さる。

彼女について 【よしもとばなな著】 中江有里
魂の遍歴を描いた幻想小説。
万人向けというより、心に少し傷を抱えている人に向けて書かれているかもしれない。

<特集テーマ>本の未来を読みとく
女性作家のパワー
 最近は、各賞の受賞者が増えてきた。 男性の描く女性像とは異なり、女性が多様な表現をしている。
歴史読み物ブーム
 1ジャンルを超えた幅広い内容になっている。 
 宿命の中で生きるたくましさ、自分の位置を見つけていくような面白さがある。
 固定観念を覆してくれる。
本のカタチは変わるのか
 ケイタイ小説は、文学とは異なる分野。 
 気に入ったものは、本で手元に置いておきたいという気持ちはある。

       


4/1 日経夕刊 エンジョイ読書 目利きが選ぶ今週の3冊より抜粋
白雲の彼方へ 【山上藤吾著】
縄田一男(文芸評論家)
~永遠の青春へと読者を拉致~
新鋭作家。 幕末の港が舞台で、自藩の卑小な権力闘争を尻目に、外国人と接し、国籍や身分を超えて新しい世界に目をひらいていく様を、青春の熱情と瑞々しさで描いていく。

運命の書〈上〉(下) 【ブラッド・メルツァー著・越前敏弥訳】
小谷真理(ファンタジー評論家)
~事件の裏の謀略幻想を解く~
架空のアメリカ大統領暗殺未遂事件と、後年明かされる背景の政治的謀略を描いた、ノンストップサスペンス。

現役力 (PHP新書) 【工藤公康著】
二宮清純(スポーツジャーナリスト)
~成功体験を捨て、常に挑戦~
現役最年長の投手。 ”長寿”の秘訣を、常に新しいことに挑戦し続けることと説く。

<ベストセラーの裏側>
とてつもない日本 (新潮新書) 【麻生太郎著】
(新潮新書編集部)
麻生太郎首相が外相時代に書いた本。 2007年刊行時はパッとしなかったが、ここに来て急に売れ出した。
「2ちゃんねる」「mixi]などインターネットの掲示板で応援された事で、購入者が急増した。
内容の是非はひとまずおいて、持ち前の楽天家ぶりを遺憾なく発揮した本。

      


2009/3月後半 おすすめの本一覧 (NHK週間ブックレビュー、新聞書評、他)

2009年03月28日 | 目利きのおすすめ本 一覧
3/28 放送 NHK週間ブックレビューから
<おすすめの一冊>
33個めの石 傷ついた現代のための哲学【森岡正博著】 井上章一 (国際日本文化研究センター教授)
現代の哲学者が書いた23編の哲学エッセー 。
一話が数頁で書かれていて、堅苦しくなく、寛容の難しさ、生き方を考えさせてくれる書。

この世でいちばん大事な「カネ」の話 (よりみちパン!セ)【西原理恵子著】 華恵 (エッセイスト)
自立は経済的自立から始まる。
働くとは、お金とは、といろいろな視点から書かれてる。

ディビザデロ通り (新潮クレスト・ブックス)【マイケル・オンダーチェ著 松村潔訳】 永江朗 (フリーライター)
カナダ人の詩人作家
表現が独特、起承転結が明確ではなく、映画予告編のような感じで、バラバラに家族の風景を描いている。 
余白は読者が埋める事になるので、読み人により印象が異なる本。

<特集テーマ> 小林秀雄が蘇る? 
著者・ゲスト 原田宗典
小林秀雄先生来る
芝居として書かれた戯曲
昭和57年の津軽に設定し、小林秀雄の講演をテーマに舞台にした。
小林秀雄と一緒にいられるような幸せを感じられる。


      


3/25 日経夕刊 エンジョイ読書 目利きが選ぶ今週の3冊より抜粋
風の中のマリア【百田尚樹著】 
北上次郎(文芸評論家)
~オオスズメバチのリアルな30日~
働きバチのマリアが主人公の異色昆虫小説。
寿命が30日のオオスズメバチの生態が、擬人法でリアルに描かれている。

絵画の変―日本美術の絢爛たる開花 (中公新書)【並木誠士著】
井上章一(風俗史家)
~鑑賞の歴史、日本に600年有り~
絵画鑑賞の歴史に関する考え方に一石を投じた書。
明治以降という趨勢に対し、十五,十六世紀から始まっていると言っている。

動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか【福岡伸一著】
竹内薫(サイエンスライター)
~「生きる」ことの生物学的意味~
哲学的ではなく、生物学からのアプローチが語られている。
常に変化しつつ『生きている』身体を、『動的な平衡』と名付けたシェーンハイマー。

     



3/21 放送 NHK週間ブックレビューから
<おすすめの一冊>
幕末史 【半藤一利著】 清水義範 (作家)

しんくやくしょモノレール 【長嶋柊著】 上村美鈴 (フリー編集者)

東京煮込み横丁評判記 【坂崎重盛著】 喜多條忠 (作詞家)

<特集>「天使のとき」を語る
著者・ゲスト 佐野洋子
天使のとき


   



3/18 日経夕刊 エンジョイ読書 目利きが選ぶ今週の3冊より抜粋
トリック・ベイビー 罠 (P-Vine Books) 【アイスバーグ・スリム著、小林雅明訳】
野崎六助(評論家)
~プロの詐欺師の一代記~
作者はシカゴのスラム育ちで、四十年前の作品だが細部が「生きて」いる。
二人組詐欺師の、詐欺をしながらも、愛を求める苦しみを描いている。

ブラック・ノイズ 【トリーシャ・ローズ著、新田啓子訳】
陣野俊史(批評家)
~ヒップホップ3要素を説く~
ラップ、グラフィティ、ブレイクダンスについて個別に学術的に研究した本。
アメリカ文化内で終始しているが、決定版といえる。

失われた“20年” 【朝日新聞「変転経済」取材班編】
中沢孝夫(福井県立大教授)
~日本経済の試行錯誤の歴史~
本書の丹念な調査とインタビューでここ二十年の日本経済の試行錯誤の歴史の原因を読者に知らせてくる。
活字離れが言われる中で、このような「調査報道」に関しては新聞や経済誌が圧倒的に優れている。 

「時が滲む朝」【楊逸著】 を読んで

2009年03月19日 | 読書 (思うまま)
朝陽で暗く浮かびあがった天安門と自転車が通り過ぎる広場が表紙
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青年の夢とその後の人生を、天安門事件前夜から香港返還、北京オリンピック招致に重ねて描いている。

若き日の、ひたむきな情熱と挫折、そして日本でなんとか手に入れた平穏な小市民的暮らし。 
時はあっけなく過ぎていく、青春の光と影を写しだしながら。
そのくぎり区切りで朝を迎え、朝陽の中でそれまでの出来事を時が滲むように振り返り、新たな未来へ向かう想いを抱く。
”時が滲む朝”という題名が象徴している。
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中国での学生時代からその後の日本での暮らしまで、テーマは広いのに150頁と分量が少ないので、ダイジェスト版のような描写になりがち。
逆に省略された部分を想像しながら、一気に読んでしまえるところが良いかもしれない。 
 
時代の流れに翻弄された主人公の切ない思いが伝わる作品。
まさに過ぎ去ったあの日を、ほろ苦く思い出させる青春物語。
 
満足度 ★★★★☆ (ほろ苦き思い出)

→ 「時が滲む朝」 Amazon でもっと見る

「東京島」【桐野夏生著】 を読んで

2009年03月18日 | 読書 (思うまま)
表紙からは、閉じたローカルな話と予想される。
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南海の孤島に漂着した、女1人、男30人以上のサバイバル生活をエゴと性欲を交えてコミカルに且つシニカルに描いている。
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夫をくじ引きで選ぶという、書き出しからして、気楽に読めるナンセンスな話だなと予想がつき、はたして、そのような展開。
途中から、中国人グループも登場し、システマティックに行動する彼らに対し、ばらばらで享楽的な日本人。 この辺りは、皮肉を込めた文化的対比なのかなと勘ぐってしまう。
主人公の、女であることを武器に節操もなく男を利用していく様には、呆れてしまうほど。
多少スリリングなのはおしまい近くなってから。 そしてあっという間のエンディング。 少し飛躍しすぎではないですか、とつい思ってしまう。

満足度 ★★☆☆☆ (お気楽ホラ話)

 → 「東京島」 Amazon でもっと見る



「わたしを殺して、そして傷口を舐めて。」 を読んで

2009年03月14日 | 読書 (思うまま)
表紙写真が内容を予感させる。
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原題は”レッドキャット”、猫のタトゥーが内股にある謎の女が話の中心。

主人公の探偵ジョンが、銀行家の兄から人捜しの依頼を受けたところから、話が始まる。
インターネットの出会い系サイトで知り合った女性とつかの間の逢瀬の後、兄はその女から執拗な脅迫を受ける羽目になったのだった。 
スキャンダル、夫婦崩壊の危機で兄は半ば自暴自棄になりかけている。

主人公が調査を進めると、意外な裏側が見えてくる。 女は最初から兄をカモにしたのだった。
演出家、用心棒、警察の捜査、と絡んできて、しだいに核心に近づいていく。
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話の展開は素直。 ストーリーに無理がなく、劇的な転換はしない。

主人公は、タフガイでも、それほどダンディーでもなく、普通の男。
登場する主人公の愛人は、主人公の性格を浮かび上がらせるだけの役割とは少し残念。

訪ねた場所の情景描写がやたらと細かい。
はじめに言葉ありきの文化なのかなと思ってしまう。
こちらに、その描写を楽しむくらいの余裕が必要なのかもしれない。

満足度 ★★★☆☆ (話は面白いが、情景描写が少しクドイ)


→ 「わたしを殺して、そして傷口を舐めて。」 Amazon でもっと見る





 

2009/3月前半 おすすめの本一覧 (NHK週間ブックレビュー、新聞書評、他)

2009年03月14日 | 目利きのおすすめ本 一覧
3/14 放送 NHK週間ブックレビューから
<おすすめの一冊>
がんばらない生き方 【池田清彦著】 南 伸坊 (イラストレーター)
昆虫学者の視点は面白い。 読んだ内容は、覚えていなくてもまた読みたくなる本。 肩が楽になる。
ガンバル女をサブタイトルにしたら、、、

いかりや長介という生き方 (幻冬舎文庫) 【いかりや浩一著】 高見恭子 (タレント)
いかりや長介の子息が書いた本。こどもの視点から見た、個人としてのいかりや長介を、その苦悩も交えて描いている。 文章がとても上手。 

時間封鎖 (上、下)(創元SF文庫) 【ロバート・チャールズ・ウィルスン著 茂木健訳】 夢枕 獏 (作家)
宇宙の時間が限りなく速くなり、地球に太陽膨張の危機が訪れるという設定。
SF長編ながら、一気に読んでしまう面白さがある。

<特集>最新作「プリンセス・トヨトミ」を語る
著者・ゲスト 万城目 学
プリンセス・トヨトミ
現代から始まる、大阪を舞台とした奇想天外の話。 独特のキャラクターが登場し、万城目マジックの世界が拡がる。 秘密いっぱいのエンターテイメント小説。


3/11 日経夕刊 エンジョイ読書 目利きが選ぶ3冊より抜粋
神君幻法帖 【山田正紀著】
縄田一男(文芸評論家)
~風太郎ファンを至福に誘う~
山田風太郎を思わせる妖怪や幻術の世界が拡がる。

アッチェレランド (海外SFノヴェルズ) 【チャールズ・ストロス著】
小谷真理(ファンタジー評論家)
~人間性放棄をコミカルに~
人格を放棄したようなSFの世界を、家族ドラマ仕立てで面白く仕上げている。

徹底抗戦 【堀江貴文著】
二宮清純(スポーツジャーナリスト)
~豊富なエピソードで読ませる~
あのホリエモンの著作で、事件の裏側ともいえる内容も豊富に含まれた内容。

3/7 放送 NHK週間ブックレビューから
<おすすめの一冊>
ハチはなぜ大量死したのか 【ローワン・ジェイコブセン著 中里京子訳 福岡伸一解説】 香山二三郎 (コラムニスト)
 知られざるミツバチの生態と、激減しているという最近の異常な現象について、ミステリー仕立てのドキュメンタリーになっている。
原因を単純に農薬、環境変化と結論づけているわけでもない。
原題は「実らない秋」

日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で 【水村美苗著】 田口久美子 (書店員)
 明治期の近代日本文学を通して、国語としての日本語を讃えている。
言語には、現地語、国語、普遍語としての面があるが、最近の英語が幅を利かす時代になっても、国語としての日本語に頑張って欲しい、という思いが伝わってくる。

公園で逢いましょう。 【三羽省吾著】 金原瑞人 (翻訳家) 
 公園に来る6人のそれぞれの内面を描いている。 男が一人だけ登場するのがアクセントになっている。

<特集>絵画・歴史・愛
 著者・ゲスト 中野京子
歴史が語る 恋の嵐 (角川文庫)
 ドイツ文学、西洋文化史が専門で、絵画と歴史文化的要素を結びつけた著作が得意。 「怖い絵」他。
14歳から66歳までの歴史に名を残した女性の恋物語のエッセイ。


 3/4 日経夕刊 エンジョイ読書 目利きが選ぶ3冊より抜粋
本日、サービスデー 【朱川湊人著】
 北側次郎(文芸評論家)
 ~願い叶う日「自分なら・・・」~
 一生に一度だけ、何でも叶う日を偶然知らされた男の意外な願いと、後日譚。
 不思議な話を集めた作品集

33個めの石 傷ついた現代のための哲学 【森岡正博著】
 井上章一(風俗史家)
 ~心あらわれる生命観・哲学~
 2007年アメリカの大学でおきた、銃乱射事件の犠牲者32人を悼むため32個の石をおいたら、いつの間にか1個増えている。 取り除いても、また33個になる。 犯人の分の石が置かれる。犯人もまた、現代社会の犠牲者だと。 そのような多くの逸話を通して生命や哲学を語っていく

元素周期 萌えて覚える化学の基本 【スタジオ・ハードデラックス編著、満田深雪監修】
 竹内薫(サイエンスライター)
 ~萌え系女の子が手ほどき~
 いわゆる萌え系の女の子たちが、元素を体現するキャラクターになっているが、内容はきわめてまともで、副読本としてしっかり作ってある。

3/1 日経 SUNDAY NIKKEI 読書から
ナチが愛した二重スパイ 【ベン マッキンタイアー著、高儀 進訳】
 川成洋(法政大学教授)
 ~英独戦の陰に機略縦横な活動~
ローマ亡き後の地中海世界(上)(下) 【塩野七生著】
 藤原作弥(エッセイスト)
 ~文明論的考察に誘う海戦物語~

「羊の目」 読書

2009年03月05日 | 読書 (思うまま)
藍色の表紙が、本格的な小説を予感させる。
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夜鷹の女が自分の子供を、男と見込んだ侠客に預け、その子供がやがて刺客になっていく話。 かつてのヤクザ映画を彷彿とさせる。
舞台は浅草から始まり、大阪、網走、ロサンゼルス、長崎、、、。
時代は昭和初期から現代までで、一人の男の生き様を、彼に関わった人々を通してあぶり出していく。
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主人公の武美は、ぬくもりを与えてくれた人のことを、片時も忘れない、
その人のためなら、どんなことでも躊躇することなく行動する、
ゴルゴ13のような冷厳さで。

あの古き良きとは言わないまでも、任侠の時代が、ただのヤクザの世界に変わっていくのが悲しい。
それでもオヤジさんへの絶対的な忠誠心は揺るぐことがない。

かつて、ある日本の首相が有罪になった後でも、中国の要人から敬意を表されたのと同じ感じがする。 善し悪しは別にして、羨ましくもある。

彼に敵する人間からは、オオカミのように恐れられ、
彼の側の人間からは皆その不思議な魅力で慕われる。
私は、彼に悪い意味ではないが、冷ややかさを感じた。

組同士の抗争などは、東映のヤクザ映画を思わせるが、どぎつい場面はなく、清々と進んで行く。

昭和初期から現代まで、大きな時代の流れを感じさせる雄大さがある。
そして読んでいる人を引きつける、ストーリー展開。

なにも本人が望んだわけではないが、その時そのときの流れによって翻弄された人生。
それに向かって彼はひたむきに生き抜いていく。 その姿に切なさを感じる。

彼は、寡黙であり、
「男はタフでなければ生きていけない、やさしくなければ生きている資格がない」を地で行く男、チョット面白みには欠けるが。

読んでいる最中はエンターテーメントなのに、
読み終えて感じたのは、凛とした静けさ。

満足度 ★★★★☆(高倉健の世界ですね)

 → 「羊の目」  Amazon でもっと見る



2009/2 おすすめの本一覧 (NHK週間ブックレビュー、新聞書評、他)

2009年03月05日 | 目利きのおすすめ本 一覧
2/28 放送 NHK週刊ブックレビューから
一粒の柿の種―サイエンスコミュニケーションの広がり 【渡辺政隆著】
 向井万起男 (医師、慶應大学准教授)
精神分析を受けに来た神の話―幸福のための10のセッション 【マイケル・アダムス著 勝野憲昭訳】
 神津カンナ (作家、エッセイスト)
乱歩の軌跡―父の貼雑帖から 【平井隆太郎著】
 坂口恭平 (建築探検家)
<特集>新芥川賞作家に迫る
 著者・ゲスト 津村記久子
ポトスライムの舟 
アレグリアとは仕事はできない


2/25 日経夕刊 エンジョイ読書から
煙霞【黒川博行著】
東京借景【荻世いをら著】
就職氷河期応援歌―一万本の「添削」から見えたもの【西垣戸勝著】

2/21 NHK 週刊ブックレビューから
カルメン・ドッグ 【キャロル・エムシュウィラー著 畔柳和代訳】
絵に描けないスペイン  【堀越千秋著】
戦争絶滅へ、人間復活へ―九三歳・ジャーナリストの発言 (岩波新書) 【むのたけじ/著 黒岩比佐子/聞き手】
特集
・「カムイ伝講義」を語る 著者・ゲスト 田中優子

2/18 日経夕刊 エンジョイ読書から
秋月記 【葉室麟著】
ラヴィン・ザ・キューブ【森深紅著】
幕末の将軍 (講談社選書メチエ) 【久住真也著】
<ベストセラーの裏側>
資本主義はなぜ自壊したのか 「日本」再生への提言 【中谷巌著】

2/14 NHK 週刊ブックレビューから
街場の教育論 【内田樹著】
奇縁まんだら 【瀬戸内寂聴 著 横尾忠則 画】
わが闇    【ケラリーノ・サンドロヴィッチ著】
特集<あなたの日本語は大丈夫?>
日本語の作法 【外山滋比古著】

 2/7 NHK 週刊ブックレビューから
幻影の書 【ポール・オースター著 柴田元幸訳】
最高の銀行強盗のための47ヶ条 (創元推理文庫) 【トロイ・クック著 高澤真弓訳】
若者はみな悲しい (光文社古典新訳文庫)【フィッツジェラルド著 小川高義訳】


ナチが愛した二重スパイ [SUNDAY NIKKEI]

2009年03月01日 | 目利きのおすすめ
☆ 3/1 日経 SUNDAY NIKKEI 読書から
・ナチが愛した二重スパイ 【ベン マッキンタイアー著、高儀 進訳】 川成洋(法政大学教授)
 ~英独戦の陰に機略縦横な活動~
・ローマ亡き後の地中海世界(上)(下) 【塩野七生著】 藤原作弥(エッセイスト)
 ~文明論的考察に誘う海戦物語~

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☆ 私の理解と期待
・ナチが愛した二重スパイ
007シリーズ作者のイアンフレミングも関係する、英独諜報戦の迫真ドキュメンタリー。
スリラー仕立てになっている。
戦争の知られざる裏側を見せてくれる内容かな。 これは面白そう。

 → ナチが愛した二重スパイ 【ベン マッキンタイアー著、高儀 進訳】 Amazon でもっと見る


・ローマ亡き後の地中海世界(上)(下)
イスラム教徒とキリスト教徒の海戦物語を通して、今日の国家間パワーゲームまで考えさせる内容らしい。
宗教観が希薄な人が、世界を理解するにはふさわしい内容かな。
これも読んでみたい内容。