前回からの続き
復活
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/9b/407d5b98eba3d4fcdae55d85dea686da.jpg)
ヒュンケルとの戦いに敗れ、死亡したはずのハドラーの姿が鬼岩城にあった。
かつてアバンに倒されたときと同じように、ハドラーは復活を果たしたのだった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/bc/464559cb37dd1f36d0af5ce55295ef3c.jpg)
ハドラーを復活させたのは、魔王軍魔影軍団の軍団長「魔影参謀ミストバーン」である。
大魔王バーンによってハドラーに与えられた肉体は、不死身の肉体であり、
たとえ何度死ぬことになろうと、ハドラーはミストバーンやバーンの暗黒闘気によって
生前よりもさらに強靭な肉体となってよみがえることが可能だったのだ。
ハドラーの肉体は大魔王バーンのものであり、ハドラーには生死を選ぶ権利もなく、
ただ修羅のごとく大魔王バーンのために戦え。
ミストバーンは、そう告げた。
ハドラーにとっても、それは望むところであった。
自分をここまで追い詰めたアバンの使徒どもを、決してこのままで済ますわけにはいかない!
ハドラーは決意も新たに、打倒アバンの使徒に燃えるのだった。
魔軍司令ハドラーの憂鬱
復活を果たしたとはいえ、ハドラーは生きた心地がしない。
大魔王バーンを頂点とする魔王軍の六大軍団のうち、「百獣魔団」「不死騎団」「氷炎軍団」が滅んだ。
これは、魔王軍の戦力が半減したことを意味する。
そして、その責任はすべて魔軍司令であるハドラーにあるのだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/48/6cb37d07be36577d31464e71ef4d3227.jpg)
そして、意気消沈するハドラーの前に一人の男が現れる。
男の名は「死神キルバーン」。
大魔王バーン直属の殺し屋としてその意にそぐわぬ者を闇に葬るという噂を持つ男である。
よもや、失敗続きの自分を処刑しに来たのではと思わず凍りつくハドラーだったが、
どうもそうではないらしい。
だが、キルバーンはハドラーに警告する。
「大魔王バーン様は寛大なお方だけど、限度があるよ・・・ もしまたしくじったら・・・」
ハドラーの心配事はまさにそこであった。
もう、失敗することはできない。
ハドラーは新たなアバンの使徒打倒の計画を練ろうとするが・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/88/102bd899802ff61a018f57cc87364aad.jpg)
先の総力戦に参加させなかった超竜軍団長・バランが、なんとカール王国を早々に滅ぼして
帰還してきてしまったのだった。
これにはハドラーも驚いた。
かつて勇者アバンや戦士ロカらの英雄を輩出した強国・カールをこれほどまでに早く滅ぼすとは!
ハドラーにはバランをダイと引き合わせたくない理由があった。
が、バランはその理由に気付いてしまったのである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/82/61f43f24c60ca0733ec3d8914241407a.jpg)
それは、ダイが「竜の騎士」であることに起因する。
この時点まで、ダイが「竜の騎士」であることを気付いていたのは魔王軍ではハドラーのみであった。
しかし、この場でバランが指摘したことにより、その事実は魔王軍の幹部すべての知るところとなった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/51/b98a9b1f09d31ad82451a369a0a4c92c.jpg)
ハドラーはバランが出撃することを断固拒否するつもりであったが、
キルバーンという第三者の存在によって、それは妨げられることとなってしまった。
キルバーンによる大魔王バーンへの仲介によって、バランに出撃許可が与えられることとなったのである。
ついに兼ねてよりのハドラー最大の懸念が現実となるときが来る・・・
懸念の正体
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/3f/1542fc8d78885887ff9fe0a030a078c6.jpg)
出撃したバランは早速、ダイと邂逅する。
そして、バランはダイに自分が父親であることを告げたのだった。
そう、バランとダイは親子であった。
バランは地上に唯一存在する真の竜の騎士である。
勇者ダイは、竜の騎士バランと人間の娘のあいだに出来た混血児だったのである。
ハドラーはこの二人の邂逅を誰よりも恐れ、ダイが竜の騎士の力を持っているという事実を
ひた隠しにしてきたのであった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/f4/3670f9a3f3e5f476dd9e8ad891054e20.jpg)
それもすべて、こうなることを恐れての小細工だった。
竜の騎士バランが、その息子ダイを魔王軍に引き入れることに成功すれば、
大魔王バーンの魔王軍は二人の竜の騎士を抱える非常に強力な軍団となる。
そうなれば当然、魔王軍におけるバランは今よりも格別の待遇を受けることになるだろう。
たとえば、魔軍司令の座を任されるような・・・。
ハドラーの思い描いていた最悪のシナリオが現実になってしまった!
なんとかしなければ、自分の今の立場が非常に危うい!!
いよいよもって絶体絶命の思いを抱いたハドラーであったが、
その最大の懸念は現実とはならなかったのである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/8a/7b2ee835fb0fc153ceebb9ae92feeea1.jpg)
バランはダイを魔王軍に引き入れることに失敗。
しかし、自身も魔王軍に戻ることはせずにそのまま戦線を離脱した。
最初にハドラーが思い描いていた懸念は具体化しなかったが、これはこれでまずい状況である。
ダイはバランとの戦いでさらに竜の騎士の力に目覚めてしまい、
もはや本格的に手のつけられない勇者へと成長を遂げてしまった。
バランはなんと魔王軍を離脱し、さらにその強大な力も健在なのである。
そして、ダイの魔王軍引き入れ失敗やバラン離脱の功罪はすべて、
魔軍司令であるハドラーに圧し掛かってくることになる。
それに、ダイが竜の騎士だと気づいていたことを大魔王バーンに報告しなかったことも
バーンの印象を悪くするのに一役買ってしまっていた。
もはやどうにも言い逃れができない状況の中、ハドラーは大魔王バーンの御前に呼び出されてしまう・・・
最後のチャンス
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/b2/3dff6e3584dcb4e730983a997e01500f.jpg)
案の定、大魔王バーンにボロカスに叱責される魔軍司令ハドラー。
さらに、バーンはハドラーの失敗を指折り数え始めた。
一つ、ロモス・パプニカを奪還され、魔王軍の軍団長二人を敵に回してしまった。
二つ、バルジ島において、全軍を率いたにもかかわらずダイを討ちもらしてしまった。
三つ、ダイが竜の騎士であることを明かさず、今回のバランの失態を招いてしまった。
バーンは、失敗は三度までなら許すという旨の発言をしたが、ここまでハドラーは
三度の失敗を重ねたこととなる。
ハドラーは、いよいよもって生きた心地がしなくなり、その身体は恐怖にふるえはじめた。
しかし。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/43/9f9fee3a3f12673d06e806b2b19c5604.jpg)
バーンは、ハドラーがアバンを葬った功績を忘れてはいなかった。
これによって一回の失敗が帳消しとなり、ハドラーに最後のチャンスが与えられることとなる。
九死に一生を得たハドラー!
ここで一発逆転しなければすべてが終わる!!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/7a/74cc22aade1cc7967994f5aac28a6cc0.jpg)
大魔王バーンの間を辞したハドラーの表情には、もうなりふりかまってはいられないという
大きな決意が現れていた・・・。
アバンの使徒 急襲
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/36/024d1d002320aa7f736c6e141edcc067.jpg)
手段を選んでいられなくなるほど追いつめられたハドラーは、妖魔司教ザボエラの奸計を採用し、
バランとの戦いの傷を癒すアバンの使徒を急襲することにした。
その戦術はほとんど騙し討ちに近いものであった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/a3/4a99c08e6cef78a348be21b7964eceb0.jpg)
かつてはザコとあなどり、眼中にもなかった魔法使いポップを倒すためにも
こんな戦術を使うことになるとは・・・
さすがのハドラーも良い気持ちはしない。
ポップからも激しい抗議を受ける。
「見そこなったぜハドラー! てめえは残酷だけど卑怯じゃなかった。今まで何度か戦ったが
そん時にゃまだ魔王の威厳みたいのがあったぜ・・・!
それが…こんな妖怪ジジイのきたねえだましうちに頼るとはよ・・・!
とうとう落ちるとこまで落ちたな!!」
これは耳の痛い抗議である。
しかし、自分にはもう失敗は許されない。手段を選んでる余裕はないのだ!!
ハドラーの反論に対し、ポップは獣王クロコダインを例に出した。
「クロコダインのおっさんも以前おんなじようなことを言ってたぜ
だが、最後にはわかってくれたさ
男の戦いには・・・勝ち負けより大事なものがあるんだってことをな・・・!!」
この言葉に、ハドラーはぐうの音も出なかった。
事もあろうに、かつてハナタレ小僧と侮ったポップにここまで言われてしまうとは。
しかし、悔しいがポップの言う通りかもしれない・・・。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/00/fc6d1ab3d615240e90e2abb0b7c13146.jpg)
そうこうしているうちに、ポップの救援に駆け付けた人物がいた。
それは、かつて勇者アバンとともにハドラーにたてついた、
人間界最強の大魔導士と名乗っていた「マトリフ」であった。
やっかいな人物が現れたものだ!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/92/197311b2eb985b4f17525804e9365512.jpg)
その魔法力はすさまじく、ハドラーをも上回るほど強力であった。
マトリフは、ハドラーの最強呪文「ベギラゴン」をも使いこなした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/4f/95b300b340be778ad8f59c9e74135bde.jpg)
さらに、そこへ勇者ダイも現れてハドラーの敗北は決定的となった。
バランとの戦いの中で竜の騎士として覚醒を続けるダイは、もはやハドラーの手に負える相手では
なくなっていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/02/21b8dfe718de66764cddc760b4026b46.jpg)
かつてのバルジ島での戦いよりも遥かに無様に敗北したハドラーは
このまま鬼岩城へと戻るわけにはいかなかった!
これが最後のチャンスだったのだ。
このまま帰還しても、待っているのは大魔王バーンによる処刑のみ。
なんとしてでもアバンの使徒を討たなければ、自分に帰る場所などないのである!!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/07/6e14c3784977fcda162ed22e065bfe37.jpg)
アバンの使徒の成長速度は速い!速すぎる!!
大魔王バーンからさずかったこの最強の肉体でも、その成長に追いつくことはできない!
ならば、それを超える強大な力を身につけるしかない!!
ハドラーはザボエラが密かに「超魔生物」の研究を進めていることを知っていた。
今こそ、それを使って地上最強の力を手に入れなければアバンの使徒には勝てないのだ。
それまで現在の魔軍司令の地位を守ることに執心していたハドラーは、
今回の敗北をもって初めて「アバンの使徒」という存在について正面から考えた。
奴らの成長の速度の速さは一体なんなのだ、奴らの強さの根源は一体なんなのだ、と。
やがて、それを考えつづけたハドラーの頭の中からは、
魔軍司令という地位・名誉に執心する考えは一切消えていた・・・。
次回へ続く
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/9b/407d5b98eba3d4fcdae55d85dea686da.jpg)
ヒュンケルとの戦いに敗れ、死亡したはずのハドラーの姿が鬼岩城にあった。
かつてアバンに倒されたときと同じように、ハドラーは復活を果たしたのだった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/bc/464559cb37dd1f36d0af5ce55295ef3c.jpg)
ハドラーを復活させたのは、魔王軍魔影軍団の軍団長「魔影参謀ミストバーン」である。
大魔王バーンによってハドラーに与えられた肉体は、不死身の肉体であり、
たとえ何度死ぬことになろうと、ハドラーはミストバーンやバーンの暗黒闘気によって
生前よりもさらに強靭な肉体となってよみがえることが可能だったのだ。
ハドラーの肉体は大魔王バーンのものであり、ハドラーには生死を選ぶ権利もなく、
ただ修羅のごとく大魔王バーンのために戦え。
ミストバーンは、そう告げた。
ハドラーにとっても、それは望むところであった。
自分をここまで追い詰めたアバンの使徒どもを、決してこのままで済ますわけにはいかない!
ハドラーは決意も新たに、打倒アバンの使徒に燃えるのだった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/dokuro.gif)
復活を果たしたとはいえ、ハドラーは生きた心地がしない。
大魔王バーンを頂点とする魔王軍の六大軍団のうち、「百獣魔団」「不死騎団」「氷炎軍団」が滅んだ。
これは、魔王軍の戦力が半減したことを意味する。
そして、その責任はすべて魔軍司令であるハドラーにあるのだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/48/6cb37d07be36577d31464e71ef4d3227.jpg)
そして、意気消沈するハドラーの前に一人の男が現れる。
男の名は「死神キルバーン」。
大魔王バーン直属の殺し屋としてその意にそぐわぬ者を闇に葬るという噂を持つ男である。
よもや、失敗続きの自分を処刑しに来たのではと思わず凍りつくハドラーだったが、
どうもそうではないらしい。
だが、キルバーンはハドラーに警告する。
「大魔王バーン様は寛大なお方だけど、限度があるよ・・・ もしまたしくじったら・・・」
ハドラーの心配事はまさにそこであった。
もう、失敗することはできない。
ハドラーは新たなアバンの使徒打倒の計画を練ろうとするが・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/88/102bd899802ff61a018f57cc87364aad.jpg)
先の総力戦に参加させなかった超竜軍団長・バランが、なんとカール王国を早々に滅ぼして
帰還してきてしまったのだった。
これにはハドラーも驚いた。
かつて勇者アバンや戦士ロカらの英雄を輩出した強国・カールをこれほどまでに早く滅ぼすとは!
ハドラーにはバランをダイと引き合わせたくない理由があった。
が、バランはその理由に気付いてしまったのである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/82/61f43f24c60ca0733ec3d8914241407a.jpg)
それは、ダイが「竜の騎士」であることに起因する。
この時点まで、ダイが「竜の騎士」であることを気付いていたのは魔王軍ではハドラーのみであった。
しかし、この場でバランが指摘したことにより、その事実は魔王軍の幹部すべての知るところとなった。
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ハドラーはバランが出撃することを断固拒否するつもりであったが、
キルバーンという第三者の存在によって、それは妨げられることとなってしまった。
キルバーンによる大魔王バーンへの仲介によって、バランに出撃許可が与えられることとなったのである。
ついに兼ねてよりのハドラー最大の懸念が現実となるときが来る・・・
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出撃したバランは早速、ダイと邂逅する。
そして、バランはダイに自分が父親であることを告げたのだった。
そう、バランとダイは親子であった。
バランは地上に唯一存在する真の竜の騎士である。
勇者ダイは、竜の騎士バランと人間の娘のあいだに出来た混血児だったのである。
ハドラーはこの二人の邂逅を誰よりも恐れ、ダイが竜の騎士の力を持っているという事実を
ひた隠しにしてきたのであった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/f4/3670f9a3f3e5f476dd9e8ad891054e20.jpg)
それもすべて、こうなることを恐れての小細工だった。
竜の騎士バランが、その息子ダイを魔王軍に引き入れることに成功すれば、
大魔王バーンの魔王軍は二人の竜の騎士を抱える非常に強力な軍団となる。
そうなれば当然、魔王軍におけるバランは今よりも格別の待遇を受けることになるだろう。
たとえば、魔軍司令の座を任されるような・・・。
ハドラーの思い描いていた最悪のシナリオが現実になってしまった!
なんとかしなければ、自分の今の立場が非常に危うい!!
いよいよもって絶体絶命の思いを抱いたハドラーであったが、
その最大の懸念は現実とはならなかったのである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/8a/7b2ee835fb0fc153ceebb9ae92feeea1.jpg)
バランはダイを魔王軍に引き入れることに失敗。
しかし、自身も魔王軍に戻ることはせずにそのまま戦線を離脱した。
最初にハドラーが思い描いていた懸念は具体化しなかったが、これはこれでまずい状況である。
ダイはバランとの戦いでさらに竜の騎士の力に目覚めてしまい、
もはや本格的に手のつけられない勇者へと成長を遂げてしまった。
バランはなんと魔王軍を離脱し、さらにその強大な力も健在なのである。
そして、ダイの魔王軍引き入れ失敗やバラン離脱の功罪はすべて、
魔軍司令であるハドラーに圧し掛かってくることになる。
それに、ダイが竜の騎士だと気づいていたことを大魔王バーンに報告しなかったことも
バーンの印象を悪くするのに一役買ってしまっていた。
もはやどうにも言い逃れができない状況の中、ハドラーは大魔王バーンの御前に呼び出されてしまう・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/dokuro.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/b2/3dff6e3584dcb4e730983a997e01500f.jpg)
案の定、大魔王バーンにボロカスに叱責される魔軍司令ハドラー。
さらに、バーンはハドラーの失敗を指折り数え始めた。
一つ、ロモス・パプニカを奪還され、魔王軍の軍団長二人を敵に回してしまった。
二つ、バルジ島において、全軍を率いたにもかかわらずダイを討ちもらしてしまった。
三つ、ダイが竜の騎士であることを明かさず、今回のバランの失態を招いてしまった。
バーンは、失敗は三度までなら許すという旨の発言をしたが、ここまでハドラーは
三度の失敗を重ねたこととなる。
ハドラーは、いよいよもって生きた心地がしなくなり、その身体は恐怖にふるえはじめた。
しかし。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/43/9f9fee3a3f12673d06e806b2b19c5604.jpg)
バーンは、ハドラーがアバンを葬った功績を忘れてはいなかった。
これによって一回の失敗が帳消しとなり、ハドラーに最後のチャンスが与えられることとなる。
九死に一生を得たハドラー!
ここで一発逆転しなければすべてが終わる!!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/7a/74cc22aade1cc7967994f5aac28a6cc0.jpg)
大魔王バーンの間を辞したハドラーの表情には、もうなりふりかまってはいられないという
大きな決意が現れていた・・・。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/dokuro.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/36/024d1d002320aa7f736c6e141edcc067.jpg)
手段を選んでいられなくなるほど追いつめられたハドラーは、妖魔司教ザボエラの奸計を採用し、
バランとの戦いの傷を癒すアバンの使徒を急襲することにした。
その戦術はほとんど騙し討ちに近いものであった。
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かつてはザコとあなどり、眼中にもなかった魔法使いポップを倒すためにも
こんな戦術を使うことになるとは・・・
さすがのハドラーも良い気持ちはしない。
ポップからも激しい抗議を受ける。
「見そこなったぜハドラー! てめえは残酷だけど卑怯じゃなかった。今まで何度か戦ったが
そん時にゃまだ魔王の威厳みたいのがあったぜ・・・!
それが…こんな妖怪ジジイのきたねえだましうちに頼るとはよ・・・!
とうとう落ちるとこまで落ちたな!!」
これは耳の痛い抗議である。
しかし、自分にはもう失敗は許されない。手段を選んでる余裕はないのだ!!
ハドラーの反論に対し、ポップは獣王クロコダインを例に出した。
「クロコダインのおっさんも以前おんなじようなことを言ってたぜ
だが、最後にはわかってくれたさ
男の戦いには・・・勝ち負けより大事なものがあるんだってことをな・・・!!」
この言葉に、ハドラーはぐうの音も出なかった。
事もあろうに、かつてハナタレ小僧と侮ったポップにここまで言われてしまうとは。
しかし、悔しいがポップの言う通りかもしれない・・・。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/00/fc6d1ab3d615240e90e2abb0b7c13146.jpg)
そうこうしているうちに、ポップの救援に駆け付けた人物がいた。
それは、かつて勇者アバンとともにハドラーにたてついた、
人間界最強の大魔導士と名乗っていた「マトリフ」であった。
やっかいな人物が現れたものだ!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/92/197311b2eb985b4f17525804e9365512.jpg)
その魔法力はすさまじく、ハドラーをも上回るほど強力であった。
マトリフは、ハドラーの最強呪文「ベギラゴン」をも使いこなした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/4f/95b300b340be778ad8f59c9e74135bde.jpg)
さらに、そこへ勇者ダイも現れてハドラーの敗北は決定的となった。
バランとの戦いの中で竜の騎士として覚醒を続けるダイは、もはやハドラーの手に負える相手では
なくなっていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/02/21b8dfe718de66764cddc760b4026b46.jpg)
かつてのバルジ島での戦いよりも遥かに無様に敗北したハドラーは
このまま鬼岩城へと戻るわけにはいかなかった!
これが最後のチャンスだったのだ。
このまま帰還しても、待っているのは大魔王バーンによる処刑のみ。
なんとしてでもアバンの使徒を討たなければ、自分に帰る場所などないのである!!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/07/6e14c3784977fcda162ed22e065bfe37.jpg)
アバンの使徒の成長速度は速い!速すぎる!!
大魔王バーンからさずかったこの最強の肉体でも、その成長に追いつくことはできない!
ならば、それを超える強大な力を身につけるしかない!!
ハドラーはザボエラが密かに「超魔生物」の研究を進めていることを知っていた。
今こそ、それを使って地上最強の力を手に入れなければアバンの使徒には勝てないのだ。
それまで現在の魔軍司令の地位を守ることに執心していたハドラーは、
今回の敗北をもって初めて「アバンの使徒」という存在について正面から考えた。
奴らの成長の速度の速さは一体なんなのだ、奴らの強さの根源は一体なんなのだ、と。
やがて、それを考えつづけたハドラーの頭の中からは、
魔軍司令という地位・名誉に執心する考えは一切消えていた・・・。
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超魔生物だからでは?
>魔軍司令編の次
おっしゃるとおり「超魔生物編」としました。
まぁ、超魔生物になっても魔軍司令なんで変なんですけど。
毎回サブタイ悩む・・・
当初はバラン編やったらポップ死なせたままバーン編の最終章に突入する予定だったらしいが、予想以上に人気が会ったため連載延長が許されたらしい。