紫の物語的解釈

漫画・ゲーム・アニメ等、さまざまなメディアにひそむ「物語」を抽出して解釈を加えてみようというブログです。

いろんなコミックスのおまけページを見比べてみる

2011-02-23 01:35:43 | 読み比べ系
漫画雑誌に連載されていた漫画が単行本化される際、必然的に各話の合間に空白のページができます。
作者はこの空白のページをなんらかのかたちで埋めなければいけません。
もちろん、絶対にがんばって何かを描かないといけないわけではなく、作品のタイトルロゴなどで埋めて
それでおしまい、というコミックスも結構あります。

が、この空白スペースにおまけ要素を盛り込んだ作品は少なからず読者を喜ばせます。
もちろん、本編が面白いのが一番なのですが、おまけでさらに楽しむことができれば、
満足度は飛躍的にアップします。

そういう意味で、結構重要な意味を持つコミックスのおまけページ。
今回は、いろんなコミックスのおまけページを見比べてみようと思います。
では、どうぞ~


  キャラクター、エピソード制作秘話

【るろうに剣心】の和月先生のコミックスは、一環して「キャラクター創作秘話」のような
作品を創作するうえでの裏話を細かく語るおまけページが特徴的です。



【るろうに剣心】【ガンブレイズウエスト】【武装錬金】【エンバーミング】と、和月作品の
コミックスには必ず制作秘話のおまけページがついてきます。
これが、なかなかどうして面白いんです。
なんとかキャラクターに特徴をつけようと四苦八苦する和月先生の苦労、
雑誌掲載時の読者からの反応、キャラクターを創作するうえでモチーフにした物事、などなど。
資料的価値もありますし、なによりキャラクターが生み出された経緯を知ることで、
そのキャラクターを内側からより深く理解することが大きいでしょう。

もっとも、こういう制作秘話的なおまけは関係者から苦い顔をされていたようですが・・・。
漫画家なら漫画のなかで全て語れ!ということでしょうか。
でも、僕は和月先生のおまけページ大好きです。
最後までこのスタイルを貫いてほしいところ。


  ネーム公開

【デスノート】で話題を呼んだ、大場つぐみ×小畑健 両先生による【バクマン。】のおまけページは
見る人によっては衝撃的なページでした。

そもそも、【デスノート】連載時、「原作の大場つぐみ先生とは一体何者だ?」ということが
ネットなどで話題になりました。
そして、大場つぐみの正体をアレコレ推理する人たちのなかで、ひとつのウワサが持ちあがったのです。

 「大場つぐみは、【とっても!ラッキーマン】のガモウひろしである」

という、(当時は)突拍子もないウワサでした。
「ガモウひろし」といえば、そのヘタな絵とベタなギャグで、各方面からさんざんネタにされた漫画家でした。
そんなガモウが、まさかデスノートみたいなサスペンスを?
とても信じがたい話でした。

結局、このウワサは都市伝説の域を出ないまま、デスノートの連載は終了しました。
ところが、このウワサは思いがけないかたちで真実味をおびることとなります。

デスノートの連載終了から約2年後、両先生による【バクマン。】の連載は始まりました。
この【バクマン。】のコミックスのおまけページが、ウワサの真相を物語っていたのです。

そのおまけページがこちら↓


大場先生のネームと、それをもとに興した小畑先生のネームを比べるおまけページです。

 大場先生のネームの絵が、どうみても完全にガモウひろしです。

本当にありがとうございました。

【バクマン。】のおまけページは、「大場=ガモウ説」をほぼ確実にしたという意味で
歴史的にみても非常に重要なおまけページとなったのでした。


  アシスタントに何か描かせる

せっかく空白のページがあるんだから、アシスタントになんか好きなように描かせてみるのもまた一興です。
漫画家は多少楽ができるし、アシスタントにとっても自分の力をためす場として意味があるでしょう。
読者にとっても、将来世に出てくるかもしれない新人漫画家を一足先に見られるかもしれない、
ということで、必ずしも悪いとはいえないアシによるおまけページです。



【ぬらりひょんの孫】では、「よしむらかな」というアシさんが描いた羽衣狐の4コマが掲載されて、
これがなかなかおもしろかったです。
調べてみたら、このよしむらかなさんって「まんがタイムきらら」系の雑誌に
連載持ってるようで、なるほど上手いわけだって感じです。


  各話の後日談的な一枚絵を入れる

ジャンプ系ばかり紹介しているので、バランスとって他誌からも。
【よつばと!】には、目立ったおまけページはないですが、
各話の終了後のページに、その話にちなんだ一枚絵が描かれます。
これが地味なんですけど、すごくいい効果を出してるんですよ。



たとえば、このよつばが風香たちの学校の学園祭に行く話。
ケーキが食べたかったよつばがクレープを食べて、「おいしいけどケーキとちがう」
となってこの話は終わるのですが、ページをめくると素敵な一枚絵が。



巨大なケーキを見上げるよつばの絵!
こういう、1エピソードを読み終わったあとに思わずほっこりしてしまうような一枚絵が
各話の最後に必ず挿入されています。
さりげないですけど、とても好感のもてるおまけですね。


  作者の日常マンガ



【魔法陣グルグル】や、そのスピンオフである【舞勇伝キタキタ】では、衛藤ヒロユキ先生の飼い猫である
「クドい顔のネコ」を描いたマンガが、毎回恒例で描かれています。
なんとこのネコ、グルグルの一巻から登場しているのですよ。
【舞勇伝キタキタ】最新3巻の時点ですでに20歳超え(!)です。超長生き!
気がつくと、このクドい顔のネコのおまけマンガを楽しみにコミックスを買っている自分がいて
ちょっとびっくりです。こういうおまけもアリですね。
(※追記。クドい顔のネコは2011年1月に永眠されました。ご冥福をお祈りします)


  おまけの限りを尽くす

さて、上で説明したおまけ要素のほぼすべてを満たすような、おまけモンスターな作品があります。
そう、【さよなら絶望先生】です!



まず、毎回の話が終わるごとに1ページを使ってその話にちなんだコマが
本編と遜色ないクオリティで描かれます。
この画像の場合は、右側のページが本編。左側のページはまるまるおまけです。
クオリティ高須!
話によっては二段オチのような役割も果たすので、ほぼ本編に食い込んだおまけです。



そして、「付録」と称してペーパークラフトのようなものが作れるページも。
多分、「小学○年生」みたいな雑誌のパロディネタなのでしょうが、コピーすれば普通に
ペーパークラフトが作れるわけで、ネタとしてもガチとしても凝ったおまけです。



巻末には欠かさず読者からのハガキ投稿コーナーが掲載されます。
ハガキの一枚一枚に久米田先生の手書きのコメントが添えられるところも見逃せません。
(毒吐いてるときもありますが)



さらに「紙ブログ」と称して、結構な文量の文章がブログ風に掲載されるコーナーも毎回恒例で掲載されます。
内容も非常に濃く、ネタ満載です。
秀逸なテキストや時事ネタ、パロディなどが重要な役割を担う【絶望先生】のおまけとしては
ぴったりなおまけなのかも。



空いてるスペースは、カバーでも使う物凄い職人気質な久米田先生。
なんと、カバーの折り込み部分にもテキストがびっちりです。
表紙側の折り込みでは、「前巻のあらすじ」と銘打って、ぜんぜん前巻と関係ないネタ満載のテキストで笑いを誘い、
裏表紙側の折り込みでは、文学作品のパロディを書く始末。

そこまでやるか!

すでに、表紙カバーが和紙な時点で相当に凝ってるといえるこの作品ですが、
それだけでは飽き足らず、スペースというスペースに価値のあるテキストを織り込む久米田先生の
職人魂には本当に頭が下がります。

さらに、その和紙カバーを外すと・・・




カバー裏・表紙にも裏表紙にも、ネタ絵を仕込んでるというスキのなさ!

 絶望した! すでにおまけという域を超越している【さよなら絶望先生】のおまけに絶望した!!



まあ、絶望先生の例は極端ですけど、わずかでもあったら嬉しいのがおまけというものです。
他のコミックスでも秀逸なおまけがあったら是非教えてほしいですね。

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17 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (sato)
2011-02-23 13:14:13
コミックスおまけだと 美川べるの 先生が面白いです。

カバーを無くすと恥ずかしい本 をコンセプトに「オッサン萌雑誌」を装ったり、表表紙の構図のまま 主人公達が地味なサブキャラに書き換わっていたりと毎回必ず仕掛けがあります。

ストレンジ・プラスという作品では、裏表紙が 本編のコマをいくつか抜き出して見せている"かのような"描きおろしの漫画風デザインになっており、カバー裏では塗りつぶされているそのフキダシに文字が入っています。

コミックス内には定番の質問コーナーや読者イラストコーナーなどがあり、この人もサービス精神旺盛ですね。
Unknown (匿名)
2011-02-23 18:41:06
げんしけんのおまけも面白いですね
劇中劇の細かい設定とかで
Unknown (紫)
2011-02-23 22:44:46
>美川べるの先生

ネット上でちらほら名前をみかけたことはありましたが
まだこの方の作品を読んだことがないです。
「べるの」という名前に反応してしまう!玉吉的な意味で。
おまけが豊富と聞いて興味が出てきたのでちょっくら書店で探してみます。

>げんしけん

昔友人にコミックス借りて読んでましたが、おまけの印象があまりないかも。
劇中劇の詳細設定は題材が題材なだけに納得。
Unknown (Unknown)
2011-02-26 17:00:13
史上最強の弟子ケンイチもすごいですよ
既刊全てのカバー裏の表紙と裏表紙に小ネタを
カバーの「裏」に裏全体を使った描きおろしイラスト付きという
内容のオマケの方も塗り絵、4コマ、おまけ漫画、レポート漫画と巻ごとに多岐にわたってます
Unknown (Unknown)
2011-02-27 02:09:03
おまけとはちょっと違うけど、アイシールド21はほぼ毎回カバー下、もくじ、登場人物紹介などが描き下ろしだったり、作中の小ネタ紹介コーナー(1回しか登場してないゲストキャラクターやモブのプロフィールとか、学校紹介とか)があったりでお得感が満載です。
Unknown (長文失礼)
2011-02-27 14:12:54
 近藤るるる先生はファミ通に連載している作品だと、巻末に何かしらのおまけを書いてくれてますね。キャラ設定だったり家の間取りだったり、作中キャラの結婚式の進行プログラムだったり。
 あと、同じようにファミ通で連載中のみずしな孝之先生の「いい電子」は巻末にアシさんsのおまけ漫画が載ってます。
 コミックガムに連載中のみなぎ得一先生の「足洗邸の住人たち」は、巻末にその巻に新規に登場した悪魔や妖精の元ネタを自身の作品通して登場させてる解説専用キャラに解説させたりしてますね、たまに3~4Pの書き下ろしも載せたりしてます。
Unknown (Unknown)
2011-02-27 15:12:45
やっぱうしとら、からくり
Unknown (Unknown)
2011-02-27 19:30:34
ハガレンもおまけページ満載でしたね
Unknown (Unknown)
2011-02-28 00:23:13
おまけマンガといえば竹本泉
「よろこんでください、今回はおまけが16ページもあるんですよ!」と編集に報告されたと嬉々としているくらい
Unknown (Unknown)
2011-02-28 12:22:54
おまけというか枠外でのはち切れっぷりは、平野耕太は他の追随を許さないと思います。
Unknown (ドク)
2011-03-01 21:50:57
平野耕太。ヘルシングは仮に文庫になってもカバー下と巻末おまけはああでなくては困る。
Unknown (Unknown)
2011-03-01 23:13:45
先に言われちゃってるけど平野耕太のは、ファンにとってはある意味あっちがメイン
Unknown (紫)
2011-03-02 01:47:34
平野耕太めっさ気になる・・・
Unknown (あの人)
2011-03-02 08:40:45
ジャンプ系だとネウロなんかが面白いと思う
決して量は多くないけどよつばとみたいな感じで
1話毎にその話に纏わるギャグ調のネタが描いてある

たまに作品内でとても重要な場面を迎えるとおまけページでもゾッとするような演出が描かれたりしていて良いスパイスになってる
Unknown (Unknown)
2011-08-25 00:03:53
SDガンダムフルカラー劇場もキャラ図鑑やカバー裏などが
ボンボンKCのわりには異常に充実してましたよw
Unknown (Unknown)
2011-08-26 07:27:45
個人的な見解だけど、ここ何年かで読者は作品中に作家を感じたくなくなっているのではないかと思う。
例えば上記にあるような製作秘話や作家の近況。
そういったものは作品の世界観とは異なる物質でもある。それが単行本に含まれることを好まない読者もいるのではないかと思う。

もちろんツイッターなどに見る「やらかしちゃった」を防ぐために編集部が作家性を出させないための予防線という可能性もある。
単純に作家側の作業時間が足りていないという理由もあるだろう。
だが少数派でもそういった「作品以外の存在を排除したい」存在を感じなくは無い。
Unknown (紫)
2011-08-28 19:15:36
いろんなオマケを見てきましたが、やっぱり絶望先生を超えるオマケには
出会えてないです。

>作品の世界観と作家性
これは確かに、作品に入り込んじゃってる人ほど作家性は邪魔でしょうね。
僕みたいなブログ書いてる者には制作秘話系は大歓迎なんですけどね。
まぁ、確かに単行本初見の場合は
そういうコメント的なのは最初は飛ばして読んでるなぁ。二回目以降で読む感じ。
そういえば、昔の少女漫画って本編の余ったスペースで作者がフリートークしてるのが結構あった気がする。
あれはさすがにあからさまに作品の邪魔してますね

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