紫の物語的解釈

漫画・ゲーム・アニメ等、さまざまなメディアにひそむ「物語」を抽出して解釈を加えてみようというブログです。

【地獄先生ぬ~べ~】文庫版おまけ「メイキング・オブぬ~べ~」が面白い[後編]

2011-01-23 21:23:34 | コミック全般
前回の続き




27話「宇宙人、童守町に現る!」は、なんとぬ~べ~全話を通して1,2を争うほどの不人気だったそうです。
「宇宙人だって妖怪だ!」というスタンスで描いた作品だということですが、どうしてここまで不人気だったんでしょうか。
そんなに悪い話じゃないのにどうして?という疑問に、真倉先生は当時を分析します。
当時は宇宙人はまだSFの分野だった。オカルトとして心霊現象と同列にあつかうようになったのは
「X-ファイル」以降なので、読者の常識がまだそこまで行っていなかった、つまり世に出るのが早すぎた話
だったのではないか、と…。




28話「三匹が斬る!」から、ぬ~べ~の担当編集者が変わりました。
もともと【ぬ~べ~】の他に【BOY】も担当していた「S木氏」という担当が新連載を起こしたために、
三本も担当するのは無理なので、ということでぬ~べ~が切り捨てられた形になってしまいました。
(そのS木氏担当の新連載というのは、なんと【るろうに剣心】だった)

S木氏は「新しい担当の若いセンスに触れた方が君たちのためにいいから」と言って去って行ったそうですが、
両先生は当時は「見捨てられた…」と思ったことでしょう。
いいですねぇ、バクマン展開ですよ。

さて、担当が変わったことは、結果的に二人にとっては良い方向へ転がったようです。
まずは、話の自由度がグンと上がりました。
前の担当は伏線や必然性を重視する方だったそうですが、新担当の「S谷氏」は面白ければ何でもアリな人で、
一話完結スタイルのぬ~べ~にはすごく合っていたようです。
また、S谷氏は女の子大好きな人で、ゆきめ・速魚・いずな 等々の人気美少女キャラはS谷氏担当の時代に
誕生することになります。アニメ化が決まったのもS谷氏担当の時代でした。

前担当S木氏の言った通り、新担当の若いセンスに触れることが二人にとって良いことになりました。
両先生は「S木氏はちゃんと僕たちのことを考えていてくれたんだ。ありがとう!S木氏!」と前担当に
感謝の言葉を贈ります。
ただ、皮肉にもS木氏が最後に担当した話は、前述の超不人気な宇宙人の話だったわけで、
二人にとってはちょっと複雑な気持ちかも。




さて、30話「なごり雪 季節はずれの雪女」にて、ついにヒロイン「ゆきめ」の登場です。
最初は普通のゲストキャラだったそうですが、すさまじい人気ぶりで後に再登場します。
男性だけでなく女性ファンも多かったようです。【いちご100%】の河下先生も好きだと言っていたとか。


そういえば、ぬらりひょんの孫のヒロインの一人「つらら」も雪女ですね。
人間系ヒロインのカナやゆらよりもダントツに人気のある点、ぬ~べ~のゆきめに似てますな。
ジャンプ妖怪漫画のヒロインは、雪女が人気ある法則確立か!?




美樹がろくろ首になる32話「妖怪ろくろ首」はアニメでも人気が高かったらしいです。
美樹が主演の話はたいてい視聴率がよかったと東映アニメの人も言っていたとか。
美樹のように滅茶苦茶やる女性キャラは当時の少年漫画ではかなり珍しく、
読者に嫌われて人気が落ちるというのが定評だったようですが、美樹は見事にそれを覆したわけですね。






36話「臨死体験」37話「丑の刻参り」は、なんと両先生ともほとんど当時の記憶がないそうです。
そんな思い入れない話なのか…。広なんて死にかけてたのに。




42話「第四コースの幽霊」はぬ~べ~の中学生姿が話題を呼んだ話ですが、
この回の作画で、岡野先生の奥さんがらみでちょっとした事件があったそうです。
なんと、岡野先生の奥さん、中学生ぬ~べ~の髪に勝手にベタ入れしたんだとか!
岡野先生は幽体だから透けるだろうということでトーンを貼るよう指定していたのですが、
奥さんは「このキャラは黒髪の方がいい」と言って、岡野先生が外出しているときにやっちゃったそうです。
しかも、アシスタントも全員、奥さんの味方して手伝ったという…。
怒りをあらわにする岡野先生ですが、真倉先生に「でも、奥さんのセンスの方が正しいと思うよ」と言われて
ショボーンとしてました。




43話「変身!ポンポコリン」でぬ~べ~全裸姿が披露されましたが、編集部もよく許可したなぁという話に。
ところが、こういう悪ノリはどんどんやってくれと言われたそうです。さすがジャンプ。
ぬ~べ~のナニは結構でかいという設定らしいです。
通常モードでこのサイズなので、戦闘モードになったら…。ゆきめもさぞかし大変だろうなぁ
と、両先生完全に下ネタトークでした。
いいぞ、もっとやれ




48話「妖怪大集合!」では、今までに登場した妖怪がすべて登場します。
昔のヒーロー番組でよくあった、今までに倒した怪人が総登場する話のノリでやったのだそうですが、
岡野先生、知り合いに「コピーだらけで手抜きですか?」と言われたとか。
いやいや、ちゃんと描いてるでしょうよ。漫☆画太郎先生じゃあるまいし。




49話「真夏の雪女」で、ゆきめ満を持しての再登場です。
今見ても本当にかわいいな、ゆきめ。




51話「夢喰いバク」には、岡野先生には苦い思い出があるようです。
画像の妖怪は、芸術作品「人間の塔」という彫刻をモチーフにして描いたものだということですが、
岡野先生は芸術作品がモチーフだから大丈夫だと思って、チン○をはっきり描いてしまったのだそうです!
そしたら編集部に怒られてしまい、夜中に編集部に呼び出されて一個一個チン○を消す羽目になったのだとか。
「オレ、何やってんだろう?」と、とても情けなくなったそうな。
そりゃそーだ。
ぬ~べ~全裸回はちゃんとジャンプマークで隠してたから、編集部も悪ノリ許してくれてたんですね。




文庫本4巻には描き下ろしのお話として、「9月のレクイエム」という話が収録されています。
これは、連載当時ボツになった真倉先生のお話に岡野先生が新しく作画を起こした、
ぬ~べ~ファンにはたまらない、新作のぬ~べ~読み切りとなります。



なかなか切ない話です。
文庫版5巻でこの話がボツになった理由が語られますが、それはまた別のお話。


と、これくらいにしておきます。
今読んでも、ぬ~べ~面白いっすねぇ。
女の子の可愛いさなんて、今見ても全然色あせてない!
引き続き、全20巻そろえるまで買っていこうと思います。

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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2011-09-19 20:13:09
現在では、べるぜバブの「ベル坊」が全裸、いぬまるだしっの「いぬまるくん」が下半身丸出しですね。
しかも、ち○こまで書かれているのに、モザイクやマークで隠していない。
赤ん坊だから、良いんでしょうね。(いぬまるくんは4歳の幼稚園児ですけど、セーフなんでしょう)

大人キャラでいえば、銀魂の近藤局長と将軍ですね。他の男キャラもありますが、全裸担当は誰かと聞かれたら、近藤局長と将軍しか居ないでしょう。
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Unknown (Unknown)
2013-01-27 17:34:42
 ↑
子供時代の乱馬だったか、高橋留美子先生の漫画とかでも
おチンチン姿の裸ん坊は見た気がします。
あと、うろ思えだけど、たぶん子連れ狼の大五郎なんかも。

その他も、新聞の四コマとか
昔は幼児のおチンチンや幼女のパンツ丸見え姿って、
微笑ましい可愛らしさって感じで
猥褻対象や性的NGコード扱いでは無かったように思います。
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