紫の物語的解釈

漫画・ゲーム・アニメ等、さまざまなメディアにひそむ「物語」を抽出して解釈を加えてみようというブログです。

【師匠キャラの言葉】~幻海師範編

2010-09-06 22:56:37 | 師匠キャラの言葉

前回、「超訳 ニーチェの言葉」に触発されて、あらゆる師匠キャラの発言を拾う
「師匠キャラの言葉」という企画記事を立ち上げましたが、
懲りずにそのシリーズで今回も書いてみようと思います。

前回は、【ダイの大冒険】のアバン先生で記事を書きましたが、
今回は、【幽遊白書】の「幻海師範」で行ってみたいと思います。
アバン先生とは対極の、毒舌師匠ですが、この人も本当に良い師匠なんです。

では、さっそく発言蒐集開始!↓


あたしを殺せねば この試練はのり越えられん!

  からの~


自分が強くなるために師匠を殺そうってな結論出す奴にあたしが奥義伝承すると思うかい?
かといって、悩みもしないでやれませんってな毒気のない奴も同じ位嫌いだがね


戸愚呂と対決する幽助に奥義を伝承する際、幽助にその覚悟を確かめたときの言葉です。
この言葉は、幻海という人がどういう人物なのかを端的に表した言葉だと思います。
自分を殺せと言っておきながら、本当にそうしようとするやつには奥義はやらない、
かと言って、悩みもなく殺せませんと言うようなやつにも奥義はやらない、と。
「じゃあ、どうせいっちゅーの!?」
と叫びたくなってしまうでしょうが、まぁ、天の邪鬼なんですね、師範は。
通り一遍の回答なんて求めてないわけですよ。
このときの幽助は、丸一日悩んで「やっぱり殺せない」という結論に至りましたが、
幻海はそれを「合格」とします。
奥義の伝承は激しい苦痛を伴うもので、場合によっては肉体の再起不能や精神の崩壊も
あり得るものであり、幻海としては幽助に「強くなることとその代償」について
悩んで欲しかったんじゃないかなーと思いますが、どうでしょうか。



あんたはあたしを正義といったが、そんなつもりは全くないよ
たまたま嫌いな奴に悪党が多いだけの話さ


「正義などくだらん」と主張する死々若丸を倒した際、言い放った言葉です。
(ちなみに幻海が若返ってるのは、霊波動を最大限に使用する際、肉体が一時的にピーク時の年齢に戻るから)
「別に正義のために戦ってるわけではない、嫌いなやつにたまたま悪党が多いだけ」
という価値観は、幻海を知る上では結構重要です。
この言葉は別にツンデレ的な意味で言ってるんじゃなくて、幻海の場合、本当にそうなのです。
この先取り上げる言葉からもわかりますが、幻海はいわゆる一般的な「正義」の価値観は
本当に持っていません。
そういう意味で、やはりアバン先生とは対極な師匠キャラです。



お前ごときに霊気なんざ必要ない 拳だけで十分だ

  からの~


お前の技は全てみせかけだけで軽い お前の敗因を教えてやる
確かにお前は ほかの妖怪達の性質にあわせて武器を作ってやることにかけては天才的だ
だが それを自分の強さとかん違いした


美しい魔闘家・鈴木に対しての発言です。
ご丁寧に敵に対して敗因を教えてあげる優しい幻海さんです。
この助言をもとに改心した鈴木は暗黒武術会後、幻海の修行によって
急激なパワーアップをすることになります。



でも、この時はぜんぜん容赦ナシ。
美しい魔闘家・鈴木、まさにフルボッコ!



幽助… 人はみな時間と闘わなきゃならない…
奴はその闘いから逃げたのさ… 誇りも…魂も…仲間も全て捨てて…
お前は間違えるな幽助… お前は一人じゃない…忘れるな…誰のために強く…


戸愚呂によって重傷を負わされ、力尽きるまぎわの幻海が幽助にかけた言葉です。
憎まれ口の含まれない、いわゆる"まっとうな"師匠善とした言葉をかける幻海は珍しいです。
もとは人間だった戸愚呂が、自分の強さを維持するために妖怪に転生したことを
時間との闘いから逃げたとして、幽助にはそのようになるなと諭します。
その上で、独善的な強さではなく、他の誰かのために強くなれ、と言いかけたところで
幻海は力尽きてしまいます。
「他の誰かのために強くなる」というのは、この後の幽助VS戸愚呂戦においてキーとなります。



これがお前の首つっこんだ世界なんだよ幽助 力のないもんは何をされてもしかたがないのさ

戸愚呂に殺された幻海が、霊界獣の身体を借りて幽助にアドバイス・・・かと思いきや、
戸愚呂に幽助の仲間を殺すようにアドバイスをします。その上で、幽助にこの言葉です。
幽助に、誰かを守るための力を引き出させるためのハッパなわけですが、
やり方がハードです、幻海師範!
でもこういうムチャクチャなことやってる方が幻海師範っぽくてステキです。
このあと、幻海のアドバイスを受けた戸愚呂に桑原が殺されかけます。桑ちゃん災難!



たいしたもんだよ あんたのバカも
死んでもなおりゃしないんだから


戸愚呂が妖怪に転生した本当の理由は、かつて弟子たちを守れなかった自分への責めだった
わけですが、死んでからも、地獄の中で最も過酷な冥界獄の道をゆく戸愚呂。
その上、戸愚呂は幽助が自分のように道を踏み外さないよう、心配しているという、
そんな戸愚呂に対しての一言です。
口調が若々しいのは、霊界で魂だけの存在になってるからなんでしょうか?
この後の「本当にバカなんだから、全く」という言葉とも相まって、若かりし幻海渾身の場面です。
ちなみに、このあと戸愚呂と霊界の配慮によって、幻海は復活を遂げます。



お前達四人は強い 一対一で戦ってお前達に勝てる人間はそういない
だが やり方次第でお前達を殺すこともできる奴がいることを まず知ってもらいたかった


暗黒武術会後の幻海は、幽助だけでなく、その仲間たちの師のようにもなって行きます。
暗黒武術会に優勝した四人に対し、最近現れた特殊な能力を持つ者たちをけしかけ、
四人に警告を促すことも行います。



幽助、飛影、桑原は幻海の仕込んだ能力者にあっさりと捕まってしまいました。
蔵馬がいなかったらマジでやばかったわけで、幻海の大芝居は幽助たちの身に染みたと思います。



こんな奴の命を お前がしょいこむことはない

大勢の人間を守るために、神谷を殺さざるを得なかった幽助。
人殺しの後味の悪さに思い悩みそうになる幽助を救うため、幻海は霊波動で神谷を蘇生させる。
その上で、この言葉。
短い言葉と迅速な行動で、弟子が一生涯悩みかねない問題をあっさりと取り払う姿は
とっても素敵だと思います。



幽助 この状況 いつぞやの時と似ているとは思わんか?
冷静さだけは失うなよ 敵は必ずそこを攻めてくる


桑原が敵にとらわれ、その本拠地に向かおうとする幽助への言葉です。
以前、幻海が能力者を使って仕立てた時と似た状況が本当に起こったわけです。
相手の能力を見定め、冷静に対処しろとアドバイスします。
こういう事態を想定して、あんな手の込んだ芝居をしてたなんて感服ですよ、師範・・・。



人は自分の気分次第で壊せるものをそれぞれ持ってる
おもちゃだったり ペットだったり 恋人だったり 家庭だったり 国だったりする
お前はそれが人よりデカい それだけだ
壊したくなったら その前にここに来な まず あたしの命をくれてやる


魔族になってしまった幽助への言葉です。
師範はさらっと言ってますが、相当イイことを言ってます。
S級クラスの妖怪になってしまった幽助には、もはや師匠の幻海ですら勝てません。
幽助がその気になれば、人間界など簡単に破壊できてしまいます。
強大な力をもてあまし、人間界での日常を退屈だと思ってしまっている幽助の
漠然とした悩みを感じて、ぶっきらぼうな言葉を贈る師範がステキすぎですよ。
「まず あたしの命をくれてやる」なんて、さらっと言えますか?



バカ助が!! ホントに小便たれだね しょーもない
さっきのタンカはうそっぱちかい!?
気軽に押しな… ゲンでもかついでさ
ドジ踏んだら あたしも一緒に謝ってやるよ


霊界の宗教テロで、異次元砲が人間界に向けて発射されようとしているとき、
赤・青・黄の三色ボタンのどれかで異次元砲の発射が止められるが・・・
そのボタンを選ぶ際、土壇場でビビってしまった幽助に対して、
またも霊界獣の姿を借りて叱咤激励する幻海師範です。
師範は本当にハッパかける姿がよく似合ってますよね。
一方的にハッパかけるだけじゃなくて、ミスったら一緒にケツ持ってやるってとこもステキです。
なんというか、幽助の母親のように感じられる場面でもあります。
幽助の本当の両親がアレなだけに・・・。
(温子さんは、あれはあれで良い母親だとは思いますけどね)


と、まぁこんな感じで幻海師範の言葉を紹介してきましたが、
心にグッときた言葉はあったでしょうか?
アバン先生みたいにシンプルでまっすぐな言葉も良いですが、
ちょっとひねくれてるけど、温かい幻海師範の言葉も良いものじゃないですかね。

ありがとう、幻海師範!!

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