町並み情景工房

⑦ジオラマ童話 口閉ざしの効果

 さて、鬼たちは?
大江山で傷を癒した鬼長は、配下数人を連れて旅立ちます、
千人近く、いた鬼達は、少しづつの組に分かれ、都の反対側、北に向かい、
一旦丹後の海に出、目立たないように、

丸山川沿いを南に、「兵庫の浜」を目指しました、ここで半数の鬼達は、瀬戸内の先祖の島「鬼ヶ島」へ、
残りは鬼おさを待ちます。長らの組が到着すると、用意しておいた、たくさんの小船に分かれ泉州の港へ、陸に上がると人目を避けて、とくに「竹ノ内街道」では人通りが多く、夜の移動です、幾日もかけて、高野山にたどり着きました。


和尚からの文で、すべてを理解している寺では、半月ほども滞在させ、おさの治療も、温かいもてなしも、次の棲家も用意してくれていました。

 そこは、「熊野灘」
高野を下り、半島を回り込んだところです、昔から鬼も居ないのに「鬼が城」と名されています?
 それは、陸から行くにも、まして海からも潮の流れが複雑で人が近づき寄らない謎のような地です、「我々には、もってこいの地であります」
 おさは丁寧にお礼を述べ、旅立ちました、

写真
和尚から、道案内に、生家がその近くなのでと、小坊主を付けました。
ついでに、やぶ入りをやるので、母親に孝行して来なさい」
・・・彼は大喜びで愛犬のシロと先頭に立ち、出立です。

半日ほど歩いた、
大峯山を望む所で、「実家につく頃には暗くなるので、ここまでで」と、案内の小坊主に礼を言い「母親に・・・」と、若干の金子を渡し、返しました。
あとは下り道、・・・やすらぎの地を目指し、皆の足取りは早くなっていました。
 

一方、秀郷は、たまに、かの20将を呼び寄せては「口閉ざし」の確認を方便に酒の席を設けていました。
 内裏では・・・上皇が、「鬼丸の名刀」をたたき切ったさいの、「鬼切りの太刀」のキズを示し、「これぞ100人切りの証ぞ」とおのが差配の自慢”

 公家の検分師は、手柄話”
「部下も強いが秀郷様は、鬼100人を討ちました、恐ろしい様でごじゃりました”」とそばで見てきたように・・・

弓隊の衆は、「我たちも少人数で500の鬼を退治”」「末代まで我が家の誇りじゃ”」
将たちが口を閉ざし続けた事が、町なかでの、ウワサを何倍にも膨れさせる結果になりました、これまた、和尚と秀郷のもくろみなのか?!。

⑧ジオラマ童話太刀の行方につづく



 


町おこしのためのジオラマです。

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