地球上の小さな日記

繰り返す毎日の中に埋もれてゆく小さく些細な記憶達を、忘れないように書いてます。だから・・・

宮ヶ瀬ダム日記Ⅱ

2006年09月03日 21時25分56秒 | 小さな日記
 エレベーターの扉が閉まるとどこからともなくアナウンスの声が聞こえてきて、ここ宮ヶ瀬ダムについての説明をしているみたいだったが、そんなの丸っきり聞いていなかった。そんなものより興味をそそるのは、エレベータの扉に貼り付けられている放流日カレンダー。放流される日が赤く塗る潰されている。それによると、やっぱり今日は放流されないらしい。ウ~残念!放流を見た人の話だと『すごい』らしいので、今度来る時はその日を調べた上で来ることにしようかな。パッと見、水曜日と日曜日に集中しているらしかった。そんな事をブツブツ言っているうちに、どうやら上に到着したらしい。120メートルを1分で登った感じ。
 エレベーターを降りるとすぐに開けた所に出る。ここはあの『壁』の上なのだろう。さあ、気になるのはあの手すりの向こう側だ。ここから『下』を見るとどうなっているのだろうか?ドキドキしながら手すりに腕を乗せて身を乗り出して見ると・・・

うおお~!!マジでか!

何だコリャ!まるで航空写真だ。下にいる人々やトラックがミニチュアのおもちゃに見える。別にオレは高所恐怖症ではないが、あまりの光景に身の危険を感じる。お~コワ!ランドママも下をみたいと言うので、持ち上げて見せてやったら、「ウホウ!!」とゴリラのようなワケのわからない声を上げていた。今度は反対側へ行ってみた。すると・・・

予想通りの風景。いつもの宮ヶ瀬ダムだった。こちら側は手すりが低くなっていて、身を乗り出さなくても容易に景色を楽しむことが出来る。それしても思うのは、上と下では凄まじい高低差があるという事。誠に以て恐ろしい話だが、もしも、この壁が崩れてしまったら、とんでもない大災害だ。宮ヶ瀬ダムの水の量と水がある高さを考えると、下にあった「石小屋ダム」なんかは一瞬で水に飲まれるだろう。いや~ホント、どうやってこんなの造ったんだ?恐るべし人類の科学!!
 そのまま壁の上を歩いていると、端っこに建物が有る。どうやらレストランと博物館になっているらしかったが、当然ランドは中に入れないのでトイレだけ借りて出てきた。見た感じここが終点みたいな雰囲気だったので、今来た壁の上を戻るような感じで反対側へ行く。時計は既に1時。昼飯を食べていないので、腹が減ったねぇ。どこか売店が有ったら、おにぎりでも買うことにしよう。でも、どこに有るんだ?何だか絶望的な感じがしたので、とりあえず空腹のことは忘れよう。壁を完全に渡りきって振り返ると、『橋』みたいな感じなっていた。
 すぐ近くにトンネルが有る。名前は「玉すだれの滝トンネル」。おお~ということは、この先に滝があるのか?行ってみよう、行ってみよう。と足取り軽く進んでみたが、トンネルを越えてしばらく歩いても、滝らしきものなど有りはしないではないか!騙されついでに写真を一枚。

 きっと、トンネルの上の見えないところに滝があるのだろう。全く・・・どうでもいいけど、歩き損に終わった。
 さて、さっきの所まで戻りしばらく歩道を歩いていると、「あいかわ公園」の看板が出てきた。ああ、そうそう、そういえばここを目的にきたのだっけ。車もここに停めて有ることだし、ここはもう一度公園内に入るしかない。ああ、こんな事を言いたくはないが、ここに来て空腹とともに足がかなり疲れてきた。考えてみれば、11時半に到着してから現在2時に至るまで、歩きっぱなしではないか。ああ、疲れた~。どこかにベンチがあったら、迷わず休もう。
 ゆるい坂道を下っていくと、風の丘という芝生の丘に出た。そして、そこにはお疲れ様とばかりに大きな休憩所になっている。満場一致でまたもや休憩。
 この「あいかわ公園」もかなりいい雰囲気の公園だ。休憩しながら見えていた風の丘にしても、広大な敷地の芝生の丘になっており、その上、人も少ないときているから存分に自然に触れられる。この日は歩きつかれて全貌を見ることが出来なかったので、今度来たときも相当楽しめそうな気配。
 さあ、帰ろう。「あいかわ公園」はほとんど見ていないけど、もういい。疲れたし腹も減った。真っすぐ駐車場を目指す。
 15分歩いたら、ようやく行きにジュースを買った管理事務所に到着した。周りをチラッと見ると、あの「白い丘」が目に入った。例のトランポリンっぽい感じに見える大きな丘。子供ばっかりだけど、気になるからやってみようぜ!!と二人で順番にやってみたけど、思いのほか弾むのにはビックリした。子供に混じって大騒ぎ。
 もういいだろう。今度こそ帰ろう。時計は2時半。今日は5時から親戚の集まりがあるので、ちょうどいい時間ではないか。さあ、家に帰って飯を食べてシャワーを浴びよう!胸の奥から喜びが湧いてくるような、本当に充実したいい休日だった! 

宮ヶ瀬ダム日記Ⅰ

2006年09月03日 09時58分51秒 | 小さな日記
 強烈な朝日によって暑くなった車内の温度を下げるべく、洗車を終えたばかりのピカピカの車にエンジンをかけ、オレはランドママとランドが家の中から出てくるのを今や遅しと待っている。
 ああ、今日はいい天気!昨日とはえらい違いだ。降り注ぐ太陽光が心地いい!空を仰げば最近あまりお目にかかっていない青空が広がっている。遠くを見るような感じで手をかざして辺りをドキドキしながら見渡していたら、玄関からガチャと音が聞こえてきて、二人が出てきた。時計は10時半。さあ、行こう!

 実はその前日、天気が悪かったせいでランドの散歩を除けば一歩も外に出ていないのだ。さすがにそれは結構キツイ。体がなまってしまったかのようなダルさ全身に感じたので、何としても明日は外出したいところ。それにきっと明日は晴れるだろう。だって、夕方ランドの散歩に出た時にはもう雨は止んで、西の空に綺麗なお月様が顔を輝かせていたのだから。さあ、どこへ行こうかな。せっかくだから行ったことのないところがいいだろう。ウ~ム・・・。パソコンと睨めっこしていると、ランドママが「あいかわ公園は?」と言う。はい、決定!

 というわけで、今日(実際には昨日)は「県立あいかわ公園」に向かっている。車を走らせると、改めて本日の快晴が如何に素晴らしいかがわかる。青い空に白い雲、顔をなでるようなさわやかな風、まるで子供の頃の夏休みみたい。心地いいね~。途中、必殺の裏道が全面通行止めになっていたので、軽く渋滞にハマッてしまったけれど、そんなの平気、平気!まだ午前中だから、のんびり行こう!とうそぶいていたら、意外にも早く「あいかわ公園」に到着した。11時半。
 駐車場の入口で駐車券をもらい、奥へ行く。結構な数の車がすでに停まっていたけれど、公園の広さを思えば今日はガラガラの部類に入りそう。やったね!こういう時は人が少ないに限る。広い駐車場を歩いていて目に入ってきたのが、ハッとするようなピンクの花、「サルスベリ」だ。晴天の元、そのピンクの花も一際鮮やかに見える。まるで絵の具で作ったピンクみたい。他にもあるのかなぁ。
 さて、園内に入り案内板を見てみると、やっぱりかなりの広さ。そして、この公園からは出てしまうけど、宮ヶ瀬ダムの放流口にも沢伝いに歩いて行けるみたい。おお~何だか楽しそうじゃないか!せっかくだから行ってみようとランドママに提案すると、「行こう、行こう。」となって一件落着。その案内板から管理事務所らしき建物が見えたので、とりあえずあそこへ行って飲み物を買おう。
 管理事務所に着いてみると、何やらここは人が多い。それもそのはずだ。この建物自体綺麗に管理されていて、レストランも併設されている。建物の前には人工的に水を貯めた池のようなものがあり、多くの子供たちが水遊びを楽しんでいる風情。その奥に広がる広大な芝生広場には、家族連れやカップルがござを広げランチを食べていたり寝転んでいたりして、見るからに心地が良さそう。さらにその横に有るのが、怪しげな白い丘。丘全体がビニール製のトランポリンになっているか、皆が皆白い丘の上をジャンプしている。何だアリャ?
 管理事務所でジュースを買い、その白い丘をチラチラ見ながらオレ達は芝生広場を抜けていく。事務所でもらった地図によると、このまま沢へと下ればダムの方へ行ける道に出るはずなのだけど、どうもこの地図が簡略化されていて、実際にどれくらい歩いたら着くのかサッパリわからない。へたをしたら、とんでもない距離を歩くことになるのかもしれない!でも、それは思っただけで、口には出さなかった。もし口に出していたら、「行くのをやめた」と誰かさんが言いかねないから。
 かなり急な下り道をクネクネ下りていくと、やがて沢伝いの道に出た。ここはもう公園の外だが、車は進入禁止になっていて、聞こえてくるのはセミの声と川のせせらぎ。しかし、木々が鬱蒼と多い茂っているせいで、川はほとんど見えない。歩いているとたまに、木々の隙間から川が見える程度だ。でも、その小さな風景をみるだけで心が躍るの何故だろう?

 人気のないゆるやかな道を行く。今日は涼しいと言っても、さすがに歩けば汗をかく。でも気持ちいい汗だ。額の汗を拭き拭きフラフラと歩いていると、目の前に石の柱が現れた。

その石碑には「石小屋ダム」とある。ん?石小屋ダム?ポケットから先ほどの地図を引っ張り出して見ると、ああ、なるほど。ここか~。どうやら宮ヶ瀬ダムから放流された水がまたここに貯められているらしい。下のほうを覗くと「第二発電システム」みたいなことが書かれている建物が見える。成程!二重ダム(?)か~。



この辺りからついに宮ヶ瀬ダムの放流口が見えてきた。何というデカさ!!ハンパじゃない!!大自然の中に融合しているその姿は、さながら魔物が棲む要塞みたい。ここまで来たらあとちょっと。俄然元気が湧いていた!ちょっとだけ石小屋ダムで休憩してすぐに出発。
 出発してから程なく、宮ヶ瀬ダムの看板が有った。

ウエルカム宮ヶ瀬!カモン宮ヶ瀬!(?)それにしても、何というド迫力だろうか!よくもまあ、こんなものを人間が造ったなぁ。すごすぎるぞ!!

遠くに見えていた要塞が、ようやく近づいてきた。何度も言うけど、デカ~い!!これが放流されたらさぞかし迫力あることだろう。どこにもその情報が書いていないけど、今日は放流されないのかな?是非見てみたいねぇ。
 さあ、ここまで来たぞ。ここからが問題だ。地図によると、この壁には上に登るためのエレベーターが2種類有るらしい。一つは有料のケーブルカーのようなもので、もう一つはだたのエレベーター。はたして、ペットはOKなのか?もしダメなら、今来た道を戻らなくてはならない。それは何としても避けたいところ。ドキドキしながら係りのおじさんに聞いてみたら、何のことはない。ケーブルカーはダメだけどエレベーターは大丈夫だよだって。よかった、よかった。

壁の内部に有るエレベーターに続く通路はひんやりとしていて気持ちがよかった。鍾乳洞が涼しいのと同じ原理かなぁ。などと話しながらカツカツ音を立てながら歩いていると、やがて冷凍庫の扉のような重々しい金属の扉が現れた。オレ達はチョットだけワクワクしながら、そのエレベーターに乗りこんだ。