サラ☆の物語な毎日とハル文庫

野田秀樹「表に出ろいっ!」の英語版をイヤホンつけて観てきた

2010年に中村勘三郎、野田秀樹が初競演して話題になったお芝居。

…だそうだ。
 
父親を中村勘三郎、母親を野田秀樹、
そして娘はダブルキャストだが黒木華が演じるという いま振り返っても、
とても見ごたえのありそうな配役。 
こちらも見たかったなー。 
 
さて、そのお芝居を英語バージョンでやるというのが今回の2017年版『表に出ろいっ!』 
英語のタイトルは『One Green Bottle』
 東京芸術劇場シアターイーストで観てきた。 
 
父親をイギリスの女優、キャサリン・ハンター、
母親を野田秀樹、 娘の役をグリン・プリチャードが演じている。 
 
英語でしゃべるのをイヤホンの日本語で聞きながら理解するのだ。 
もちろん、肝心のところ以外は、イヤホンなしで芝居を観ても理解できる。 
ただ、肝心のところが難しくて理解できないとなると残念なので イヤホンは必携だった。 
 
その日本語の吹き替え陣がこれまた豪華。 
父親を大竹しのぶ、母親を野田秀樹、娘を阿部サダヲがやっている。 
 
お芝居は展開が早く、動きも軽快。 
言葉のやり取りも、(英語だけど)ついつい笑ってしまう面白さ。
 男を女が、女を男が、 
そして、日本の茶の間のような空間で 
イギリス人が英語で演じるというチグハグさがたまらなく面白い。 
 
途中、娘が投げた荷物が客席に落ちて 
お客さんが拾って舞台に上げるというハプニングなシーンもあり。 
 
女装して母親を演じる野田秀樹が 
お客さんに上げてあげてと手で合図をしているのが可笑しくて 
なかなか楽しめた。 
 
こうして演劇がボーダーレスになっていくのなら 
それはそれでいいんじゃないかと思う。 
日本人だれもが、
いよいよ英語をマスターしないと やってられなくなる日が来るかも。 
 
3人ともが、どうしても外出したいわけがある。 
だけど、飼っている犬が出産しそうなため、 誰かは残っていないと…。 
というわけで、だれが残り、だれが外出するかでもめるわけだ。 
 
「表に出ろいっ」というけど、
じつは「表に出られない」話なのだ。
お互いを表に出さないために鎖で縛りあって、 
さて、どうなっちゃうんだ? 
という、滑稽な感じで崩壊していく家族の話。 
芝居の余韻で 家族というものについて、観客はいろいろ考えさせられる。
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