mardidupin

記憶の欠片あるいは幻影の中の真実。

与謝野晶子和歌 【佐保姫】その八

2014-05-27 07:38:23 | 〈薄紅の部屋 (和歌)〉
くれなゐと云ふ色一つも目の前にうかびきたらずさびしき夕


わが太郎二歳の牛の角とらへ友とするまでたけ生ひにけり


鎌倉の由比が浜辺の松もきけ君とわれとは相おもふ人


流れ星うつくしかりき君とわれくつは虫啼く原にかかりぬ


君がため菜摘み米とぎ冬の日は井縄の白く凍りたる家



川淀に月あり舟に人のあり大あめつちにほととぎす啼く


天地に一人を恋ふと云ふよりもよろしきことばわれは知らなく


古ききず新らしききず百七つ弾のあとある大船のごと


いもうとと七夕の笹二つ三つながるる川の橋を行くかな


秋の日はまろ寝つつましくろ髪のあまりみだれてあるもはづかし

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