mardidupin

記憶の欠片あるいは幻影の中の真実。

藤原定家和歌 【秋の歌】その十四

2014-05-30 07:03:34 | 〈薄紅の部屋 (和歌)〉
とけてねぬ伏見の里はなのみして たれふかき夜に衣うつらん


松虫の声だにつらきよなよなを はてはこずゑに風よわるなり


ひとすぢにたのみしもせずはるさめに うゑてしきくの花を見むとは


龍田山やまのかよひぢおしなべて もみぢをわくる秋のくれ哉


おくれじとちぎらぬ秋のわかれゆゑ ことわりなくもしぼる袖かな


てる月の光そふべき秋来ぬと聞くもすずしきをぎのうはかぜ


春日山朝日まつまのあけぼのにしかもかひある秋とつぐなり


せき水のかげもさやかに見ゆるかなにごりなき世の望月の駒


秋ふかき山田のなるこおしなべて治れる世のためしにぞひく


秋はきぬ月はこのまにもりそめて おきどころなき袖のつゆ哉

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