まんだの読書日記

小説の感想メイン。た~まにビーズやペパクラも。
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安芸之介の夢(『怪談』より)

2005-02-21 23:19:50 |   KWAIDAN/怪談
◆"THE DREAM OF AKINOSUKE" (英単語数 2,000)

▽ストーリー(結末まで記してあります)

安芸之介はある日、郷士仲間の2人と庭の木陰でおしゃべりをしている最中に眠気におそわれ、うたた寝をしてしまった。

彼が目を覚ますと、大名行列の一行が近づいてくる。
その豪奢さに驚いて眺めていたが、なんとその行列は彼の家の前で止まったのである。
彼らは常世の国王の使者であり、安芸之介を家来として召喚したいということだった。

驚くままに使者に連れられて常世の王宮にやって来た安芸之介は、王の娘婿として厚く迎えられる。
そして王宮の南西にある島の統治を任され、そこで美しい妻と沢山の子どもたちに囲まれ穏やかな生活を送った。
しかし結婚から23年目、妻に先立たれ、哀しみにくれながら安芸之介は妻を美しい丘に埋葬した。

妻の死の悲しみも癒えた頃。
再び常世の王からの命で島をあとにした安芸之介だったが、ふと気が付くと、元の庭の木陰で目を覚ましていたのだった。
23年もの時が経ったはずが、2人の友人は眠る前と相変わらずお喋りをしている。
彼が常世の国で過ごした日々は、昼寝をしている数分の間に見た夢であった。

友人たちは彼が寝ている間に奇妙なものを見ていた。
彼の周りを飛んでいた小さな蝶が、地面に止まったところを大きなアリに巣穴に引き込まれていき、しばらくして巣穴からまた戻ってきた。そして突然ふっと消えてしまったという。

蝶は安芸之介の魂、アリは鬼だったのではと考えた彼らは、巣穴を掘り返してみた。
すると地面の下には都市のミニチュアのような巨大なアリの巣が広がっていた。中心には王宮のような巨大な空間、南西にはあの島と思われる場所もある。
自分が夢の中で過ごした場所だと確信した安芸之介が、あの丘にあたる場所を探すと、その下にはメスのアリが埋められていたという。

▽コメント

どうも上手くまとまらず、長めになってしまいました。
このお話、なんだかとっても好きなんです。
まさに私も夢の中にいるような、ふわふわした不思議なお話でした。

これまでとちょっと違う感じのお話になるので、このブログではとりあげない予定なんですが、『怪談』の後半には「昆虫の研究」として蝶とアリと蚊のお話が載っています。
著者はこれらの生きものを、特別に"奇妙な生きもの、不思議な生きもの"として意識していたのかもしれませんね。

小学生の頃、学校でアリを飼っていましたが、アリの巣ってホントにすごいですよね。
アリたちの中でも役割があったり、部屋によって使い分けていたり、街のように見えるというのもすごくよくわかります。

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