◆"THE HARDY TIN SOLDIER" (英単語数 1,700)
▽ストーリー(結末まで記してあります)
ある男の子の家に一本脚のスズの兵隊の人形がありました。
兵隊は毎日、ティンセルのバラを身につけた踊り子の紙人形を眺めています。
片脚を挙げ自分と同じように一本の脚で身体を支えるその姿に心惹かれていたのです。
オモチャたちが人知れず動き回る真夜中。
しかし、兵隊と踊り子だけはいつもじっと一本の脚で立っているばかりで、互いに向き合うことすら叶わないのでした。
そんなある日、兵隊はあやまって窓から外に落ちてしまいます。
激しい雨で流され排水溝に流されてしまった兵隊。
数々の難関を潜り抜けていきながらも、水に溺れてとうとう死を覚悟したその時、大きな魚が来て彼を飲み込んでしまいました。
――暗い魚のお腹の中にいた兵隊のもとに光とともに降り注いだのは、聞き覚えのある男の子の声でした。
兵隊を飲み込んだ魚が市場で売られ、お腹の中の兵隊も一緒に偶然元いた家に戻ってきていたのです。
慌てて部屋を見回した兵隊は、変わらぬ姿で立つ踊り子と初めて向き合うことができました。
しかしその時、男の子の手によって兵隊は暖炉に投げ込まれてしまいます。
そこへ紙でできた踊り子の人形も偶然の風で飛ばされ、兵隊とともに炎に飲み込まれていきました。
あとに灰の中に残ったのは、小さなハート形のスズと、真っ黒に燃えたティンセルのバラだけです。
▽コメント
これも切ないお話ですね。
最後は一緒になれた二人でしたが、再会の場面であっさりハッピーエンドといかないところに、胸が締め付けられる思いがします。
このお話には“偶然”がたくさん出てきます。
偶然窓から落ち、偶然魚に飲み込まれ、特に理由も無く暖炉に放り込まれ…。
運命に翻弄されながらも、兵士としての誇りと踊り子への想いを失わない兵隊の姿が印象的な作品でした。
あと、擬人化的な表現はやはり巧みで面白いですね。
人形である兵隊が表情を変えられないのは当たり前のことなのだけれど、それを勇敢な兵士たるもの動じることなく表情も変えず…と表現したり、下水の門番のドブネズミが水に浮かぶワラや木片に向かって「ヤツ(兵隊)を捕まえろー!」なんて呼びかけたり。
上手いこというなあと、思わず感心してしまう表現がいっぱいです。
しかし、1本のスプーンから25体の兵隊の人形が作れるって、一体どんなスプーンなんでしょう?兵隊がものすごく小さいのかしら…。
▽ストーリー(結末まで記してあります)
ある男の子の家に一本脚のスズの兵隊の人形がありました。
兵隊は毎日、ティンセルのバラを身につけた踊り子の紙人形を眺めています。
片脚を挙げ自分と同じように一本の脚で身体を支えるその姿に心惹かれていたのです。
オモチャたちが人知れず動き回る真夜中。
しかし、兵隊と踊り子だけはいつもじっと一本の脚で立っているばかりで、互いに向き合うことすら叶わないのでした。
そんなある日、兵隊はあやまって窓から外に落ちてしまいます。
激しい雨で流され排水溝に流されてしまった兵隊。
数々の難関を潜り抜けていきながらも、水に溺れてとうとう死を覚悟したその時、大きな魚が来て彼を飲み込んでしまいました。
――暗い魚のお腹の中にいた兵隊のもとに光とともに降り注いだのは、聞き覚えのある男の子の声でした。
兵隊を飲み込んだ魚が市場で売られ、お腹の中の兵隊も一緒に偶然元いた家に戻ってきていたのです。
慌てて部屋を見回した兵隊は、変わらぬ姿で立つ踊り子と初めて向き合うことができました。
しかしその時、男の子の手によって兵隊は暖炉に投げ込まれてしまいます。
そこへ紙でできた踊り子の人形も偶然の風で飛ばされ、兵隊とともに炎に飲み込まれていきました。
あとに灰の中に残ったのは、小さなハート形のスズと、真っ黒に燃えたティンセルのバラだけです。
▽コメント
これも切ないお話ですね。
最後は一緒になれた二人でしたが、再会の場面であっさりハッピーエンドといかないところに、胸が締め付けられる思いがします。
このお話には“偶然”がたくさん出てきます。
偶然窓から落ち、偶然魚に飲み込まれ、特に理由も無く暖炉に放り込まれ…。
運命に翻弄されながらも、兵士としての誇りと踊り子への想いを失わない兵隊の姿が印象的な作品でした。
あと、擬人化的な表現はやはり巧みで面白いですね。
人形である兵隊が表情を変えられないのは当たり前のことなのだけれど、それを勇敢な兵士たるもの動じることなく表情も変えず…と表現したり、下水の門番のドブネズミが水に浮かぶワラや木片に向かって「ヤツ(兵隊)を捕まえろー!」なんて呼びかけたり。
上手いこというなあと、思わず感心してしまう表現がいっぱいです。
しかし、1本のスプーンから25体の兵隊の人形が作れるって、一体どんなスプーンなんでしょう?兵隊がものすごく小さいのかしら…。