切り換えは早いほうがいいというのはサッカーの取材をとおしてわかっていたつもりだったが、
今回はまったく学習が役に立たなかった。
あまりの被害の大きさをどうとらえたらいいのか。
自分が前を向くこと、人に前を向かせることが正しいのか。
半信半疑の疑心暗鬼。
自分は大して被災していないにもかかわらず、
EL GOLAZOへの寄稿文も煮え切らない感じで
周囲とは一段も二段もテンションの低い内容になってしまった。
水も電気も食料もない避難所に追い討ちをかけるように雪が降るとか、
病院や福祉施設ではあり得ない制約のなか、
少ない職員が不眠不休で対応にあたっているとか、
津波を逃れてなお、生死の境界線上にいる人も多かった。
報道で「○日ぶりの救出」が注目されている間にも
続々と遺体の収容は続けられていた。
おそらく、今日には死亡確認数が1万人に届き、
行方不明者はその倍に達しようとしている。
被害の全容はまだ把握されていない。
それでも事態は徐々に
「明日に命をどうつなぐか」から
生活再建矢心のケアという方向性に向かっているように見える。
長い長い道のりになるであろう復興は始まっている。
切り換えがうまくできなかった分、
忘れないようにしなければ。