毎年この時期、モンマルトルでは「ぶどうの収穫祭」が行われます。
なんでモンマルトルなのかと言うと、丘の上は昔はぶどう畑と風車が沢山あるのどかな田舎だったからなのです。（モンマルトルがパリ市に加わったのは、歴史上、意外と最近のことなのです。）
そのモンマルトルに、唯一残されたぶどう畑。そこは市役所の職員によって管理され、毎年そこのぶどうでワインが作られています。そういう経緯があって、モンマルトルでぶどうの収穫祭を行うのです。（モンマルトルの人たちは、いまでもここを小さな村のように扱いたがっています。）
収穫祭は金・土・日と３日間続きます。初日の今日、カメラ片手に行ってきました。
お祭りの間に、パレードやら音楽のショーやら、花火やら、さまざまなイベントがあるのですが、一番みんなが楽しみにしてるのは、やはり「地方物産展」です。特にここではいろんな地方のワインが試飲できるのがイイんですよぉ～。
このお祭を格好の宣伝の場所として、いろんな地方から特産品を売りにやって来る人たち。今年はこのお祭りの７０周年として、いつもより規模を大きくしてやっていました。お店が沢山あります。そして人も沢山！
初日の夕方はじめごろなので人はまずまずでしたが、翌日の夕方遅くに行ったらすごい人ごみで、夜になるとますます混んできていました。（皆、お祭りの雰囲気とお酒が目当てなのです。）
丘の上、テルトル広場とサクレクール寺院の間あたりにスタンドが集中してます。
これはドライ・ソーセージのお店。壁には干しモモ肉が下がってます。
これはプラリネを売るおじさん。中身がアーモンドのとピーナツのとがあります。（プラリネとは、ナッツに砂糖をからめて炒ったお菓子です。）
これはタルティフレット屋さん。
タルティフレットとは、サヴォワ地方のチーズを使った、ちょっとグラタンぽい感じの料理です。この大鍋で作って売ってるようでしたが、まだ夕方も始め頃とあって、全くお客はいませんでした。まだお客の食欲が湧いてくる時間では無いのでしょう。お店の人もヒマと見えて、カメラに向かってポーズしてくれました。（が、翌日の夜に行った時には忙しそうに売ってましたよ。）
これがモンマルトルのぶどう畑でとれたぶどうを使って作られた、「パリの地ワイン」なんです。実際にこうして売られています。ラベルの絵は毎年変わります。その年の収穫祭のポスターがラベルになるんです。
一度、有料試飲で飲んだことあるんですが・・・お味のほうは・・・言わないことにしておきます。（苦笑）
なんせ、市役所の職員さんたちが作ってらっしゃるもので、ね。
とにかくいろんな地方から、ワインを売りにやって来てました。
こうやってグラスで試飲できますし、ボトルを買うこともできます。グラス１杯の値段は２ユーロぐらいです。（カフェで飲むと大体４ユーロくらいします。だから夜になるとヨッパライが増えてきてました。安く飲めるから、そういうお客も集まってくるんですねぇ。）
これは、はちみつ屋さん。手前にズラリとフタの空いたビンが並んでいて、好きに試食できるようになってました。左に見えるパウンドケーキみたいなのは、パン・デピスと言う、スパイスとはちみつのタップリ入ったケーキです。
ジャジャン！
わたしはいつも、このお店を待っているのです。この、上が真っ黒の丸いケーキ、“ガトー・フロマージュ”と言われてます。外の焦げ部分はパリパリ、でも中はとってもキメの細かいスポンジ状。舌の上でしっとりする生地、噛めばチーズのほんのりした香りが広がります。これがお焦げ部分の香ばしい香りと混ざって絶妙なのです。蒸しパン愛好家ってのがいると思いますが、そういう感じで、わたしはこの素朴な味のパンみたいなケーキが好きなんです。でも、毎年ここで買うのを待ってます。（このおばさん、愛想も何も無いんですが、ケーキは美味しいんです。）
後ろにある白黒のしましまの旗は、ブルターニュ地方の旗です。というわけで、このお店はブルターニュ地方のお菓子を売るお店なんです。
さきほどの写真のお店の右半分です。この後姿のおじさんがご主人だと思われます。
手前がクイニー・アマン、その上がファー・ブルトン、そして右側が・・・えっと・・・なんだっけ？ ま、知ってる人は知ってるので良しとしよう。（笑）
これはフォア・グラ屋さん。でも、ぜんぜんお客さんがいなくてとってもヒマそうにしてました。右端にもおばちゃんが居て、２人でずっとおしゃべりばかりして。
このタッパーのような密閉容器の中に、フォア・グラ（脂肪肝）がグラ（油脂）に浸かって入っているのです。と思うといかにも体に悪そうだとワタシは思うんですが、みんなこれを美味しいって言うんですよねぇ・・・。（フォアもグラもニガテなワタシ。。。）
つづく
