コルマール二日目です。
今日は午前11時から約1時間15分、「旧市街観光」をする予定です。
集合場所である観光案内所に時間前に到着すべく、朝のコルマールの街を歩きます。
その時、コウノトリの巣をチェック。(↑上の写真)
巣の主は、いない・・・。
屋根に白いヨゴレが沢山ついてますが、コウノトリの糞です。
巣の直下だけでなく、○で示した場所にも沢山白いヨゴレがありますよね。この辺りに
昨夜コウノトリが止まっていたので、彼の定位置なのでしょう。
集合場所に時間前に到着し、料金4ユーロを払って整理券をもらい、待つこと10分。
ガイドさんがやって来ました。気が付けば、いつの間にか人だかりもできています。
徐々に集まってきたツアー希望者たちです。来てる人の半分くらいがドイツ語圏の
観光客らしく、聞いてもわからない言語で会話してます。(ここはフランスのはず
なのに・・・)
ドイツ国境がすぐ近くにあるアルザスにはドイツ人観光客も多いので、観光ガイドの
言語は「仏 or 英」や「仏 and 英」ではなく「仏 and 独」でした。
観光ガイドの様子については こちらに載せてます。
(けっこう長いので時間のある時に読んでね。)
12時15分にようやくツアーガイドから開放され、「これからどうする?」と夫と顔を
見合わせる。食べるにせよ何をするにせよ、全てが旧市街中心部に集中しているので
ひとまず中心部へと向かう。
中心部へ行く途中で、夫に提案。「ウンターリンデン美術館の中を観たいなぁ。」
夫も一応賛成だったけれど、運悪く、昼休みは一旦閉館するとガイドさんが教えて
くれていたので、先に何か食べようということになり・・・店を探そうとするが、どこも
高い。そしてわたしたちはそんなにお腹が空いて無い。(朝、ホテルでしっかり
食べたので。)どこかで何か簡単なモノを・・・と思っていたら、良いモノがありました!↓
ジャーン!!
(これって・・・ゴハンじゃないけど~!笑)
「お菓子好きのための フランス地方の過ごし方」 小林かなえ 著 文化出版局
って本にも紹介されていたサロン・ド・テ、「Rims」(リムス)に入ってみました。
(本には 日・祝定休 と書いてあるけど、この日は日曜日で開いてました。)
ここでなんと、“チーズケーキ”を食べるのを密かに楽しみにしてたのです。
まさかまさか、本当に実現するとはっ!!!
パリにいた時から何度も本を見せては夫に話し続けていたこのお店。ここでは
チーズケーキを食べることができます。お店に置いているケーキの種類は決して
多くは無いのですが、コルマール市内を歩いて見た中でもかなりおいしそうな
見た目のするケーキを置いているお店。ここで一休みしてから美術館へ行くことに。
わたしたちが頼んだものは、クグロフとチーズケーキです。
クグロフは、一般的なものとはレシピが違うようで、しっとりしてそうな感じ。普通
もっとブリオッシュの乾いたのみたいな、カサカサしたのを売ってますが。
チーズケーキには、どうやらラズベリーが入っているようです。
いっただっきま~す♪ (今回の顔隠しは、画家ハンジの描く少女の絵の一部。)
ウマイっス~~~!!!(涙)
チーズケーキ、もったりしたお味でなかなかイケてました。でも1人で食べるには
量が多すぎかも~と思ってしまいました。もうちょっと小さくてもいいんだけどな。
クグロフはそれに反して、「もうちょっと大きくてもOKよ!」ってくらい美味しかったです。
お店の人に最初、「ホテルに持って帰って食べたいんですけど」って聞いたら
「お持ち帰りはできないんです」って言われちゃったのでお店の中で食べることに
したんですが、そうでなければクグロフ2個買ってホテルでゆっくり食べたかったな~。
さて。腹ごしらえの後は・・・ウンターリンデン美術館へ!
美術館の入り口まで行くと、人が沢山集まってました。で、何か入場券についての
話をしています。「あぁ、ツアーの人たちなんだろうな。添乗員さんがチケットの手配
をしているんだろうな。」って感じに見てあまり気にも留めていなかったんですが、その
話が、なんとわたしたちの所にまでまわってきたのです。なぜ???
話の内容はこうです。
「○○人以上だと団体割引が効くんですけど、あと4人足りなくて・・・」と。
実は全く知らない者同士が集団で「団体割引券」を買おうとしていたのでした。
チケット販売所の目の前での出来事です。これが通っちゃうだなんて、いい国ですね、
フランスは。(笑)日本だと、どうかな?
少々待った挙句、ようやく「団体割引券(一般より1ユーロ安い)」を手に入れた
わたしたち。
チケットを見せ、無料サービスの音声ガイドの機械も借り、さっそく入館・・・と思いきや、
いきなり中庭に出ました。
昔の修道院らしい、中庭。地面には沢山、紫色の野生のスミレの花が咲いてました。
↓中庭の回廊に立てかけられていたのは・・・多分、墓石です。(汗)
教会の床によくこんな石の板がはめこまれてます。ずっと前に欧州旅行した際、
ガイドさんが「この下に故人が眠っています」みたいな説明をしてくれたように
思うんですが。この美術館、かつての修道院を改装して作られているだけに、
美術館スペースにするため床を剥がした際に装飾的な石の板を取ってこう展示
したのでしょう。午前中の旧市街観光の際に、カテドラルに納まりきらなくなった
遺体を収容するためにカテドラル脇に作られたチャペルが旧・衛兵所として現存
していると説明されたんですが、チャペル=遺体収容っていうのがピンと来なかっ
たんですが、この石の板を見てわかりました。多分、昔は教会内の床下が埋葬場所
だったのでしょう。(埋葬されたのは司教とか献金者でしょうか。)
石の板の次には小さな部屋が。↓
ここはどうやらワインを作っていた場所のようです。
これ↑はぶどうのプレス機でしょうね。
↓プレス機の向かいには、装飾が施された立派な樽が並んでました。
ここってホントに修道院だったの???
一番入り口に近い場所にある樽です。↑
ドイツ語か何かでたくさん何か書いてます。(読める人がいたら、何て書いて
あるのか教えて~。)
樽の上に人間が乗ってるレリーフがちょこんと彫ってありますが、その人間の
お腹がダルンと垂れて樽に乗っかってるのが笑えますね~。(笑)
ってのはどうでもいいんだけど!(美術館はドコ???)
回廊を歩いているとパーッと日が照ってきて、きれいな模様を床に映し出して
くれました。その様子を撮影しようと思っていたら・・・なぜか知らないオバチャンが
ずっと立ってました。しかもカメラ目線で。
この写真の奥に、ようやく入り口が。
ウンターリンデン美術館内は、中世の世界そのまんま、って感じでした。
古い彫刻や絵画が沢山。クラナッハの描く艶かしい女性の絵もありました。
これは美術館の一番奥の間にあった祭壇画の展示されている様子です。
日本のガイドブックによると、「ドイツ人画家マティチアス・グリューネヴァルトの
“イッセンハイムの祭壇画”」だそうです。沢山の人たちがこの周囲に集まり、
音声ガイドの説明を聞きながら絵に見入ってました。
その手前の床下に置かれている石の彫刻は・・・↓
これまたどうやら墓石のようです。(汗) なんかちょっと、時期的に見て「ダ・ヴィンチ・
コード」って感じもしますが。
(以下、仏文解説要訳。拙い訳でスミマセン・・・。)
この墓石彫刻には、騎士の武装に関して細かい表現が
なされている。托鉢の鉢に頭巾、スリットの入った上着に
覆い隠された袖の短い鎖かたびら、コンビネーション。
その足先にはライオンか何かの動物のものと思われる
爪が。
砂岩 (grès) の石版への彫刻だそうです。
有名な祭壇画の脇にあった、ベンチのような椅子。↓
祭壇画も良かったのですが、わたしはこちらが気に入りました。
立派な彫刻が施された、古い美しい木製の椅子。
キリスト教絵画をイッキに沢山見たので、「象徴」の世界へ引きずり込まれました。
(まさしく「ダ・ヴィンチ・コード」!笑)
夫に「なぜ聖母マリアの脇にはよく白百合が描かれているのか」や「なぜ聖母マリア
の後ろには状況的に不思議な垣根が描かれているのか」といった“象徴”についての
解説をしつつ、“一体どっちがキリスト教徒なんだ~!”とまたしても思いつつ、
実家に残してきた象徴に関する本を「今こそコレが読みたいのに~!」と地団駄踏んで
思い出していたワタシ。。。(夫、名ばかりのキリスト教徒です。)
こうして2時間ほど見学をしたわたしたち。
美術館から出ると、夕方4時半くらいになってました。
まだ日没まで時間があります。散策しながらホテルへ一旦戻ることに。
↓旧市街の、カテドラルにわりと近い通りにあるお店。
昨日から夫がやけにこの店を気にしてました。ちょっとお高そうなチョコレート屋さん
に見えるので、わたしはもとよりあまりチェックする気も無かったんですが、夫は
しつこくウインドウから覗き見ていました。
夫が見ていた風景は・・・↓
上段右側から、プラリネ(赤、普通)。左側が(赤)プラリネ入りのブリオッシュ(かな?)。
下段、チョコレートいろいろ。
下段右端の、MDを重ねて縛ったようなチョコレートは、パリでも見た気がします。
夫が言うには「だんなさんがパティシエのT夫妻がパリで買っていた」とのこと。
こういう記憶だけはしっかり保っている我が夫。そう、確かに彼等はコレを買って
いたと思う。しかし、夫よ、わざわざ店の名前なんて覚えてたの???
名前までしっかり覚えていなかったにせよ、偶然にしてこうしてお店が発見できる
とは!ビックリです。T夫妻がチェックしていたのだから、それなりに有名なお店のはず。
しかし、先に紹介した「お菓子好きのための フランス 地方の過ごし方」という本に
載ってませんでした。
このお店、 Pralus では主にチョコレートを売っていましたが、ほんのちょっとだけ乾き系
のお菓子、そしてお土産セットに仕立ててあるアルザス食品などが売られていました。
まずは、夫の目を釘付けにした「(赤)プラリネ入りのブリオッシュ(かな?)」を購入。
全く持って、コレが何なのかわからず。でもきっと美味しいに違いない。
お店の人にショップのカードをねだってみるが、今ちょうど切らしているとのことで、
代わりにお店のシールを包装紙に貼って、切ってくれた。(これで住所と電話番号は
バッチリ!)
Pralus で夫がもう一つ気にしていたのがこの缶入りのサブレー。
缶のフタに店主の名(Auguste Pralus)が入っています。というからには、店の
看板商品の一つでしょうかね?
これはぜひとも食べてみたい。夫はマジでヨダレを垂らしそうな勢いで眺めてます。
が、しかし、夫の財布のヒモの固さは食欲を上回っていた。(いつものことだけど。涙)
見てくださいよ、この値段!ちっこいのが一袋で4.20ユーロ、缶入り一箱17ユーロ!
これじゃ、さすがのわたしもあまり買う気が起こらず。
オーナー・パティシエのオーギュストさんが一枚ずつ愛情込めて手焼きしてくれてる
んでしょうか。でも現場見てないからわかんないし、オーギュストさんにそれほど愛情
湧いてないし・・・。というワケで、大人しくホテルに戻ることに。
ホテルに戻る途中、税関所跡のすぐ近くにあるパン屋にて、クロワッサンのような
ものとリンツァートルテを買う。本当は「Jean」というお店のことが先の本に載って
いたのでこちらでリンツァートルテを買ってみたかったんだけど、生憎わたしたちが
立ち寄ったのが日曜の午後で、Jeanは休みでした。
ホテルに着いたらさっそくお茶~、ならぬ、お酒~♪
昨日モノプリで買って部屋の冷蔵庫で冷やしておいた、洋梨のお酒です。
(シードルの、原材料がリンゴではなく洋梨。)
シードルに似てるけど原材料が洋梨なので、POIRE(ポワレー)という名の別の
飲み物になるらしいです。ホントは「アルザス・ワインをホテルでゆっくり飲もう」
と思ってスーパーの棚を見ていたんですが、最終的に夫がコレを選んでしまった・・。
ぜんぜんアルザスって感じじゃないんですけど~!!!(怒)
ま、仕方ないです。ヘタに逆らわないことにしました。
税関所跡のすぐ近くにあるパン屋にて買ったクロワッサンみたいなパンが、実は
メチャクチャ美味しかったんです。値段は普通のクロワッサン並みなのに、中に
プラリネか何かのペーストのようなものが入っていたし、何より生地がサックリしてて
バターの良い味がして、もうたまらない!って感じでした。さすがに、夫の目は違う。
わたしには店頭でこれを判別する能力はまだ無い・・・。(夫は子どもの頃から「安くて
美味しい菓子パン」を探し続けてきたのだから、その経歴に勝てるわけが無い。)
あまりに美味しいこのパンの秘訣は、店の前に堂々と書かれていた「フレッシュバター
を使った手作りヴィエノワズリー」の文字。夫はこれに目ざとくチェックを入れていた
のでした。かくして、味は正真正銘ホンモノの美味しいバターのもので、看板に
偽り無し。同じ店で買ったリンツァータルトのほうは甘すぎて×だったので、「やはり
ここはヴィエノワズリーが良い店なんだろう」という意見で夫と合意。
Pralus で買った「(赤)プラリネ入りブリオッシュ(かな?)」←(名前よくわからない
んでこんなヘンな状態ですみません・・・)はいかにもな砂糖甘い菓子パンといった感じで、
午後のちょっと小腹が空いた時間帯に非常に美味しく食べられるパンでした。
でも、この左側のは「いつもの3倍入れときました!」ってくらいにプラリネが多く、
右側のはコレの半分も無いかも?ってくらい少量しか入ってませんでした。
なのでわたしは「左を一口食べた後で右を一口・・・」とやって半分食べました。
ま、手作りなのだからということで、ご愛嬌ですね。
ここでちょっと疲れた足を休めるために昼寝をして(笑)、夕食時に再び外へ
出かけることに。
(つづく)
明日(金曜日)午後から3日間、また留守です。
今度は夫の実家と、引越ししたばかりの義妹宅へ行く予定です。
(コルマールの話は来週に書きますね。しばしお待ちを~!)
この写真は、甥っ子&姪っ子たちにあげるTシャツです。
わたしがアップリケをしました。
シャツの横部分をほどいて、タグを縫い付けてます(笑)
甥っ子 ピェールには、彼の大好きな赤色で、大好きなトラックを。
トラックはフェルト、タイヤはボタンです。
姪っ子 ジャンヌ&ルイーズには、彼女たちに以前あげたぬいぐるみをモチーフにして
アップリケを。(ネズミとネコです。)
ネズミはジャンヌに。ネコはルイーズに。
間違えないよう、イニシャルを刺繍しました。
ネズミの襟は毛糸で編んで縫いつけてます。ネコのベルト・リボンはリボンをかがり
つけてます。
義家族にはまだこのネームタグを見せてないので、今回お披露目となります。
(今回ようやく義母に、あのロバの刺繍の小切手ケースを渡せます!)
みんな、喜んでくれるかな~?(ドキドキ・・・)
4月21日に、見知らぬお客が訪問してきたことを書きました。
あれからずっと、わたしたちはこのお客からの連絡を待っていたのでした。
そしてついに昨日・・・夫の所へ一通のメールが。
そこには、先日の突然の訪問にもかかわらず親切に招き入れてくれたことへの感謝の
言葉と、いずれ売るとしたらぜひ一言声をかけて欲しいというお願いが、本人の名前と
連絡先を添えて書かれていました。
その名前はまさしく、わたしたちの前々代のこの部屋の持ち主の名でした。
(部屋の権利書類に記録が残っているので、わたしたちにはわかるのです。)
これで、あの中年夫婦が怪しい人物でないであろうことが一応は理解できました。
(これから怪しい人物になる可能性は全否定できませんが。笑)
ホラね、悪い人たちじゃなかったでしょ?ちゃんと対応してあげて良かったでしょ?
というワタシに夫は「うん・・・・そうだね。でも、次はダメだよ。」って。(苦笑)
物騒な都会にあって、昔ながらの人情を持って生活するのって難しいですよね。
結局は、人を見る目を磨くのが何よりの防御策なのかな、なんて思っちゃいました。
今回たまたまわたしの第六感が当たったので良かったですが、今後も気を引き
締めていかねば。
以上、結果報告でした~。