子供たちをとりまく社会の諸問題は、明確な解決策がない。
それは、地域によって状況が様々であることや、大人自身が大きな時代
のうねりに飲み込まれていることが原因のひとつだと思う。
しかし、明確なのは、地域(保護者を含む)と学校が連携をしながら
守り育ててゆかなければ、健全な社会を取り戻すことができないという
ことだけは間違いのないところだ。
多くの場合、地域と保護者と学校がうまく連携がとれていないという事が
言われているが、その理由は何だろう?
いろいろな現場を見ている経験で言わせてもらうと、
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いろいろな立場や団体の代表者同士が、コミュニケーションがとれていない。
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ということが、改善していかない大きな妨げになっているのだと思う。
わかっているようで、できていないことでもある。
様々な活動をしていく上で、それはとても大切なことで、これができていれば
多くの問題を解決する糸口になる。
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◆お互いが、相手の立場を理解しようとしない
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というのが大きな原因だが、それを解決するための一元的な策はない。
地域の特性。人の考え方の相違。経験不足。ジェネレーションギャップ。
こういうものが妨げる。
かつて私が単位PTAの役をしていた時の現場は道後地区だが、例えば、
私と学校長、または公民館長とが対立したり意思疎通ができなかったりした
ことは一度もない。なにが功を奏していたのかはよくわからないが、
思い返してみると「相手(正確には相手の立場)が何を望んでいるのか」を
常に考えていたことは間違いない。
私が松山に来たのは11年前。小学校のPTA会長を引き受けることになった時、
「よそ者」のPTA会長は初めてだった。歴代、地元の人が受け継いでおり、
そのことに関するプレッシャーは、とても大きかった。従って、私はPTA活動
のあれこれは大前提として、できるだけ地域の代表者の方々にお会いする事を
優先した。公民館長、広報委員さん、補導員さん、交通安全協会など、会議の
前後に、こちらから話しかけるようにしていた。時には、ご自宅にお伺いする
こともあった。
それ以後は、様々な場面で声をかけていただけるようになり、私自身はすぐに
「地域の一員」となることができた。もちろん、それによる「陳情」も様々に
あり、「会長さん、○○○○○○してくれんかなぁ」ということもあったが、
ふさわしくないと思えることには誠実に理由を話した上でお断りすることも
よくあった。
私は既に道後地区から引っ越し、中学校のときには校区外に住むPTA会長と
いうことにもなったが、今でも道後のこと(宴会が多い)に声をかけていただ
けるという、とてもうれしい状況が生まれた。そこで、とても感じるとこは、
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地域の(総じて)代表者の多くの人たちは、その昔にも地域で活躍されていた
人たちであり、年を重ねて現場からの隔たりを感じ始めている。
加えて、私たち「若造」のできの悪さも相まって一種の壁ができあがる。
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のであるが、単にひとつの単語で書くとすれば、
**** 寂しい *****
のである。まちがいなく。
だから「色々教えてください」というスタンスでこちらから話しかけるという
姿勢が大切で、私たちPTA会員の長であるPTA会長の今後の最大の役目は、
「謙虚な姿勢で自らコミュニケーションをとる」ことではないかと思う。
当たり前のことのようで、できていないんじゃないでしょうか?
※Mt. of switzerland (つづく)