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ネロ・ウルフ

2005-08-19 17:23:44 | 
1934年から1975年にかけてレックス・スタウト(1886-1975)が書いたネロ・ウルフ・シリーズが昔から大好きで、翻訳をあさり、翻訳版がないものはペーパーバックで結構読んでいます。

どんなシリーズかっていうと、約130 kgもある美食家で蘭の愛好家、仕事嫌いで自宅からでようとしない出不精で奇癖の持ち主である天才的な探偵ネロ・ウルフとその助手でワトソン役をつとめるアーチー・グッドウィンを軸にした本格派の推理小説です。もっとも、中期あたりから本格派の色合いはどんどん薄くなっていって、事件そのものより、しっかりこしらえたキャラで遊ぶ話が楽しい、という展開になってきます。プロットや展開のしかたが雑でも、ウルフとアーチーのやりとりだけで笑えるのでゆるしてしまうのです。

本国アメリカなどでは根強い人気らしく、ペーパーバックに書いてあるのは現在のミステリ作家だったり、実際に作品にウルフの名前がでてきたりしてます。でも、日本では一部に受けているだけらしくて、ハヤカワミステリなどでもどんどん廃刊になっていてさびしいなあと思ってました。

ところが、グルメ探偵ネロ・ウルフというタイトルでテレビ・シリーズが作られ、日本でも二年前から放送されました。このTVシリーズ、原作の雰囲気がなかなか生かしてあって、けっこうおもしろかったです。ウルフ(モーリー・チェイキン)も原作よりはスマートとはいえ、それっぽいです。数々の癖を映像で見ては笑っていました。意外だったのが、アーチーをやったティモシー・ハットンに違和感がなかったこと。キャスティングを見たときは、ミスキャストだぁ、って思ったのですが。

テレビのおかげで、復刊になった本がでたり、ポケット・ミステリで去年から二冊、新訳がでてます。このお盆休みに読んだのが、今年出た『編集者を殺せ』 ウルフものとしてはまあまあのでき。しかし、これでまたしばらくおさまっていたウルフ熱に火がつきそうです。テレビのせいか、ペーパーバックも増えましたしね。いっそ、順をおって全部読んでやろうかしら・・・

写真はテレビシリーズのもの。75年まで書き続けられていて、ウォーターゲート事件などもネタにしていますが、作品の雰囲気は基本的に30年代から50年代にかけて、というかんじです。


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