小説やドラマで
3日後
1年後
というフレーズ
その3日の間の何気ない日常
その1年の間の何気ない日常
物語に入らない物語
普通に過ぎていく日々
それがどれほど大切か
失う前に
離れる前に
気付いて良かった
普通のこと
当たり前のこと
貴方がいること
それがどれほど大切なことか
気付いて良かった
目の前からいなくなって
初めて気付いたって遅い
見上げた空に太陽がある
普通のこと
見上げた空に月がある
当たり前のこと
貴方と過ごす毎日が
何より大切なこと
気付いて本当に良かった
ここは夢の中
小さな頃見た夢の中
知らないけど知ってる遊園地
小さな女の子
森の奥の遊園地へ
メリーゴーランドのような建物
コーヒーカップのような乗り物
色んな遊具が合わさった
ヘンテコな
見たことのない乗り物に乗ってる
小さな女の子
手を振る姿は
小さな頃のわたし
夢から覚めたあと
夢の中の遊園地の乗り物
探したけど見つからない
夢の中のわたし
現実の私が身長追い越した
ずっと探してる
いつか見つかると信じてる
森の奥の遊園地
あの日の君を覚えてる
いとしき君に花が咲く
君に朝が来て
君に夜が来る
君が歌う歌
君に咲く花
知らない誰かを救ったよ
一緒に夢を見て
永いときが過ぎて
君が眠るとき
まだ見ぬ場所へ
あの花の地へ
終わらない歌
君に咲く花
この命を救ったよ
たとえば滑り台の滑るところの上
たとえば電信柱と塀の高い壁の間
たとえば樹齢1000年の木の根元
秘密の入り口
冒険の扉
実はたくさんあって
それらは全て
不思議へ繋がっている
そんな世界も面白いけど
それら全てが
君への
近道だったら
もっといいのに
鳥さえも知ってる
うさぎさえも知ってる
猫さえも知ってる
犬さえも知ってる
自分がもらったらもちろん嬉しい
自分と関わりのあった人に
地球の裏の知らない誰かに
愛と幸を贈ろうよ
少しの愛と
少しの幸を贈ろうよ
みんなが贈り合えば
この地上から醜い汚れた争いは
なくならないとは思うけど
ずっと減ると思う
何故ひとは争うの?
何故ひとは攻撃するの?
大切なひとを失ったら悲しいでしょう?
譲れないものがあったら
歌ったあとに話し合いはできないの?
世界の平和を願うのは無駄なこと?
宇宙に存在する奇跡のこの星
小さくて大きな地球号
会いたい人がいたら
宇宙服着なくたって
会いにいけるんだから!
隣の人と手を取り合って
近くの人と歌い合って
遠くの人と微笑み合って
地球の裏にも届くよう
足踏みして踊ろうよ!
愛と幸を
包んで贈ろうよ
少年がくれた絵
カンバスには
青 赤 黄 橙
緑 紫 桃 朱
塗り潰された
いくつもの円
何を描いたか尋ねると
少年は
「海」
と答えた
少年の瞳に映る海
私には見えぬ色
今はまだ航海前
カンバスの海へ
未知なる世界へ
まだ大海原を知らぬ船
帆を立て
いざ旅立たん
「いつかまた逢いに来て…」
いつも教室の片隅で読んでいた
題名も作者もわからない本
大人になっても
記憶の底にしまいこんであった
また読みたいと思ってて
でも探す術もなくて
ほとんど諦めていたの
キーワードは
「おばあさん」
「主人公の女の子」
「傘」
ただそれだけ
そうしたらね
私の大好きな人が
ある絵本が好きと言い出したの
表紙を見たら
「傘」の絵があった
もしかして
もしかして
本を開くと
そこには私が毎日読んでいた物語と
教室の片隅にいる
小さな私とあなたが飛び出した
心の奥に眠る音
それは私の小さい頃の話で
今でも心の中に流れてる歌の話
たった一度聴いただけで
心の奥まで響き渡った
私の知らない国の言葉
何故か涙が止まらなかった
耳に入る他の雑音が
フィルターを通して
濾過されていくイメージ
歌い手も
歌の名前も
何もわからなかった
もう一度聴きたい
もう一度聴きたい
何年も
ふとした拍子に目覚める音
心の中に流れ出す
探しても
見つからなくて
探しても
見つからなくて
半ば諦めかけていた頃
再び巡り合った
メディアからたった3秒流れただけ
それでも
耳に残るは彼の人の歌
それは変わらぬ歌声で
以前よりも
ずっとずっと
私を惹きつけて止まない
ある異国の歌
私と色んな人との
出会いのときも
別れのときも
いつもそばにあった歌
大人になってわかった詞の意味
それは
海から海へ
島から島へ
航海を続ける歌で
人の波をたゆたう
私の歩んできた路そのもの
たったひとり箱庭で
高く掲げた如雨露から
草に花に
水をまく
きらきら
きらきら
水滴が
葉っぱの滑り台を流れ落ちる
如雨露から出る水の道には小さな虹
この瞬間にこの虹を見ているのは
世界できっと私だけ
空気の澄んだ雨上がり
厚い雲と雲の切れ間から
視界に溢れるほど大きな虹
この瞬間にあの虹を見ているのは
世界で私の他に誰が見てるでしょう
渡り鳥たちが見てる?
虫たちが見てる?
彼の人も見てる?
短い時間であっという間に消えてしまう虹
よく目を凝らして見て
さぁいくつの色が見える?
二色?三色?四色?五色?六色?七色?
それ以上?
国によっても
見る人によっても
文化によっても
見える色の数が違う虹
現れるのも消えるのも
気まぐれでバラバラ
見えるとちょっと嬉しくなる
今度はあなたと一緒に
虹が消えるまで
ずっと見ていたい