天使の図書館ブログ

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Grand Stroke-14-

2012-08-28 | エースをねらえ!

(※漫画「エースをねらえ!」の二次小説です。内容にネタバレ☆等を含みますので、一応ご注意くださいm(_ _)m)


 そーいえば前回書き忘れてたんですけど……たぶん、エースが書かれた時と今では、タイブークって方法が変わってるんじゃないかと思います(^^;)

 なので、わたしが書いてる二次では、現行のタイブレークのほうを採用させてもらいました

 簡単に言うとしたら、2ポイント差つけて、先に7点先取したほうが勝ちっていうことなんじゃないかと思うんですけど――合ってるでしょうか

 えーとですね、わたし旧こみくすのページ横とかに書いてある、


 >>タイブレーク=ゲームカウントが6対6になると、本来ならさらに、どちからかが2ゲーム差をつけないとセットが終了しないが、この方法は6対6になるとベストオブ9ポイントのゲームとし、先にポイントをとったほうが勝ち。


 って言うのを読んだ時、「あれ?本当にそーだっけ、おかしいなww」と思ったんですけど、たぶん自分の頭が悪すぎて理解できてないんだろう……としか、その時は思わなかったのです(^^;)

 でもそのあと、ウィキで調べてみて、エースが書かれた時と今では、タイブレークの方法が変わってるんじゃないかなって、ようやく気づいたというか。。。

 う゛~んそれともやっぱり、わたしの頭がバカすぎて、わかってないだけなのか……なんにしても、試合の書き方が間違ってたら、すみませんwwと思いますm(_ _)m

 自分でも昔から、タイブレークっていうのは、もしいつまでも2ポイント差つかないままだったら、いつまで続くんだろうっていうのがすごく謎だったんですけど、あれってその場合には試合が永遠に続くっていうことですよね??

 いえ、タイブレークってググると、すぐ1ページ目の画面に、マッケンロー対ボルグのウィンブルドン伝説の試合っていうのが出てきます

 んで、参考のために見てみようと思ったところ――17:16とか、本当に死ぬまで続いてる

 一応、この時のスコアや、フェデラー対ナダルのタイブレークの試合を見て、参考にはしてみたんですけど……まあ、例によって(?)文字に置き換えた途端に、これで正しいかどうかっていうのがよくわかんなくなってきて(アホ☆)、「大体意味通じればいいやww」くらいの感覚で、することになっちゃいました(^^;)

 う゛~ん本当に今回これ書いてて、自分が普段いかにものを見てないかっていうのを、思い知らされるような気がしました

 たとえば、コイントスしてから乱打するのか、乱打が終わってからコイントスするのか……この場面わたし、もう何十回となく見てるはずなんですけど、はっきり思いだせなかったり(汗)

 あと、コイントスって当てたほうが自動的にサーブ権を得るもんだとばっかり思ってたんですけど、サーブかレシーブか、当てた側が選べるっていうことも、今回テニスについてググってて、初めて知りましたww

 まあ、確かに言われてみたら本当にそうですよね。クラリッサやモアちゃんみたいな、ビッグ・サーバータイプのプレイヤーは別として、最初のサービスって、意外に破られやすかったりもしますもんね。だから先にレシーブのほうを選ぶっていうことも当然あるというか。。。

 なんにしても、今回これ書いてる途中で、ますますテニスが大好きになりました

 次から試合を見る時には、今まで思ってもみなかった方面からも、色々わかることが少しだけ増えたというか♪(^^)

 それではまた~!!


   ~お・ま・け☆~

(前回の13で、バーバラがゲータレードを飲んでるんですけど……日本のスポーツドリンクといえば、やっぱり「ポカリスエット」ですよね?でもこのポカリスエット、ボブ・グリーンさんがコラムに書いてたところによると、どうも「ポカリ汗」としか訳せないらしく(笑)ボブさんが日本にいらっしゃった時、ホテルでポカリスエットを飲んでから、「ポカリ汗」って書いてあるのに気づき……ブーッ!!と吹きだしたことがあったとか(^^;)以下は、そこからの妄想。。。)


 バーバラ:「(まったくもう、セカンドセットのタイブレークは最悪だったわ。どんなに引き離そうとしても、ヒロミときたらしつこく喰い下がってきて……そうよ。あれはまさしく日本の納豆を思わせる、ネバネバ☆としつこい、嫌なプレイだったわ)」

(ここで、ゲータレードをごくごく☆と飲みほすモアちゃん)

 バーバラ:「(ふーう。あとはバナナでも少し食べておこうかしらね……)」

 ヒロミ:「ぷはーっ!!(^o^)」(と、ポカリスエットをごきゅごゅ☆飲みほす)

 バーバラ:「……………ッ!!(「ポカリ汗」ですって!?ヒロミ、あなた一体何を飲んでるの!?ポカリ汗……お、おそろしい。納豆といいポカリ汗といい、日本人の食生活はまったく理解できないわっ!!)」

 ヒロミ:「(ああ、美味しいな、ポカリスエット♪(^^)バーバラはなんであんなゲータレードなんていう、まずいものをわざわざ飲むのかしら?あ、今度はバナナ食べてる……あたしも腹ごしらえに一本食べとこっと。もぐもぐ)」

 ――では、そんな感じで、ここから第3セットですm(_ _)m



       Grand Stroke-14-

          Side:ひろみ

『あの、あたし……前からひとつ、コーチにお聞きしたかったことがあって』

『なんだ?』

 眠ろうにも眠られず、かといって相手も起きているとわかっているだけに、あたしはなんとなく間をもたせるために、宗方コーチにそう切りだした。

『えっと、コーチがあたしを通して目指しているのは、真に男性的なテニスだっていうことは、随分昔にお聞きしました。でもそれでいったらたぶん、コーチの理想って、バーバラがもっとも近いんじゃないかって、そんな気がして……』

 あたしはコーチの胸に顔を寄せながら、彼が本当は煙草に手を伸ばしたいだろうことに、気づいていた。けれど、何故そうしないのかも、よくわかっているつもりだった。

『岡、おまえはすぐにそれだな。誰それと比較して自分はどうだとか、あの人はこうなのに、自分はどうだとか。何故そんなに自分に対して、自信が持てないんだ?』

『……………』

 あたしは黙りこくった。宗方コーチに抱かれてみても、やっぱり自信なんて持てないままだった。むしろ相手に本当に気に入られたのかどうか、そのことのほうが気になって仕方がない。

『おまえの体は俺が作ったも同然だ。そのことを誇りに思え。バーバラ・モアランドに関して言えば、彼女は素晴らしいテニス・プレイヤーではあるが、面白味がない。日本の目ダヌキのほうが、まだしも愛嬌があって可愛い――おまえは自分で、そうは思わないのか?』

『目ダヌキは余計です、コーチっ!!あ、あの……それとコーチ、ひとつお願いが……』

『なんだ?』

『プライヴェートでは岡って呼ぶの、もうやめてくださいね。テニスのコーチをなさってる時は、岡でいいですけど。あたしも、その、コーチのことはコーチじゃなくって、なんていうか……』

『公私の公と私を、名前で分けろっていうことか?俺もこんな時にまでコーチと呼ばれ続けたのでは敵わんからな。おまえの好きなようにするといい。それより、今日はもういいかげんに寝ろ。わかったか?』

『はい、コーチ……じゃなくて、仁』


(――こんな時に一体、あたしも何を思いだしてるんだろう)

 セカンドセットが終わったあと、休憩中にそんなことをふと思い、あたしはまたも新しいラケットを手にして、コートへ向かっていた。

 今はもう、女であることを越えろとか、そんなことは何も思わない。

 いや、思う必要がなくなったというべきだろうか。セカンドセットのタイブレークは極めて苦しい戦いだった。バーバラもまた、第3セットは頭を切り換えて、またも同じ強気な攻勢で一気に試合のカタをつけようとしてくるだろう。自分はこんなところで煩わされるわけにはいかない、とばかりに……。

 第3セットの第1ゲーム――モアランドがサービスキープ。

 続く第2ゲーム、辛うじてあたしは自身のサービスを死守した。

 そう、試合の流れはセカンドセットのタイブレークを引きずる泥沼の様相を呈しており、第12ゲームまで、互いに互いのサービスを譲ることは、どちらもなかった。

 こうしてサード・セットもまたタイブレークへと流れこみ……この時点で試合時間は軽く二時間四十五分を越えていた。

 コートチェンジしたのち、センターコートでは風が出、空模様が薄曇りとなって、次第に雨の気配が漂ってきた。芝のコートを覆うため、カバーパーソンたちが脇で控えはじめるようになる。

 雨が降れば当然、試合は中断となるけれど――あたしは今、自分を捉えている特殊な感覚が、それではどこかへ行ってしまいそうな気がして、天に向かって祈るような気持ちでいた。どうか雨よ、この試合が終わるまでは決して降らないで、と。

 今自分を訪れている不思議な力、奇跡の感覚が失われたらとしたら、あたしはもしかしたら、バーバラのサーブを打ち返すことが出来なくなるかもしれない。そのことがあたしにはよくわかっている。

 もちろん、雨で中断になれば、疲れた足も上がった息も、整え直すことができるのは確かだ。でも、今のバーバラにそれをさせたら、むしろ向こうが優位になるだけだった。彼女のほうでも疲れを見せている今だからこそ……あたしの側につけいる隙が生まれているのだから。

 以前戦った時、バーバラはふたり分の選手であるように、あたしには感じられていた。スタミナもパワーも強い精神力も何もかも――ふたり分の選手が自分の前に立ちはだかっているようだと感じた。

 でも今日は違う。彼女は間違いなくひとりであり、むしろ自分の中にこそあたしは今、<ふたり分の力>を感じはじめていた。

(コーチ!あたしは、こんなにもコーチの教えどおりに動けたことは、もしかしたらこれが初めてかもしれません……!!)
 
 タイブレーク、5-4。次はバーバラのサービスという段階で、あたしは彼女の第一サーブの予測を立てた。いや、予測を立てる前に体が勝手に動いたというべきだろうか。

(センター!!)

 おそろしく速いはずの球が、はっきりと目に見え、あたしは視界に捉えたそれを、なるべく理想的なラケット面によりレシーブした。セカンドセットの時のような、とにかくなんでもいいから力まかせに返すボールではなく――今度は、向こうのリターンまで予測が立てられる。

 疲れと焦り、また少し出てきた風のせいもあるのだろう、バーバラはファーストサーブをフォルトしがちになっている。これは本当にチャンスだった。

 長いラリーに持ちこめば、ファーストセットの時とは違い、あたしのほうが優位になりつつある……先ほどまでは重かった足が、今は何故か魔法のように軽くなっていることに気づいて、あたしは嬉しくなった。

 そう――口ではうまく説明できない、あの快楽の一点がやって来たのだ。

 こういう精神的集中の時には、色々なことがうまくいくということを、あたしは体の感覚で知っている。ある意味それは、宗方コーチに教えこまれた体の感覚、といって良かったかもしれない。

 タイブレーク、5-5。

 それでももちろん、苦しい戦いであることには変わりない。バーバラはおそらくこう思っているだろう、早くこんな泥試合にケリをつけてしまいたいと。

 けれど、あたしは違った。このままずっと、彼女を相手に――ううん、テニスそのものを相手にして、永遠に打ち合えるような気さえする。

 こんな奇跡的な気持ちになれることは、そう滅多にない。

 あたしは、バーバラのファースト・サーブを打ち返しながら、自分でも少し驚いた。明らかに球威が落ちていると思ったのに、電光掲示板には120マイル、192kmと表示されている。

(いける……!!)

 あたしは、とにかくひたすらに(雨よ、降らないで!!)と、祈るような気持ちで、バーバラからの球を返球し続けた。

 タイブレーク、6-6。

 ここが、あたしにとって一番の我慢のしどころといってもいい。

 死にもの狂いの猛獣のように襲いかかってくるバーバラのボールを、一つ一つどうにか殺すことで、あたしは自身のサービスをキープした。

 そしてやがて試合は、マッチポイントの局面を迎えることになる。

 アドバンテージを取られ、取り返し、ジュースが繰り返される中――二十数回目のラリーとなるあたしの打った球を、バーバラがネットに引っ掛けた。

 ネット上、ボールが三十センチほど跳ね上がり、それが審判から見て、右へ落ちるか左へ落ちるかで、試合の勝敗が決まるというまさにその瞬間……。

 もう一度、ネットの上部に当たった球は、ビシッという音ともに、バーバラの側へ落ちた。

「マッチウォンバイ、ヒロミ・オカ!!」

 ワッと、喝采が観客席中から上がる中――あたしが見ていたのはただ、自分側の観客席にいる、ただひとりの人のことだけだった。

 宗方コーチが、今まで見たこともないような優しく深い眼差しであたしのことを見ていることがわかる。

(ああ、愛している、愛している、愛している……!!)

 あたしはテニスを、人生を、宗方コーチのことを愛していると感じながら、大喝采といってもいいセンターコートを、最愛の人に向かって急いで戻りはじめた。

 もちろん、サインしたりとか、インタビューを受けたりといったことがあるので、宗方コーチとゆっくり話せるのはそのあとということにはなるだろう。

 そしてこのバーバラ・モアランドとの対戦は、あたしにとっては事実上の決勝戦にも近いような戦いであり――ベスト8に残ったあとは、イタリアのミラ・フェレイラ、ベルギーのアニエス・イザイといった選手を打ち破り、決勝戦では、イギリスの天才少女プレイヤー、クリスティン・エバハートと対決することになった。

 スコアは、6-4、6-3という、あたしのストレート勝ちだった。

 こうして、生涯二度目のウィンブルドンで、あたしは優勝杯のローズウォーターディッシュを、観客席にいる宗方コーチに向けて高々と掲げることが出来た。

 思えばこのウィンブルドンの会期中、あたしは本当に泣いてばかりだったと思う。そして何より、あたしがバーバラに打ち勝って以降、何がなんでも勝たねばならないと思えたのは――あの時の、愕然とコートに屑折れた彼女の姿が忘れられないせいでもあった。

 かつて、宗方コーチが『負けた者、勝者に踏まれる者の痛みを思え』とおっしゃったとおり、あたしはその痛みを思い、自分は彼女のかわりに勝ち上がっていく必要があると、そんなふうに思ってもいたのだ。

 なんにしても、本当に優勝できるだなんて、思ってもみなかっただけに……あたしは日本へ帰ってからも、自分が本当にウィンブルドンでそのような偉業を成し遂げたのだとは、到底信じられないような思いに、よく見舞われたものだった。

 そして宗方コーチの家にある、ローズウォーターディッシュを眺める時だけ、「やっぱりあれは本当のことだったんだ」と、不思議な気持ちで思い返すのだった。



 >>続く。。。





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