平成29年は、例年より1秒長い幕開けとなる。日本の標準時を管理する国立研究開発法人「情報通信研究機構」(東京都小金井市)は元日の1日、標準時と地球の自転による時間のずれを調整するため、午前8時59分59秒と午前9時0分0秒との間に、「8時59分60秒」の「うるう秒」を挿入する。過去にはシステム障害が起こった例もあり、企業などでは警戒する動きもある。(篠原那美)
1日の長さが24時間1秒になる「うるう秒」の挿入は世界同時に実施される。昭和47年の導入以来、今回で27回目。日本時間では元日か7月1日に実施されており、元日の挿入は平成21年以来8年ぶりとなる。
なぜ「うるう秒」が必要なのか。時刻はかつて、地球が1回自転するのを1日(24時間)とする「天文時」が使われていた。しかし、地球の自転は厳密には一定ではないため、現在は原子の持つ固有の周波数を基に時間を厳密に定義する「原子時」を使用。その結果、天文時との間にわずかなずれが生じてしまう。
このずれが0・9秒以上にならないために、数年に1度、世界同時に「うるう秒」を入れることで自転とのずれを解消している。
たった1秒の「うるう秒」だがコンピューターによる自動制御が普及した現代社会では、大きな影響をもたらすことがある。気象庁は「うるう秒」により地震波の観測データに乱れが生じ、システムが地震と誤認する恐れがあるとして、東海沖から熊野灘にかけて設置されている7観測点の海底地震計のデータ利用を午前9時前後に一時停止する。
都内のIT会社で働くシステムエンジニアの男性(53)は「プログラムを最新のものに更新するなど事前に対策を講じているが、何が起きるか分からず、元日なのに、気が休まらないだろう」と話す。
一方、情報通信研究機構にある時計の電光掲示には毎回「8時59分60秒」が表示され、多くの子供たちが見学に訪れる。1日も観覧スペースを設け、説明会を開催する。一般の時計では見られない「60秒」の表示だが、同機構に近いJR武蔵小金井駅に、町おこしの目的で設置されたデジタル時計でも見られるという。
同機構の担当者は「ホームページでもうるう秒について詳しく紹介しており、元日は家族で学んでみては」と呼びかけている。
引用:ヤフーニュース:産経新聞 新年幕開け1秒長く 元日にうるう秒、8年ぶり
1日の長さが24時間1秒になる「うるう秒」の挿入は世界同時に実施される。昭和47年の導入以来、今回で27回目。日本時間では元日か7月1日に実施されており、元日の挿入は平成21年以来8年ぶりとなる。
なぜ「うるう秒」が必要なのか。時刻はかつて、地球が1回自転するのを1日(24時間)とする「天文時」が使われていた。しかし、地球の自転は厳密には一定ではないため、現在は原子の持つ固有の周波数を基に時間を厳密に定義する「原子時」を使用。その結果、天文時との間にわずかなずれが生じてしまう。
このずれが0・9秒以上にならないために、数年に1度、世界同時に「うるう秒」を入れることで自転とのずれを解消している。
たった1秒の「うるう秒」だがコンピューターによる自動制御が普及した現代社会では、大きな影響をもたらすことがある。気象庁は「うるう秒」により地震波の観測データに乱れが生じ、システムが地震と誤認する恐れがあるとして、東海沖から熊野灘にかけて設置されている7観測点の海底地震計のデータ利用を午前9時前後に一時停止する。
都内のIT会社で働くシステムエンジニアの男性(53)は「プログラムを最新のものに更新するなど事前に対策を講じているが、何が起きるか分からず、元日なのに、気が休まらないだろう」と話す。
一方、情報通信研究機構にある時計の電光掲示には毎回「8時59分60秒」が表示され、多くの子供たちが見学に訪れる。1日も観覧スペースを設け、説明会を開催する。一般の時計では見られない「60秒」の表示だが、同機構に近いJR武蔵小金井駅に、町おこしの目的で設置されたデジタル時計でも見られるという。
同機構の担当者は「ホームページでもうるう秒について詳しく紹介しており、元日は家族で学んでみては」と呼びかけている。
引用:ヤフーニュース:産経新聞 新年幕開け1秒長く 元日にうるう秒、8年ぶり