
1/28(Sat)カイロ→ルクソール終日
~山を越え、川を越え、自転車大活躍!!~
朝6時過ぎに目が覚め、ルクソールが近くなると、乗客がソワソワしてくる。
一晩のうちに、席の後ろ側にあるトイレがかなり激しく汚されたようで、Yさんが面白半分で見に行き、大笑いして帰ってきた。エジプトでも中国でもマナーという言葉は存在しないらしい。
7時すぎにルクソール着。アナウンスもよく分からないし、降りるべき駅なのか、そうでないのか、まったく分からず他の乗客に促されて降りる。
4年前の地球の歩き方にあったAngloという駅前のホテルに行くも、満室かつこのホテルはかなり暗かった。すぐ近くに Luxour Guest House という韓国国旗の見える
ホテルに行ってみる。
ここは、若い韓国人オーナーがやっていてキレイ。宿泊客の9割は韓国人のようだった。ドミトリーがUS$5、シングル$15、ツイン$25、トリプル$35で、lionはドミトリーに。
一緒に来たダブルYさんカップルは、二人でシングルで泊まりたいとごねて、しかしツインしか空いていないらしく、高いので他のホテルも見るという(彼らは昼までホテル探しをして、結局おれが泊まるホテルに戻ってきた)。
おれは一日$5なら悪くないと思い、即決。カップルに先に行くと言い残して、ホテルの近くで自転車2日間EP£20で借りる。ルクソールの移動は自転車に限る。ただ、借りる時に壊れていないかチェックするといい。あとで、「ここが壊れている」とケチをつける輩が結構多い。
ルクソールの見所は川を挟んで西岸と東岸に分かれている。西岸が駅のある側で、ルクソール神殿、カルナック神殿があり、東岸には王家の谷、ハトシェプスト神殿など、やはり見所の多さは東岸になる。

西岸から東岸を臨む。ここには様々なクルーズ船が泊まっている。
まず自転車を漕いで、そのまま西岸のフェリー乗り場を目指す。一番安く対岸に渡るためには Local Ferryに乗ることになる。ルクソール神殿近くの川辺にはたくさんの観光フェリーやら客船があり、乗り場が分かりづらい。
そのため、人(客引き)に聞くが、「これだ」「Local ferryは潰れて、もうない」[そんなものはない、これに乗れ」と皆言うことが違う。右も左も分からない、相場の分からない旅行客を騙して高額料金を請求する、中国を彷彿とさせる悪党が非常に多い。残念だが、エジプトの観光地にいるエジプト人は、今まで旅行してきた国の中でも最悪だった。
こういう連中に Fuckの中指をくれてやり、たまたますれ違った警察に聞くと、Local Ferryをすぐ教えてくれた。Localというくらいだから、市民の足となっていて、ほとんどが現地の人だ。料金も往復で2EP£で、自転車の料金は取られない。たまに悪い輩がいて、ここで騙されて自転車料金を請求されていた人もいる模様。
乗船時間は5分ほどしかなく、対岸に着くと、そこからはひたすら道なりに自転車を漕ぐ。すると、右手に「メムノンの巨像」と言われる巨大な石像が二つ現れ、いきなり面食らう。
メムノン像を後にして、少し進むと左側に小屋が見えてくる。うっかりしていると何なのかわからないくらいショボい建物だ。これがチケットを売っているところ。一般と学生とブースが違うので注意。学生は半額。遺跡もたくさん見るわけだから、学生証がないと、当然多額の出費となる。

料金表。小屋には一般用と学生用の2つの窓口がある。
ここで、あらかじめ行きたい遺跡のチケットを購入する。王家の谷などは現地でチケットが買えたが、他はチケット売り場がなかった気がする。とにかく行きたい場所のチケットをここで買っておく。チケットの表に書いてある場所と違う場所にも、そのチケットを使い、入ることができた。
ここからハトシェプスト神殿までは4kmとのことで、少し登り坂だが、あっという間に着いてしまう。途中ショートカットして、舗装した道を外れて行くと、道が予想以上に荒れていて、自転車がパンクしないか心配だった。とにかく日差しが強い。そしてそれを遮る場所がまるでない。
ガイドブックによると、ハトシェプスト神殿脇の山を登り、神殿裏を抜けて王家の谷に行く方法があるらしい。時間的にも体力的にも余裕があるので決行する。登り始めは傾斜が結構きつく、これが続くんだったらいつ王家の谷に着けるか心配になる。一瞬、南アフリカでテーブルマウンテンを登った時のことを思い出した。
先客の羊の群れがlionを避けるように上に登っていく。始めは険しかったが、割とすんなり登ることができた。斜面から見る神殿はなかなか絵になり、ちょうど神殿の真上まで登ると、柵が壊れているため、一歩踏み外せば下に落ちて死ぬというところまで簡単にいけてしまう。

ハトシェプシュト神殿横の上り坂から神殿を臨む。

先客の羊の群れ。
ここからの景色もこれまた絶景で、ナイル川とナイル川を中心にして広がる緑地を一望できる。同時に王家の谷も見ることができるが、正直ここからだと、何があるのか良く分からない。
ここまでくれば、王家の谷は20分くらいでいける。どこから王家の谷に降りられるのか、少し悩んだが、大きく山を回りながら降りていく。熱心なことに、ほとんど人が通らないこの山道にも、ジュースを売っている人がいた。

眼下に神殿が!!落ちたら死ぬで。

神殿の裏から西を臨む。景色がすごくいい。

神殿の上から王家の谷が見渡す。
「山越え」の欠点が一つだけある。
王家の谷は通常の入り口にチケットブースがあり、そこから遺跡までは長~い登り坂。山越えをしてくると、そのプロセスをスキップして、坂をほぼ登り切ったところに出てしまうのだ。
つまり、王家の谷の墓を見るためには、一度坂を下りて、チケットを買い、また長い坂を登って来なくてはならないのだ…(もちろん裏技もあるが)。うまくチケットを買わず、遺跡群に入り込んだと思ったのに…。この仕組みを知ったのは遺跡群に入った後だった。

墓は地下にあるため、入口から下に階段で下っていく。
王家の谷の観光方法は、まず入り口で共通チケットを買うのだが、このチケットで任意の3つの墓を見ることができる。王家の谷には数十の墓があり、公開されているのは十数箇所だ。
もし3箇所以上見たければ、チケットを複数枚買わなければならない。遺跡群に行ってからは買い増しできないからだ。チケットは一人30EP£。
いや、チケットを買いに行くのは面倒くさい。または任意の3箇所以上みたい、しかしもうチケットは使い切ってしまった…という場合にも方法はある。
それは「ワイロ」である。
lionは3箇所だけ見られるというのを知らなくて、次々と墓に入ってしまったため、すぐに3箇所を使い切ってしまった。なので、ワイロという手段を思いついた。
墓の入口で、係員に10EP£を渡すと、彼らはあたりを見回し「シークレット、オーケー」といい、少し渋い顔をするがすんなり受け取った。内心嬉しいに違いない。彼らはおそらく観光客からのバクシーシ、チップなどを堅く禁じられていて、見つかると処罰されるのだろう。
ただ、ツタンカーメンの墓を見たいというなら、共通チケットは必ず買わなくてはいけない。なぜなら、坂の下の入口で買った共通チケットを持って、ゲートまで登り、そこでツタンカーメンの墓のチケットを買わなくてはならないからだ。
ちなみにツタンカーメンの墓はそれほど大したことはない。

ツタンカーメンの墓の入口。この数日後、ツタンカーメンの墓の近くから新たな墓が発見された。
それはさておき、墓の中はどれも素晴らしい。墓は入口から長い通路を下り、一番奥にある石棺を目指す。その途中の壁にすばらしいレリーフが見える。
日本で数多くのエジプト展を見てきたが、それがすべて消し去ってしまうような規模だ。これを日本に輸出して展示なんてことは到底無理だし、これこそ現地に行く醍醐味だと実感した。
さて、このあたりからlionに災難が襲い掛かる…。
(※写真…ルクソール。メムノンの巨像。とにかくデカイ/Jan 2006)
~山を越え、川を越え、自転車大活躍!!~
朝6時過ぎに目が覚め、ルクソールが近くなると、乗客がソワソワしてくる。
一晩のうちに、席の後ろ側にあるトイレがかなり激しく汚されたようで、Yさんが面白半分で見に行き、大笑いして帰ってきた。エジプトでも中国でもマナーという言葉は存在しないらしい。
7時すぎにルクソール着。アナウンスもよく分からないし、降りるべき駅なのか、そうでないのか、まったく分からず他の乗客に促されて降りる。
4年前の地球の歩き方にあったAngloという駅前のホテルに行くも、満室かつこのホテルはかなり暗かった。すぐ近くに Luxour Guest House という韓国国旗の見える
ホテルに行ってみる。
ここは、若い韓国人オーナーがやっていてキレイ。宿泊客の9割は韓国人のようだった。ドミトリーがUS$5、シングル$15、ツイン$25、トリプル$35で、lionはドミトリーに。
一緒に来たダブルYさんカップルは、二人でシングルで泊まりたいとごねて、しかしツインしか空いていないらしく、高いので他のホテルも見るという(彼らは昼までホテル探しをして、結局おれが泊まるホテルに戻ってきた)。
おれは一日$5なら悪くないと思い、即決。カップルに先に行くと言い残して、ホテルの近くで自転車2日間EP£20で借りる。ルクソールの移動は自転車に限る。ただ、借りる時に壊れていないかチェックするといい。あとで、「ここが壊れている」とケチをつける輩が結構多い。
ルクソールの見所は川を挟んで西岸と東岸に分かれている。西岸が駅のある側で、ルクソール神殿、カルナック神殿があり、東岸には王家の谷、ハトシェプスト神殿など、やはり見所の多さは東岸になる。

西岸から東岸を臨む。ここには様々なクルーズ船が泊まっている。
まず自転車を漕いで、そのまま西岸のフェリー乗り場を目指す。一番安く対岸に渡るためには Local Ferryに乗ることになる。ルクソール神殿近くの川辺にはたくさんの観光フェリーやら客船があり、乗り場が分かりづらい。
そのため、人(客引き)に聞くが、「これだ」「Local ferryは潰れて、もうない」[そんなものはない、これに乗れ」と皆言うことが違う。右も左も分からない、相場の分からない旅行客を騙して高額料金を請求する、中国を彷彿とさせる悪党が非常に多い。残念だが、エジプトの観光地にいるエジプト人は、今まで旅行してきた国の中でも最悪だった。
こういう連中に Fuckの中指をくれてやり、たまたますれ違った警察に聞くと、Local Ferryをすぐ教えてくれた。Localというくらいだから、市民の足となっていて、ほとんどが現地の人だ。料金も往復で2EP£で、自転車の料金は取られない。たまに悪い輩がいて、ここで騙されて自転車料金を請求されていた人もいる模様。
乗船時間は5分ほどしかなく、対岸に着くと、そこからはひたすら道なりに自転車を漕ぐ。すると、右手に「メムノンの巨像」と言われる巨大な石像が二つ現れ、いきなり面食らう。
メムノン像を後にして、少し進むと左側に小屋が見えてくる。うっかりしていると何なのかわからないくらいショボい建物だ。これがチケットを売っているところ。一般と学生とブースが違うので注意。学生は半額。遺跡もたくさん見るわけだから、学生証がないと、当然多額の出費となる。

料金表。小屋には一般用と学生用の2つの窓口がある。
ここで、あらかじめ行きたい遺跡のチケットを購入する。王家の谷などは現地でチケットが買えたが、他はチケット売り場がなかった気がする。とにかく行きたい場所のチケットをここで買っておく。チケットの表に書いてある場所と違う場所にも、そのチケットを使い、入ることができた。
ここからハトシェプスト神殿までは4kmとのことで、少し登り坂だが、あっという間に着いてしまう。途中ショートカットして、舗装した道を外れて行くと、道が予想以上に荒れていて、自転車がパンクしないか心配だった。とにかく日差しが強い。そしてそれを遮る場所がまるでない。
ガイドブックによると、ハトシェプスト神殿脇の山を登り、神殿裏を抜けて王家の谷に行く方法があるらしい。時間的にも体力的にも余裕があるので決行する。登り始めは傾斜が結構きつく、これが続くんだったらいつ王家の谷に着けるか心配になる。一瞬、南アフリカでテーブルマウンテンを登った時のことを思い出した。
先客の羊の群れがlionを避けるように上に登っていく。始めは険しかったが、割とすんなり登ることができた。斜面から見る神殿はなかなか絵になり、ちょうど神殿の真上まで登ると、柵が壊れているため、一歩踏み外せば下に落ちて死ぬというところまで簡単にいけてしまう。

ハトシェプシュト神殿横の上り坂から神殿を臨む。

先客の羊の群れ。
ここからの景色もこれまた絶景で、ナイル川とナイル川を中心にして広がる緑地を一望できる。同時に王家の谷も見ることができるが、正直ここからだと、何があるのか良く分からない。
ここまでくれば、王家の谷は20分くらいでいける。どこから王家の谷に降りられるのか、少し悩んだが、大きく山を回りながら降りていく。熱心なことに、ほとんど人が通らないこの山道にも、ジュースを売っている人がいた。

眼下に神殿が!!落ちたら死ぬで。

神殿の裏から西を臨む。景色がすごくいい。

神殿の上から王家の谷が見渡す。
「山越え」の欠点が一つだけある。
王家の谷は通常の入り口にチケットブースがあり、そこから遺跡までは長~い登り坂。山越えをしてくると、そのプロセスをスキップして、坂をほぼ登り切ったところに出てしまうのだ。
つまり、王家の谷の墓を見るためには、一度坂を下りて、チケットを買い、また長い坂を登って来なくてはならないのだ…(もちろん裏技もあるが)。うまくチケットを買わず、遺跡群に入り込んだと思ったのに…。この仕組みを知ったのは遺跡群に入った後だった。

墓は地下にあるため、入口から下に階段で下っていく。
王家の谷の観光方法は、まず入り口で共通チケットを買うのだが、このチケットで任意の3つの墓を見ることができる。王家の谷には数十の墓があり、公開されているのは十数箇所だ。
もし3箇所以上見たければ、チケットを複数枚買わなければならない。遺跡群に行ってからは買い増しできないからだ。チケットは一人30EP£。
いや、チケットを買いに行くのは面倒くさい。または任意の3箇所以上みたい、しかしもうチケットは使い切ってしまった…という場合にも方法はある。
それは「ワイロ」である。
lionは3箇所だけ見られるというのを知らなくて、次々と墓に入ってしまったため、すぐに3箇所を使い切ってしまった。なので、ワイロという手段を思いついた。
墓の入口で、係員に10EP£を渡すと、彼らはあたりを見回し「シークレット、オーケー」といい、少し渋い顔をするがすんなり受け取った。内心嬉しいに違いない。彼らはおそらく観光客からのバクシーシ、チップなどを堅く禁じられていて、見つかると処罰されるのだろう。
ただ、ツタンカーメンの墓を見たいというなら、共通チケットは必ず買わなくてはいけない。なぜなら、坂の下の入口で買った共通チケットを持って、ゲートまで登り、そこでツタンカーメンの墓のチケットを買わなくてはならないからだ。
ちなみにツタンカーメンの墓はそれほど大したことはない。

ツタンカーメンの墓の入口。この数日後、ツタンカーメンの墓の近くから新たな墓が発見された。
それはさておき、墓の中はどれも素晴らしい。墓は入口から長い通路を下り、一番奥にある石棺を目指す。その途中の壁にすばらしいレリーフが見える。
日本で数多くのエジプト展を見てきたが、それがすべて消し去ってしまうような規模だ。これを日本に輸出して展示なんてことは到底無理だし、これこそ現地に行く醍醐味だと実感した。
さて、このあたりからlionに災難が襲い掛かる…。
(※写真…ルクソール。メムノンの巨像。とにかくデカイ/Jan 2006)