城壁の街で : At The Walled City Blog

カナダ・ケベックシティ在住、ラヴァル大学院生の生活雑記
Université Laval, Québec City

クラインの壷

2006-04-17 | 雑記
イースターであるが、することも無いので、この間の帰国時に日本から持ってきていた岡嶋二人の「あした天気にしておくれ」を一日で一気に読み上げた。


岡嶋二人は高校生の頃に著作のほぼ全てを読んだ覚えがある。古本屋で文庫を買ったり、図書館で借りたり・・・・、情報を得られる限り全ての作品を読んだ。いわゆる「ハマっていた」のである。


僕が高校生だったのは1993-1996年で、丁度岡嶋二人が「クラインの壷」を最後に解散したすこし後で、最後の方の著作が文庫として世にで出した頃だ。その頃に、貪るように読んでいたのだ。
当時、自分にとって読書といえば「岡嶋二人」か「宮部みゆき」であった(若かったな)。

大学以降は、何を勘違いしたか純文学の方に傾いてしまって、「岡嶋二人」やら「みやべみゆき」といった、「大衆向けミステリー」を読むようなことはな くなってしまっていて、最近まであまり気にかけることはなくなっていた。いまだバリバリの現役である「宮部みゆき」を読むことすらなくなっていたのだ。

それが、ついこのあいだ「この文庫がすごい2005」で岡嶋二人の「99%の誘拐」がベストテンに選ばれているのを発見して、「また、読んでみたいな」と思っていたので、実家に帰った折に押入れの奥から引っ張り出して、遠いカナダまで持ってきたのである。

それにしても、なぜ今ごろ(2005年)になって、岡嶋二人がランクインするのか不思議で仕方が無い・・・・・・・・ 誰か、出版業界にファンがいて「このまま風化させるのはもったいない」とかいう理由で仕掛けてみたんだろうか?

まぁ、それは別にいい・・・


とりあえず、読んでみて思ったのは


「こいつら、やっぱスゲエわ」


ということだ。大分とくたびれた28のおっさんが、ほぼ休憩を取ることなく5,6時間ぶっとおしで読んでしまえたのだから、よっぽど面白かったのだと言え るだろう。伏線の張りかた、読者を飽きさせない展開の巧妙さ・・・・、何処にも隙が無い。押入れの中で何冊か発見した中で、「トリックとオチを覚えていな い物」を選んだ甲斐があった。


いやぁ、楽しませてもらった。


また今度日本に帰ったときは「クリスマス・イヴ(確か猟奇殺人モノ)」と「クラインの壷(代表作)」を手に入れて読もうかと思う。別に得るものは無いけれど、気晴らしには丁度いいな。

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