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奥田百合子オフィシャルブログ

⑤まとめ

2017-06-10 19:07:00 | フォーカル・ジストニア
※2020年7月更新



【⑤まとめ】

【①フォーカル・ジストニアとは】
【②どんな症状か】
【③発症の原因は何か】
【④治療方法】
と、項目別に書いてみましたが、
私なりの感想と意見をまとめていきたいと思います。



私はフォーカル・ジストニアを発症して
闘病を続けてきたのが4年ちょっとになりますが、
この年数が長いと思う人も、
短いと思う人もそれぞれだと思います。



この病気の患者さんには、
もっと短い期間で克服した人もいれば、
10年以上に渡り症状とうまく付き合っている人もいます。



皆それぞれ
自分なりに対処法を模索して、断念してを繰り返しているのだと察します。


また、悩みを解放するだけでも心が軽くなるし、
現状どうしたらいいかわからない、
話だけでも聞いてほしいなどご連絡ください。


フォーカルジストニアは当事者本人よりも、
ご家族、周囲の方々の方が心配されてどうしていいかわからない気持ちになることが多く感じます。
ご本人じゃなくても全然お気軽にお問い合わせくださいませ。


私は、“症状の克服はもう不可能なのでは”と
半分諦めていた時期がありながらも、
様々なアプローチを試しながら結果的に外科的手術に臨みました。


出来るだけリスクは避けたいという思いもあったり、
外科手術以外の方法でなんとか克服できないものかともがいていましたが、
どのアプローチも結局自分に合わず断念してきました。



そして、
“最後の砦”といった感じで
外科手術の必要性が改めて浮上してきました。



結果、
平先生チームの手術を受けてよかったと心から思います。

手術自体はここでは語りつくせない程、
ものすごい体験
でしたが、
本当に本当に外科手術に踏み切って、全く後悔していません。



手術を受けて改めて、
「手術がゴールではない」と実感しました。



―手術で全てが元通り―― なんてそんな魔法のようなことはなくて、
やはりフォーカル・ジストニアを何もなかったことには出来ません。


例えるならば、
今まで自分の蓄えてきた技術に
フォーカル・ジストニアという症状が複雑に絡み合っていて、

手術ではそういった蓄えてきた技術もろとも“0に戻す”様な感覚で、
実際は手術によって発症前の指の動かし方に戻るわけではなく、
一度リセットした状態で、
新たに別の指の動きを再構築していくということが
このフォーカル・ジストニアの完全なる克服だと感じました。



これからのリハビリでは、
昔同様の指の動かし方でまた同じ道を作らないためにも、
指よりも大きな筋肉である手首の力も利用しながら、
別角度から指を動かすように一から練習を重ねています。



実際に手術をせずに、
別の道を作れるにこしたことはないですが、
私の場合は症状が真っ先に邪魔をしてそれがとてもじゃないけど困難でした。


そのため、
まずは手術で症状自体を取り除いてからでないと、
このリハビリ方法は不可能だったと実感しています。



平先生のお話では、
治療不可能といわれてきた、
口に症状が出てしまう〈アンブシュア・ジストニア〉に対しても
最近、同手術で効果を上げているとのことで、
フォーカル・ジストニアの様々な症状に対しての
外科的手術の治療法はどんどん広がっています。



まだまだ謎の多い疾患ですが、
研究もどんどん進んでいて、
昔に比べると克服可能な疾患になってきていると思います。


私のフォーカル・ジストニア人生も
完全なる克服まではまだ先ですが、これからが本当の意味の再スタートだと思います。


さてと、がんばるぞ!!




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もっと詳しく知りたい方や、
同じくフォーカル・ジストニアを抱えて悩んでいる方、
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④治療方法

2017-06-10 18:34:00 | フォーカル・ジストニア
※2020年7月更新



【④治療方法】

【③発症の原因は何か】
に続いて、
治療方法について個人的にわかる範囲で書いていき
ます。

フォーカル・ジストニアの治療で
即効性があるものは現時点で基本的にはないとされています。


また、
すぐに効果として現れないため、
様々な治療法の中から自分に合う治療法を選び、
判断することにも時間がかかります。


どの治療法も年単位の改善を考慮し、
患者も治療者も根気をもって治療に取り組む必要があります。


今現在行われているいくつかの治療法を、
自身の経験も踏まえ、私なりに以下に治療法別でまとめてみました。


※あくまで個人的主観と感想ですので、全ての人に同じ効果があるとは限りません。
 また、これらを強要するためにのせているわけではないことご了承くださいませ。





■内服薬■ ※経験あり

・芍薬甘草湯・・・筋肉の緊張を和らげる漢方
・メキシチール・・・自律神経に作用する薬
・アーテン・・・筋肉の不随運動に効く唯一の薬
・マイスリー・・・入眠剤(アーテンと同時服用)
 ※私が処方され実際に服用した薬で、用法はお医者さんに説明されたものです。
 ※フォーカル・ジストニアの治療に対しての内服薬は他にもあります。

▽メリット
 内服薬ということで、あまり抵抗なく始めやすい。
 手軽。
 内科的治療なので、体に外傷がつかない。
▼デメリット
 人により副作用がひどく出る。
 効果が出るまで時間がかかる。
 効果が弱い(ない)。



■ボツリヌス毒素、筋肉麻酔■ ※筋肉注射のみ経験あり

ボツリヌス毒素・・・ボツリヌス菌を症状部分に直接注射することで、
           脳から送られる命令自体を遮断する作用がある。
筋肉麻酔・・・筋肉に局所麻酔を打ち、筋肉自体の動きを抑制する。

▽メリット
 人によって効果が高い。
▼デメリット
 非永続的であり、定期的に注入する必要がある。
 また増量する必要性がある。
 フォーカル・ジストニアに対しての使用に保険が適用されないため、費用が高額。
 症状の部位や楽器によって全く効果が出ない人もいる。
 症状の根本的解決にはならない。



■マッサージ■ ※経験あり

症状が出ている部位だけでなく、視野を広げ体全体からの原因を探りアプローチする。

▽メリット
 症状のみでなく体全体のバランスが整う。
 自分の癖や体の調子を知ることができる。
▼デメリット
 実費診療が多い。
 音楽家ジストニアの専門的知識がある治療師が少ない。
 一時的な対処療法で、症状の根本的解決にはならない。



■技術再訓練(アレクサンダーテクニーク)■ ※一度のみ経験あり

フォーカル・ジストニアを一種の癖と捉え、
その癖を取り除くのではなく“新しく別の癖をつける”というスタンスで克服するというアプローチ方法。
※この方法の一つとして、アレクサンダーテクニークは有効的である。

▽メリット
 手術や薬などの医療行為を行わず、症状の根本から解決することができる。
▼デメリット
 アプローチ方法は症状や楽器、人によって多種多様なため、自分に合った方法を探し出すことが難しい。
 また、フォーカル・ジストニアと音楽家の専門的な知識を持った治療者が少ない。
 症状とは別の道(癖)を一から再構築するのに年単位の時間と忍耐力が必要。



■鍼治療、電気治療■ ※電気治療のみ経験あり

症状の出ている部位を中心に、筋肉に直接刺激を与え、過緊張してしまった筋肉を緩める。
肩凝り、腰痛などに利用するものと似た治療。

▽メリット
 筋肉の痛みや緊張を緩めることができる。
▼デメリット
 保険がきかず実費診療の場合がある。
 一時的な対処療法で、症状の根本的解決にはならない。
 効果が弱い。



■外科手術■ ※経験済み

症状の根本的原因である脳神経を熱凝固により破壊する
「定位脳手術(定位的高周波凝固手術)」と呼ばれる外科手術。

▽メリット
 一時的な対処療法ではなく、永続的な症状の根本からの改善が期待できる。
▼デメリット
 専門的な手術のため、対応可能な病院と医師が限られている。
 (※2017年時点では、世界中でも日本の一つの病院&チームのみ)
 脳神経を焼く外科手術のため、重篤な後遺症が残る可能性を完全には除去できない。







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③発症の原因は何か

2017-06-10 17:46:00 | フォーカル・ジストニア
※2020年7月更新



【③発症の原因は何か】

【②どんな症状か】に続いて、
発症の原因は一体何かということに触れていきます。


実際には、今現在、発症に至る確固たる原因というものは
理論的には未解明の部分が多いのが現状です。



ざっくりと心理的な要因なども含めて、
何らかの原因で脳神経に異常が発生し、症状が現れる――
といったところが現段階では妥当かなと思います。



初期症状としては、
指がころぶ等の誰もがよくある違和感から始まります。

それを多くの人が“練習不足”だと思い込み、
克服するために更に反復練習を続けていく。



「いつもそうしてきたから」と、
その思い込みと練習には普通、自分では何の疑問も抱きません。



しかし、
そのちょっとした違和感だったものが、
より強く“症状”として表れ始め、
コントロール不能になった段階でようやく異常に気付きます。



それがフォーカル・ジストニアの発症です。



フォーカル・ジストニア患者のほとんどが、
長年にわたり長時間の専門的な練習を蓄積してきた演奏者であること。
※そこにプロアマは関係ありません。


また、自分と周囲を比較し、
自分だけにしかわからない衰えをなんとか克服しようと焦り、
どんどんとドツボにはまっていく。


絶対的な要因とは断言できませんが、
“几帳面” “完璧主義者” “責任感が強い”
といった性格の人が発症する傾向がより高いかなと感じます。



そして、
症状自体がなかなか周囲には理解され難く、
自分と周囲との温度差によって
簡単に相談や公表ができないというのが、
この病気の原因解明にあたって大きな障害になっていると強く思います。






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