総務省主催のイベント、ICT未来フェスタが地元で開催。講座の聴講に借り出されました。
テーマはユビキタスと地域社会。あらためてユビキタス社会の今と今後をきくと面白かったです。様々な面で転換期になるといわれている2007年、人とコンピュータの関わりはどう変わっているのでしょうか。
本来の予定では15時に終了。直帰する?と聞かれたので、それなら続けて記念講演を聴いてきて良いですか?とお願いしたところ、快くOKをもらえました。講義に借り出されてなかったら、時間休を取るか、遅刻するかしてでも滅多にない機会なので聞きに行きたいナ。と思っていたので本当にラッキー
で、記念講演「ハイテクで探るピラミッドの謎」早稲田大学国際教育学術院教授 吉村 作治氏。
内容としては、考古学をICTの利用により科学にしたこと。
それまでは、現場主義でその場にいないと分からないことが多く、考古学の世界では、長年何か異論を唱えようとすると、「キミは発掘現場に居なかったから見てないでしょ?」で片付けられてたそうで、それではダメだと、生の記録を残すようにしたそうです。
なので、吉村先生の発掘現場は全てビデオに納め、DVDのアーカイブ化。
それ以外のデータも全て生データを客観的な状態で残すようにした。
情報処理や、コンピュータ解析によって、データの検証が可能になった。
さらに、ICTを利用することで、出来るだけ非破壊の発掘が行えるようになった。
とのことで、とても興味深かったです。
知らなかったんだけど、吉村先生って工学博士
なんですね。目からウロコ
たまたま自分の学校には解析技術がなかったので、発掘されたものの年代測定や解析を名古屋大や京大にお願いしていたことも客観的視点を持っていると、評価につながったそうです。なるほどねぇ。
日本考古学協会は文学だから、未だに石器捏造事件の影響に呪縛されて立ち直れて居ない。捏造が分かっても、それ以外の客観的データが残っていないから検証のしようもない。師匠の80歳のお祝いにあわせて80万年前まで遡ろうとして、毎年10万年ずつ細工をしていたのだからあれは素晴らしい師弟愛なんです。なんせあそこは「文学」だからそれで良いんですよ。発掘現場から何かを持ち出すと窃盗罪ですが、持ち込んではいけない。埋めてはいけないなんて法はありませんからねぇ。あれだけ騒がれましたが、もちろん逮捕もされてませんよ。むしろ彼は好意でやったことなんですから。と皮肉ってらっしゃいましたが。
全体的に権力者を皮肉る毒舌で笑いを取ってらっしゃいましたが
、その辺のバランスはさすがに先生ですね。心得てらっしゃる。嫌味じゃなく笑える
最後に発掘現場と発掘された品々をスライドで紹介。
考古学の面白さと固定観念に捕らわれない発想を分かりやすく伝えてくださりました。
会場から
「現代のエジプトでは、イスラム教徒が大半だと聞くが、
古代の神々や神殿、ピラミッドをどう捕らえているのか。
日本でのお稲荷さんや神社のように信仰は残っているのか?」
との質問があり、興味深かったです。
吉村さんも、「こういうイベントで今までにこんな質問を貰ったことはない。良い質問です」と感心してらっしゃいましたが、回答としては、「今のエジプト人は、古代人の信仰として見ているのがほとんど。今のエジプト人と古代のエジプト人と別のものだと認識しているようで、古代人の信仰対象だと客観的に見ているようです。もっともワタシはエジプト人ではないので、実際の感情までは分かりませんが。」とのことでした。へえええ。