この本を読む直前まで、中上健次の「枯木灘」「岬」「鳳仙花」を読んでいたのですが、やっぱり関西弁といっても、場所によって違う様で、中上さんの本で書かれていた紀州弁?よりも、この「プリンセス・トヨトミ」の大阪弁の方が、読みやすいというか、つまづかずにすんなりと入って行けて良かったです。
万城目さんの小説では、初めての関西弁です。それまではわざとなのか、舞台は関西なのに標準語でしたから。
で、この「プリンセス・トヨトミ」
正直、途中までだるいなぁ~と思いながら読みました。 捜査員の3人と、中学校での茶子と、女の子になりたい大輔との話の2つのお話が交差しながら進んで行くのですが、「ある5月末日の木曜日、大阪が全停止してしまう」と、最初の頁にあり、その状態に至るのが、分厚い本の4分の3を過ぎた処なんですよ・・・。
1回目は、途中から結構すっとばしながら、最後まで読んじゃいまして・・・。で、なるほど~こういうお話だったんだ?と、解ってから、また2度目はゆっくりちゃんと堪能して読みました。
どうも、この万城目学さんの本って、エッセイの「ザ・万歩計」以外は、「鴨川ホルモー」にしても「鹿男あをによし」にしても、私は、中盤まで読んでいて、だる~い・・って感じがしちゃうんですよ・・・。 でも最後まで読み終わると、面白かったな、って思う。
万城目さんという人となりは、エッセイ本やら、雑誌「ダヴィンチ」での渡辺篤についての連載を読んでも、凄く面白くてツボの合う?好きな人!って思っているんだけど、彼の書く小説を第一回目読む時、いつもこの感じなのですよ・・・。
せっかちな私には、大筋の物語があまり動かずに、ちょこちょこした余談というか小ネタ?みたいのが、色々語られ過ぎて、「だからど~なるのよ~?」と、先に早く進みたいよぉ~って思っちゃう。
で、この本を読んで、今まで全然知らなかった「桐のご紋」について(総理大臣、一部の武将、パスポート・・・)とか
大阪の人の中には、徳川よりも、豊臣秀吉に思い入れが強い人も多いらしい理由というか・・・徳川に世が移って以後、首都が東京になってしまった事への思い?みたいのとか、感じることができました。
「下らない」という言葉の意味とかもね・・・。
あと、東京は明治などかつての建築物が戦争や大震災で無くなってしまっているけれど、大阪はそういった建物がまだわりと残っている・・というのも初めて知りました。
だからと言って関東を卑下する内容では全然無くて、でも「大阪万歳!大阪に対する愛国心」みたいのを凄く感じる本でした。大阪の方がこの本を読んだら、あと☆一つはアップするはず。
あと、登場人物では、ミラクル鳥居が、ものすごい天然というか・・・面白いヤツで可笑しかったです。中学の頃とかクラスに一人くらいは「オジサン」って呼ばれる老けた人っていましたよね。逆を言えば、オジサンなのに中学生に見えなくもない人がいる・・・。
そして、女の子になりたい大輔のエピソードは「大阪ハムレット」を連想しちゃいました。茶子が凄く強くて跳び蹴り!なキャラなのがマンガちっく過ぎるかな?とも思ったけれど・・・。
赤く染まる大阪城とか、凄く美人な旭ゲーンズブールとか、映像化されそうだなあ・・・と思ったのでした。
☆以下ネタバレです 白文字で書いています☆
お父さんと息子が、大阪国と姫を守るという義務があるということを、あの地下の部屋に行って話し、それを代々受け継がれて行く・・・というのは、なんか良い話だなぁ~と思ったし、女性はそれを全部知っていて、でも知らないふりをしてニコニコ微笑んで見ていてあげてる・・・っのも、良いなぁ~と思いました。以上
日本国内における、壮大なファンタジーもので、なかなか目のつけどころも面白いお話だったものの、登場人物が多すぎたのか?なんなのか?人物をもっと掘り下げて欲しかったです。これだけ分厚い本なのに、なんだか、人物の描写がアッサリ目なんですよね・・・。
でも、くすっと可笑しい部分がちょこちょこちりばめてあって、そういう処とか楽しめました。3つ☆半
万城目さんの次回作も楽しみです。
「鹿男あをによし」「鴨川ホルモー」
ザ・万歩計
私も万城目さんのダ・ヴィンチのエッセイ好きですね。
私はこの本は一気に読みました。
映像にしたら確かに面白みが増すかも知れませんね。
それにしても中上健次の次にですか・・・
そちらは記事にしないんですか?
って言ってもちょっと昔に読んだので、記憶が・・・
今はアレ、村上春樹さんが訳した「さよなら、愛しい人」を読んでます。
29日にハルキさんの新刊出るからハルキモードに頭をしとこうと思って。
GWも今日で終わりですね、どこかお出かけとかされたのかな?私は全然ですが、親戚が来たりしていたので、アタフタしてました。
ところで、ダビンチの4月号を昨日見たら、万城目さんの渡辺篤の連載が最終回になっていてがっかり・・・。あれ、凄く面白かったのにな・・・。
中上さんの本は、3冊とも彼の自伝的小説ってこともあってほぼ共通する内容でした。で、他を読んでないので解らないのですが、彼の生い立ちや兄弟家族関係がごちゃごちゃして特殊ってのは解ったんですが、ふ~ん、そうなんだ・・・。って思っただけで、特に何も感じなかったんです・・・。気が向いたら記事にするかもしれませんが、しないかもです・・。
私は、蜂飼耳さんの「秘密のおこない」って本を読んでみようと思ってるところです。娘が以前、その人の「エスカルゴの夜明け」って絵本でファンになったらしく、それつながりで図書館で借りて来たので・・・
村上春樹の本って、もうずいぶん読んでないなぁ~!新刊が出るんですか?
そういや、ノルウェイの森の映画化に興味津々です。
万城目さんって、、思うんだけど、すっごい慎重な人だと思いませんか?
実生活では、小説家になるために仕事をアッサリ辞めたり、大胆なところもあると思うんだけど。。
小説に対してはね、すっごくいっぱい考えてるんだろうな~、と思います。
だから、読んでるほうは退屈と感じる部分もあるんだと思う。
物語が、全部壮大ですよね。時空を越えてるし、常識も飛び越えてる(笑)。
京大出だからじゃないけど、すっごく頭がいい人なんだろうな。。ウラヤマシイ!
歴史的な知識があったら、もっと楽しめた小説なんじゃないかな?とも思いました。
またエッセイも読みたいな~、と思ってます♪
ではでは、また来ますね~。
お忙しいのにスイマセン!でも、こうやってまたお話出来て嬉しいです~~。
確かに「すごくいっぱい考えてる」って感じがしますよね。きっと色々考えが頭の中でありすぎて、爆発しそうになってる予感(^^ゞ
京大出、ってな~んか凄くカッコイイ~ 宇治原君といい万城目さんといい、柔らかい天才って感じがする~
歴史的な知識、私は全然無くって・・・。他の作品を読んだ時も思ったのだけれど、もうちょっと日本史に詳しかったらなぁ・・・って自分がふがいなかったわ~。
また次回作も楽しみです
人の名前じゃないみたいですね。
今度機会があったら読んでみます。
万城目さんのエッセイ終わっちゃったんですか。
あらあら~。
そうそう、私「東のエデン」ね、きつくなってきました。
何て言うか・・・決定的に想像力に欠けているっていうか・・・リアルな感情がないっていうか・・・沢山の人と会話してない人の頭の中で出来た話って言う感じ。
若造っていうか。
脚本が全然受け付けないデス。はい。
多分、アニメあまり見ない人を獲得するべく、羽海野さんとか起用したと思うんですよね。で、スポンサーも獲得したと。
それだけのものがあると思っていたんです。
でも、私にはゲーム感覚で始まる感じとか、記憶がないっていうアイディア自体も、見飽きた感があって。
この程度なら別にコミックで結構ではないかと思います。
期待した分コメントきついですね、我ながら。
でも、いいところがないわけじゃないんで・・・もうすこし見てみます。
蜂飼耳さんの本は、ちょこっと読んで、そのまんまになってしまっています
娘が読む前に、私が先に読んじゃったら、まずいだろう・・・と思って、読み終わるのを待ってから続きを読みます。
で~~。「東のエデン」
私も相当キツいです。せっかく録画してるし、旦那は見る気満々なので、一緒に義務のように見てるだけで・・・ ちなみに娘は挫折したみたいです。
>脚本が全然受け付けないデス。はい。
これです。はい。
これ、羽海野さんの絵じゃなかったら、もう絶対絶対挫折してるんですよ。なんとか彼女の絵だから踏みとどまってるってだけで・・・
恐れながら、「主人公の女の子の性格がイヤだよね~」と私と娘でワーワー文句言ってます。連絡しろよ~!すっぽかしかぃ?もう大学卒業する年なのに中学生以下?!って思ってます・・。やっぱり主人公の2人のうち、どっちかには、共感まで出来なくても、好感持つとか・・したいんですよ。それが、2人とも嫌いなんで・・・。
>多分、アニメあまり見ない人を獲得するべく、羽海野さんとか起用したと思うんですよね。で、スポンサーも獲得したと。
それ、私も思ってました。羽海野さんも頭抱えてるんじゃないかな・・・。こんな内容だなんて・・・。彼女が書く内容(人物描写というか登場人物のキャラ)とはまるでかけはなれてるわ・・
意外。これまでの舞台が京都・奈良だったので、ごく自然に関西弁が使われてたと思い込んでました。方言が用いられてなくても、ご当地ノリみたいな雰囲気を感じてたからかなぁ~?
この作品、もっと大阪に詳しかったらなぁ~とちょっと悔しかったですが、大阪に行ったら、大阪城に行って秘密の通路とか探しちゃいそうです。行きたいなぁ~大阪。
鳥居は、最後まで気が付かないってところが彼のミラクルの所以でしょうか?トホホな感じが、面白かったです
私も大阪に詳しかったらなぁ~と思いながら読みました。
こういう、自分の故郷出身の有名作家さん(地元ネタをいつも書いてくれる作家)がいたらいいのになぁ~って、羨ましくなります。
伊坂さんとかもいつも仙台だし・・・
>方言が用いられてなくても、ご当地ノリみたいな雰囲気を
そうなんですよね~。
小説とは離れちゃいますが、今、大阪近辺はインフルエンザで大変な事になってますよね・・・。今後、どういう風に広がって行くのか・・・家は子供が修学旅行があるのに、どうなるんだろ?と、気をもんでます
会計検査院の3人組はとってもナイスキャラだったのに、性同一性障害の大輔や茶子はイメージが浮かびにくかったわ。
うちの夫が大阪の人間で、生まれは大阪城の近くなの。
でも、知り合った時から全く大阪弁が出ないんだよね。
あまりコッテコテの大阪人じゃない気がする。
知り合った当時から大阪弁が出ないって??
それは妙に興味があるんだけど・・・。
ずっと大阪に住んでいて、出ないのか?それとも大阪以外の場所に住んでいたこともあるのか?それともご両親が大阪の人ではなく、標準語で会話してたが故に、大阪弁ではなくなったのか・・・。
ごめんなさい、どうでもいいことに興味が沸いてしまった~
私の回りには、旦那の会社の関係などで、大阪出身の人が多いんだけど、長年関東に住んでも言葉だけは全く変わらず関西弁だし、子供もバイリンガルなんだ~。
とはいえ、万城目さんも関西弁だけ使ってるって感じじゃないよね。両方使いこなしてるっぽい・・。