ポコアポコヤ

食べ物、お菓子、旅行、小説、漫画、映画、音楽など色々気軽にお話したいです(^○^)

「コイノカオリ」感想 角田光代、島本理生、栗田有起

2008-03-11 | 小説・漫画他
 
「コイノカオリ」
6名の作家さんによる短編集。角田光代さん、島本理生さん、栗田有起さんの3名には、注目していることもあって、読んでみました。つい最近文庫化され、持ち歩くのに便利な軽い本でした。

「水曜日の恋人」角田光代
自分が13歳だった時、毎週書道教室に通うついでに、母とその恋人(28歳くらいの若い男)と、喫茶店に行ったり、レストランに食事に行くというのが恒例になっていた・・・。その時、母とその恋人の頭からは同じシャンプーの匂いがしてた・・。
 ⇒普通に読みました。特に凄い印象に残る作品では無かったかも・・。

「最後の教室」島本理生
夜間の学校(定時制)に通う主人公、同じクラスに入って来た、大人っぽい女性に惹かれ、付き合う様になるが・・・実は彼女は・・・
 ⇒檸檬のエピソードが、なんだか鮮やかに広がりました。定時制の学校の様子なども、なかなか興味深く読みました。
卒塔婆(そとば)っていう言葉が解らなくて、検索してやっと解りました。追善供養のために経文などを書き、墓の脇に立てる塔の形をした木片のことだったんですね。この本を読む前に「ナラタージュ」を読んでいたのですが、島本さんは、学校のお話とかが得意・お好きなのかな・・?ナラタージュの感想は近くアップします。

「泣きっつらにハニー」栗田有起
いかにも栗田さんらしい作品。そもそも蜂蜜マッサージというのが、なんだか疲れが取れそうな気がして試してみたくなった。そして店長さん(ママ)が、栗田さんの小説に出て来そうなタイプの人で、お針子テルミーとかと、どこか似た雰囲気の作品でした。

「海の中にはよる」生田紗代
最初の部分「死と夜の海は・・」って部分だけは、凄く良かったのだけれど、それ以外の内容が、あまり楽しく読めませんでした。女子大生のサークル仲間・恋人とのお話。

「日をつなぐ」宮下奈都 
こ、これは!!!小さな子供を持つ母の大変さが、ものすごーーーくリアルに表現されていて、よくぞ、こんな文章で上手に私の気持ちを代弁してくれた!!と思いました。豆のコトコト煮と、お話をうまいことからめて書かれている。
印象に残った処としては、バイオリンを見に行って、「私じゃない、もう私は主役じゃない」と気が付くシーン、そして、ママなんだかとても疲れちゃったよ・・・ママにはもうなんにもないよ・・・という処が、泣けた!解るっ!!!
その晩、旦那に話すも、気がついてみれば旦那は寝てた・・・。豆のスープをシンクに捨ててしまう・・・アウ~~~!!解る、解るわーーー!!!あんなに良い感じで結ばれた2人だったのに、お互いが日々の暮らしで疲れ果て、2人の関係が、少しづつ冷えて行ってしまってる感じの経緯や心の微妙な動きの描写が絶妙。ラストのまとめ方も暗く終わらせて無いのも良かったし、でもあの後どうなったのかな・・気になるな~。すぐに「スコーレNO.4」をリクエストしちゃいます。

「犬と椎茸」井上荒野
う~~ん。暗い話だ・・・。あまり好きなお話ではない・・・。
内容ほとんど違うけれど、映画「いつか読書する日」が頭をよぎっちゃいました。

全部読み終わってみたらば、コイノカオリというタイトルではありますが、私がイメージしていた恋の香り?みたいのが漂って来る小説はありませんでした^^

コメント (4)    この記事についてブログを書く
« 金子功のいいものみつけた ... | トップ | 「ナラタージュ」感想 島本理生 »

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (june)
2008-03-11 20:54:12
文庫の表紙、初めてみました。ほんと、単行本とはずいぶん雰囲気が違いますねぇ。
「日をつなぐ」はすごく好きというか、気になった作品です。喉元過ぎればなんとやらで、あの大変だった日々を忘れつつありますが、豆のスープが煮詰まっていく感じと、日々の生活が煮詰まっていく感じの重なり方が上手いしリアルだなぁって思いました。
そういえば私も家の中で煮詰まってたんだった・・。
返信する
juneさん☆ (latifa)
2008-03-12 09:38:33
こんにちは~juneさん☆
そうなんですよー。ナラタージュは単行本も文庫本も同じ写真だったけれど、こちらは、表紙の写真も全然違っていました。

>喉元過ぎればなんとやらで
うん、うん、それありますね^^
でも、juneさんちなんて、きっと私よりも、もっと大変だったに違いないわ~。
今となっては、良い思い出ですけれども♪
返信する
Unknown (エビノート)
2008-03-12 20:27:55
お!文庫が発売されているんですね~
単行本を図書館で借りたんですが、
買っちゃおうかな~
宮下さんの心理描写の上手さには、
結婚も出産もしてない私も
ああ、何だか分かるなぁ~と唸りました。
あの後、二人が上手くいくと良いですよね~
返信する
エビノートさん☆ (latifa)
2008-03-14 08:55:01
そうなんですよ。文庫化されたみたいですね☆
薄くて、お値段も手頃なので、つい買っちゃおうかな~って気持ちにさせられます♪

エビノートさんも、宮下さんの心理描写には、ただならぬものを感じられたんですね。
スコーレNO4が、もうすぐ回って来るので、それを読むのが凄く楽しみな今日このごろです。
返信する

コメントを投稿

小説・漫画他」カテゴリの最新記事