ポコアポコヤ

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「ラブレス」「恋肌」桜木紫乃  感想

2012-09-24 | 小説・漫画他

北海道を舞台にした小説を書く、釧路出身の桜木紫乃さん。
先日の「氷平線」に引き続き、2冊また読んでみました。

「ラブレス」
表紙やタイトルとは全然イメージの違う、3世代に渡ってのドラマチックな家族の物語・・というか、なんというか。
凄い昔、まるで昭和の初めくらいの極貧の人たちのお話の印象だけど、実はそんなに昔でもなくて、昭和30年代位の道東ってこんな感じの処もあったのかな・・・。

百合江と里実、姉妹として育った2人の人生。
歌や踊りが好きで、歌手を目指して旅芸人について行ったゆっこちゃん。未婚の母となり、娘を可愛がるも、結婚相手(これまた、借金のある男で、肩代わりに妻を温泉宿でのショーガールとして働かせる)に取り上げられ、以後行方不明になってしまう。

★以下ネタバレ 白文字で書いています★
その娘が、実は日本の大スターだったんですね。最後病床にかけつけた昔の男。いい人だったが、娘の出生届を出す直前に、どろんしてしまうなんてね・・以上

桜木紫乃 / 2011年08月発売
内容(「BOOK」データベースより)
馬鹿にしたければ笑えばいい。あたしは、とっても「しあわせ」だった。風呂は週に一度だけ。電気も、ない。酒に溺れる父の暴力による支配。北海道、極貧の、愛のない家。昭和26年。百合江は、奉公先から逃げ出して旅の一座に飛び込む。「歌」が自分の人生を変えてくれると信じて。それが儚い夢であることを知りながら―。

・・・・・・・・・・
「恋肌」


「氷平線」と少し似た雰囲気の短編集。面白かったです。

それにしても、最近は道東の酪農農家などは、お嫁さんがなかなか来ないため、中国人女性を業者を介して妻にする・・っていうのが、そう珍しく無い事らしいことに、ちょっと驚いたりもしました。
無口で日本語が解らないとばかり思っていた中国人の妻が、実は日本語が解っていたという驚き。言葉は通じなくても、一生懸命自分の思いを伝える夫のを、解らないふりをしながらも、妻は愛情を感じて嬉しく思っていたでしょうね・・。それにしても、子供が出来ないから、息子の留守に父が・・って、それはちょっと戦後とは思えない様な事で、驚きましたよ・・。

その他、「海へ」「プリズム」(運送会社の同僚とズルズルな関係を続けている女が、アルバイトの若い大学生と関係を持ち・・)
「フィナーレ」
「氷平線」にも出て来た和服の着付けのお話「絹日和」
「根無草」

「恋肌」/ 2009年12月23日発売

桜木さんのお話って、なぜか、凄い昔の昭和のお話のような、、昭和枯れすすきとか、ああいう雰囲気が漂っているような・・。あと酪農農家、理容院とか水商売とか着付けとか、何度か登場しますね^^

「氷平線」
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2 コメント

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釧路 (hide3190ymo)
2012-10-08 13:09:38
latifaさん、こんにちは。

やっと涼しくなって過ごしやすくなりましたネ。

でも、こういう時、ふと夏の疲れが出るので用心しています。

latifaさんは「読書の秋」かな?

私は、相変わらず「音楽・演劇の秋」になりそうです。「大菩薩」みたいな何巻もある長編小説を2時間半の演劇に凝縮しているので、ストーリー掴むのが、ラクでして。

でも、本当は、本で読んだ方が、映画や演劇より、自分で自由にイメージできるから、読書の方が、いいですよネ。

縦書きが昔から苦手というか読むのが遅くて、演劇サークルにいた時も、脚本は横書きにしいました。劇団員に理系が多いので、この方がセリフ覚えやすいということで。

大学受験の時も、国語は、共通1次試験も、河合塾の自己採点で、国語が200満点中、たったの65点しか行かず、英語185点・数学200点・生物75点(100点満点中)・世界史80点で他教科でフォローしましたが、河合塾の判定で、B日程だった大阪大学と横浜国立大学が足切り、A日程の筑波大学は「2次試験重視のため2次逆転を狙え!」で逆転しました。

釧路、一度行ってみたいです。冬にスノーシューズを履いて、釧路湿原で、タンチョウズルの写真撮ってみたいです。

「ラブレス」「恋肌」「水平線」とも、昭和の北海道道東という舞台だけれど、それぞれ違う家族と人間模様を描いている感じなんですネ。

必ずしも人生は思うようにいかなくて、でも生きていて、というイメージをlatifaさんの文章から感じました。

>無口で日本語が解らないとばかり思っていた中国人の妻が、実は日本語が解っていたという驚き。
>言葉は通じなくても、一生懸命自分の思いを伝える夫を、
>解らないふりをしながらも、妻は愛情を感じて嬉しく思っていたでしょう

いいなー、いいなー、言語が通じない方が、恋愛って上手くいくのかな。あーそんな恋もしてみたいです。

読んでもいないのに、コメントしてスミマセン。






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hideさん☆ (latifa)
2012-10-09 09:52:11
hideさん、こんにちは!
いえいえ、別に読んだ本についてだけ、お話したいな~と思ってるわけでは全く無いので、こういうコメント大歓迎ですよ。

hideさんは、演劇(音楽も)は常に一緒にいる大きな存在ですよねー。
一度、演劇の魅力にハマった人は、一生そこから離れられない様に感じます^^
私は、田舎出身ということもあって、若い頃に演劇に触れるチャンスがなく・・、大人になってからは行く機会と時間を失い・・・。

ところで、国語が苦手な理系の方って多いですよねー。でも他の教科が凄い高得点じゃないですかー!!中でも数学が満点って、すばらしい。
今で言うセンター試験ですね?

hideさんが受験した頃と現在では、大学受験の試験の方式や、ランクや、前期だけで後期が受けられない大学が増えたりと変わって来ているのでしょうね・・・。
私は首都圏の受験事情に全くうとかったのですが、最近色々そのあたりを調べて、結構詳しくなりました!
ちなみに娘があと4ヶ月で大学受験です・・・

釧路の丹頂鶴は素晴らしいですよ。
友達がもの凄い感動してました。
ちょっとだけ、池中源太80k(知らないかも・・)を思い出しちゃいました。
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