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「ユリゴコロ」沼田まほかる 感想

2012-01-20 | 小説・漫画他

非常に面白かったのですが、全部読み終わってみると、う~~ん、やっぱり複数の殺人を犯した人間なわけだし、殺された側の家族とかの立場になったらなぁ・・・、罰せられずにいるのはどうなんだろうか?とか、色々考えてしまう小説でした。4つ★半

沼田さんの小説は初めて読みましたが、読んでいて引きこまれ、読まずにはいられない吸引力が凄く、しかも文章も読みやすいんですね。これをきっかけに、他の小説も色々読んでみたいと思いました。
沼田さんの経歴も見て、またまたびっくり。ご本人の人生も波瀾万丈でいらっしゃるんですね。

なんといっても、前半のノートに綴られた内容が凄いです。ユリゴコロという言葉もナイスだし、色々な表現力というか、文章表現が難しい言葉を使ってないのに新鮮に感じる処が色々ありました。

★以下ネタバレ 白文字で書いています★
まさか、亮介の会社で働いてくれている、優しくて穏やかで良い人であるオバチャンが、あのノートで告白文を書いた母である女性だとは想像もつかないですよねー。
よく考えてみると、妹が不憫だなあ・・・。姉の代わりに自分の人生を捨てた様なもんじゃないですか?姉になりかわって、亮介の母になり(だいたい、いつから、どうして姉の夫を好きになっていたんだ??)夫は隠れて元妻である姉と年に1回だけとはいえ会ってるわ、夫の気持ちはやっぱり姉にあり・・・自分亡き後は、姉とやっぱり一緒になるんかぃ?!おいおい~妹がうかばれんぞー!
とはいえ、つい憎むべき殺人者にもかかわらず、ついその姉が可哀想というか・・肩を少し持ってやりたくなるような文章になってるのが辛い(^^ゞ 
あと、急に姿を消した亮介の彼女の過去(DV旦那)と理由(そのDV旦那が脅して来て・・)が、ありきたりな感じというか・・なんだかその彼女らしくないというか・・そぐわない感じがして、ほんのちょっと残念だったかな 
以上 

沼田 まほかる/ 2011-04-02

■ぬまた・まほかる 1948年、大阪府生まれ。お寺の一人娘に生まれ、結婚して主婦に。離婚後、得度して実家の僧侶を務めた。僧侶を辞した後、建設会社を経営。そして作家に。2004年、50代で初めて書いた長編『九月が永遠に続けば』により第5回ホラーサスペンス大賞を受賞して、デビュー。他の著書に『彼女がその名を知らない鳥たち』『猫鳴り』『アミダサマ』『痺れる』がある。

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24 コメント

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Unknown (苗坊)
2012-01-21 21:54:54
こんばんは^^
そうなんですよね。本当にたくさんの人が亡くなっているのに面白いっていうのは不謹慎な気がしちゃうんですけど、でもそうなんですよね。
最後の真実には驚いちゃいました。まさか。。。ですよね。
白文字の部分は本当に同感です。ひたすらかわいそうだなとしか思えませんでした。
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Unknown (けん)
2012-01-22 11:24:58
お邪魔します♪

俺もこの本で沼田まほかるデビューしました♪
ホント「ユリゴコロ」という言葉のチョイスは素敵でした。
いとも簡単に殺人を繰り返すとこはちょっとあれでしたが、それでも楽しく読むことができました♪
他の作品も読んでみたい作家さんです☆
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苗坊さん☆ (latifa)
2012-01-22 16:34:32
こんにちは、苗坊さん
そちらは今日雪だったでしょう・・・
家の旦那が、お休みの暇な日とか、ライブカメラ?とか、ストリームなんたら・・ってやつで、いまだに北海道の様子をリアルタイムに見てるんですよ。
綺麗だけど、雪かきが大変そうだなあ・・・って思っています。

苗坊さんちのレスを持ってきちゃってすいません^^
>私は5つをつけましたが、オススメは付けませんでした^^;人がたくさん亡くなっているのにオススメというのは。。。と思ったので
なるほど!すごい納得です
凄く面白いけど、お薦めじゃないっていうのは、本当に全く同感です。
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けんさん☆ (latifa)
2012-01-22 16:37:05
こんにちは、けんさん
します♪
うわ~~!!けんさんも同じだったんですね。なんか、すっごい嬉しいです。

この本を読んだら、沼田さんの他の本も読みたくなっちゃいますよね?
けんさんは、その後、まだ読まれてないのかしら・・。

けんさんとは、チョイスする本や、好きな本とかが、結構かぶる事が多くて、嬉しいです
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Unknown (けん)
2012-01-23 02:27:16
俺は今『痺れる』を読んでいる最中です♪
今回も独特?毒々?です(笑
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Unknown ()
2012-01-23 21:43:08
とても引き込まれる内容でした。
ユリゴコロという言葉の持つ雰囲気、いいですよね。
うまい言葉を作ったなあと思いました。

沼田さん、作家になるまでに、こんな経歴があるとは知りませんでした。

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こんにちわ (牧場主)
2012-01-25 15:45:11
コレ出てすぐくらいに読みました。
で、本屋大賞にノミネートされて、話が思い出せない・・・て感じで、非常に相性がいまいちでした。
で、これには投票しません・・・あらすじ読んで、ああ、読んだわ、ってくらいしか印象なくて。
なんか、ちょっとこの心理はアクロバットすぎないか、不自然な感じ、って思ったことは覚えてます。
でも、みなさんの評判いいですね・・・
経歴は私も知らなくて、ふむふむと読ませていただきました。
今宮下奈都さんの「だれかが足りない」っていう本を今読みかけです。
これもノミネート作品。
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けんさん☆ (latifa)
2012-01-26 12:39:46
こんにちは、けんさん
再度のコメントありがとうございます!

『痺れる』
毒有りなんですね~ムフフ。そういうの好きなので私も今度読んでみようっと。
今は、2冊既にリクエストしてしまったので、その後に。

PS お誕生日の件、お友達のだったんですね
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花さん☆ (latifa)
2012-01-26 12:42:01
こんにちは、花さん
今日新聞で知ったのですが、大藪賞だっけな・・(もう忘れちゃってる)をこの作品が受賞したとか。
本屋大賞にもノミネートされたみたいですね。

やっぱり、波瀾万丈だったり、人生経験豊かな人の方が、面白い小説を書きやすかったりするのかな?
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牧場主さん☆ (latifa)
2012-01-26 12:53:54
牧場主さん、こんにちは!
おお~随分前に読まれていたんですね?
そうそう、本屋大賞にノミネートされましたね。でも、もう忘れちゃってる・・・ってことは、牧場主さん的にあまり面白くは無かったって事ですね

確かに不自然というか、ちょっとわざとらしさは、あったかもしれません。
でも、私は引きこまれて一気読みしてしまいました。どことなく・・湊かなえさんっぽい匂いというか・・がある本だなぁ~と思いました。

本屋大賞、今回はどれが取りそうですか?
乙一さんの「くちびるに歌を」としをんさんの「舟を編む」は、発売になって、すぐリクエストして、待ってる最中なんですけれど・・なかなか来ないです。
あとは「ビブリア」は文庫なのに凄いですね。こちらもリクエスト待ち中です。
プリズムは、全然興味無かったのですが、面白いのかしら・・
「ピエタ」は去年の夏読んだのですが、感想書かずじまいになっちゃいました。映像が浮かんで来そうな、素敵なムードの漂う本でしたが、内容的にガツンとまで来なかったです。
あと、「しゅららぼん」は、なんと途中で挫折してしまいました

>宮下奈都さんの「だれかが足りない」
私も少し前に読みました。
面白かったんだけれど、だいぶ忘れちゃってます。
でも宮下さんはお気に入りの作家さんです。
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