誰も書かない「ハリウッド・ハワイ・米国」の本音トーク

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映画のリメイク (remake) と シリーズ (series) もの / Movie Remakes & Series

2010-06-25 | 映画・テレビ・まんが


最近、やたらと映画のリメイクが目につく。米国のものを日本版に、日本のものを米国版に変えるのはまだ許せる。なぜならストーリーが同じでも時代・社会的背景が違うし、出演俳優がアメリカ人・日本人の登場で全く別物に思われるからである。

これで成功している有名な例は、英・米映画『リア王 (King Lear)』が黒澤明監督の時代劇『乱』(1985年製作、仲代達矢主演)へ。

また逆に、日本映画『七人の侍』(1954年製作、黒澤明監督、三船敏郎主演)が西部劇『荒野の七人(The Magnificient Seven)』(1960年ユナイテッド映画)となって、ユル・ブリンナー(Yul Brynner)、スティーブ・マックイーン(Steve McQueen)、ロバート・ボーン(Robert Vaughn)、ジェームズ・コバーン(James Coburn)、チャールズ・ブロンソン(Charles Bronson) などのそうそうたるメンバーで大ヒットした。

他に日本映画『Shall We ダンス?』(1996年製作) がリチャード・ギア (Richard Gere) とジェニファー・ロペス(Jennifer Lopez) 主演の『Shall We Dance?』(2004年)へ、1998年の日本映画『リング』が2002年の米映画『ザ・リング(The Ring)』にリメイクされているが、これらの米国の評判はかんばしくなかった。

先に述べた様に、外国作品を国内作品に作り直すのは良しとしよう。だが、リメイクが米国内、日本国内で行われるのが最悪のパターンと言わざるをえない。その証拠にオリジナル(=第一作目)をリメイク作品が超えた話は一度も聞いたことがない。その理由はいくつかあるだろうが、監督・俳優がオリジナルを余りにも気にしすぎて(忠実に前作にそって、あるいは自由に脚色しすぎて)ダメになるとか、観客側のオリジナルのイメージが強すぎるという事もあろう。

シリーズものも、この部類に入ると思う。一作目が大ヒットすれば、製作者側としてはそれに続くニ作目、三作目を狙うのも分からない訳でもない。観客としても次第に期待がエスカレートして行くから2作品くらいが限度だろう。それ以上になると、作る側がストーリーをひねりすぎて反ってつまらなくしてしまう傾向がある。世界で唯一の成功例は『007』のボンド・シリーズだろう。その理由は、監督、俳優などの変更と、悪役設定の多様性は勿論だが、主題曲にかなり力を入れている点だろう。映画音楽はその映画をイメージする大変重要な要素で、これを過小評価すると映画はヒットしないと言っても過言ではない。YS

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