黒島より帰還!

2005-05-31 18:43:48 | インポート

5/22~5/29にかけて沖縄県の黒島に行ってきました。
内容はサンゴの採卵と石西礁湖(石垣島と西表島の間の豊かなサンゴ礁海域)内36箇所のスポットチェック。

5/22~23はサンゴの採卵を行いました。
22日に産卵を直接見ることはできませんでしたが、周辺のサンゴが産んだ卵を船上で採取しました。
翌日、即空輸しました。


24日~28日まではスポットチェック。
スポットチェックとは、近年各地で行われているサンゴが生息する環境を広域に記録していくモニタリング方法である。
利点は少人数で調査ができ、幅広い情報が収集できる。一方、欠点は目視観察のため主観的にないりやすく精度が粗い。

24日
この日は荒天のため5箇所を終えた時点で終了。雨と雷が激しかった。調査エリアは石垣島の南側でした。
25日
荒天のため中止。 暇なので海がめが良く上がる浜の測量をお手伝い。
26日
雨はおさまったものの風が強い日でしたが、10箇所を調査。 カヤマ島の礁の外側での調査は波が高く大変でした。
27日
くもり。10箇所を調査。西表島の鹿の川という所の調査が印象的でした。ソフトコーラルが多い場所で、濁っているのですが明らかに今までに見たことのないサンゴに出会えました(注:私がただ知らない可能性が高い)。ナポレオンフィッシュにも出会えこの日は満足!
28日
概ね晴れ。11箇所を調査。黒島のキャングチという礁の外と内をつないでいる水路のような調査場所が印象的でした。流れが速く、油断してメモを取っていると沖の方へ・・・・。しかし、アオサンゴ(八放サンゴ)の群落やマダラトビエイの優雅な泳ぎを見ました。
29日
満足して帰国。

石西礁湖や黒島は3年ぶりに泳ぎました。大変驚いたことは、全体的にサンゴの状態がいい!良すぎ!
場所によっては少し悪くなってたり変化の無いところもありましたが、ほんとにすごかった。オニヒトでも36箇所で見た数は3人で10匹以下。白化も一部干出するところで見られたが、ほとんど無し。ミドリイシの加入もよく見られました。
沖縄本島辺野古で潜ったときはサンゴがあんまり無いなーと思ったけど、石西礁湖では被度、加入ともに状況が良かったです。1970年代前半のサンゴ礁の写真が黒島研究所に飾ってあるのですが、それと比較すると確かにサンゴは減っているのかもしれませんが、今回調査した現状なら環境が悪化しなければ元に戻るのでは!?と感じました。
(め)20050528kurosima



さ、サメ!

2005-05-28 20:27:00 | 魚類

 石西礁湖でのスポットチェックも最終日。
 いままで、特に危険生物をみることなく終わりを告げようとしていました。
 
 しかし、黒島の研究員が岩の下に隠れていたサメを発見。
 その後現れたのは、な、な、なんとー
 かわいいネムリブカ!50cm程度の大きさでした。
 写真を撮るも、あっというまに逃げていってしまいました。
 
 眼だけはサメの眼をしているのが、いつみても何かいやな感じがします。

 (め)050528same



カーメよ来い♪はーやく来い♪

2005-05-23 19:41:55 | ウミガメ
P5230021ooki
今年もすでに、四国の各地でアカウミガメの産卵情報が聞かれ始めましたが、私が調査している土佐清水市の大岐の浜では、産卵第1号がまだ確認されていません。大岐の浜では2年前、1シーズンに30数回の産卵が見られ、四国で最も多い産卵回数を記録したのですが、昨年の産卵は10回以下とあまり多くありませんでした。今年はまた、沢山のウミガメに産卵に来て欲しいものです。私は今年もできるだけ夜の浜に通って、カメの産卵調査&テント暮らしをしたいと考えています。今年の産卵第1号の報告は、もうしばらくお待ちください。(田中)


黒島に向かって出発!

2005-05-22 07:42:41 | 水中作業
朝からその日は雨だった。
が、
沖縄県八重山郡竹富町黒島に向かって出発。
研究員2名それぞれ違う目的で行きます。
一人はサンゴの卵の採取、もう一人はサンゴのスポットチェック。
期限は作業が終わるまで。

今朝、3時起床でしたが、到着後ただちにサンゴの産卵を探して、ナイトダイビング!

いつかえれるのやら。。。。。。

(め)


春のなかよし旅行

2005-05-16 19:19:07 | ブログ
毎年恒例の「黒生研 春のなかよし旅行」に行ってきました。今年は西土佐にある四万十楽舎にお邪魔して、カヌーや魚釣り、スノーケリングやトレッキングを楽しみました。夜は四万十楽舎のスタッフの方々とバーベーキューで盛り上がり、おいしいアマゴや川エビを食べながら親ぼくを深めることができました。P5140014
普段は海で活動している我々ですが、たまには川でおもいっきり遊ぶのも良いものです。四万十楽舎の方々、お世話になりました。ありがとうございました!!しかし・・、こだわり思考の職員だらけの黒生研の旅行を、幹事として企画するのは一苦労です。さて、さっそく来年の旅行のためのリサーチを始めなくては・・。(田中)


大きく育て、移植サンゴ!

2005-05-13 20:30:52 | 調査
5
今日は竜串湾(高知県・土佐清水市)で移植サンゴの成長量調査を行いました。この調査は竜串の自然再生事業の一環として行われているもので、2003年10月に移植した54群体のサンゴ片の成長を毎月一回調べています。
つきあい始めて、かれこれ一年半。今では一つ一つのサンゴにすっかり愛着がわいています。
「よしよし、また枝を伸ばしたな。次の台風にも負けるなよ」とか、
「あっ、その傷、誰にかじられたんだ。ウニかウニなのか」とか、
「そうか、折れちゃったのか・・・。でも、また1からがんばればいいじゃないか」とか、
「ちょっと顔色が悪いぞ、水温が低いのか」とか、
「うわっ、なんかそこブツブツになってるよ」などと、
一つ一つのサンゴと対話しながら毎回、楽しく調査を進めています。
写真のサンゴは、移植したときに比べて一番成長した43番。
一年半で面積が約6倍にもなったかわいいやつです。
ちょっと線が細いので、そこがすこし心配なのですが。S.N.






今晩はグレ鍋

2005-05-13 18:20:36 | ブログ
gure
いつも仲良くしていただいている西泊の漁師さんから、今日はメジナ(グレ)をたくさん頂きました。
今晩はみんなでグレ鍋を作って食べようかと思っています。採れたての新鮮な魚をすぐに食べることができる幸せ。
漁師町ならではの晩餐は、私たちの自慢の一つです。漁師さん、いつもありがとうございます。(田中)



中古水中スクーター購入!

2005-05-11 17:58:00 | 研究所備品関係
2005
タンクの空気を充填してもらっているいつもの店で、僕らは出会った。
映画の世界の物と思っていた憧れのものが、ひっそりと置かれていた。

店の主人に尋ねると売り物らしく、値段を聞けば超お買い得で僕らの財布でも手が届きそうだった。
しかし先約がいるらしく、僕らは一瞬の高揚感に胸を躍らせたが、その日は研究所に戻った。
翌日になると主人から電話があり、先約の方がなかなか取りに来れないらしく、僕らに購入のチャンスが巡ってきた。
一度その電話を切り、研究員で相談。みなでお金を出し合って買うことに決定した!

名前は激論の結果、形が金魚のようなので「トサキン」になった。
中古のため多少の整備が必要と判断。
試運転の様子は、追って報告予定! (め)
2005






タコさんウィンナーを発見

2005-05-10 19:35:06 | インポート
2005
午後は、海にサンゴの幼生を着定させる板を設置しにいきました。
水温は18度前後で、平年並み。

作業は研究所に来ている学生さんの練習を兼ねて行われました。
学生さんは3人とも女性ですが、なかなか作業の手際もよかったです。

私は作業をみている合間に、弁当箱で見かけるにくいやつを発見!
よくみるとこの辺りでは多い、ルソンヒトデでした。

(め)



海底で死んでいたウミガメを発見!

2005-05-09 20:02:37 | ウミガメ
「た、た、田中さん。研究所のすぐ前の海の底にウミガメの死体が沈んでます!」
部屋で仕事をしていた私のところに、海水に濡れたままの大学生の女の子があわてて飛び込んできました。
「えっ、ほんと。よし、じゃあ拾いに行こう!」
以前から私は死んだウミガメを集めて解剖し、ウミガメの食べ物を調べる研究をしています。ですから、死んだウミガメがいると聞いては落ち着いていられないのです。
ウミガメを見つけたその大学生は、私が中身を取り出した後の死体から骨格標本を作りたいらしく、服のまま海に入って行く私の後をついてきました。

水深4mの海底から拾い上げてきたのが写真のアオウミガメです。
甲羅サイズを計測したところ縦の長さは38cmで、まだ小さい子供でした。アオウミガメは植食性と言われていますが、このウミガメを解剖したところ胃の中からはテングサ類の海藻がたくさん出てきました。テングサは、私たちヒトも寒天の原料として利用している紅い海藻です。このようなデータを蓄積していくことで、アオウミガメが具体的にはどのような海藻を主なエサにしているのか分かるのではないかと考えています。

約束通り、そのウミガメの死体は学生にあげることにしました。
死体をもらった学生は、それをしばらくの間土の中に埋めて骨格標本をつくろうと、スコップをかついで研究所の裏山に出かけました。穴を掘っている彼女の表情は、とても生き生きと輝いていて、ガシガシとスコップを降り始めると、あっという間に大きな穴が掘れました。
「あ、もう、穴の深さはそれくらいでいいからね・・。」
制止する私の声を振り切って、
「アタシ、もっと、もっと、深く掘れますよ!キャッキャ!」
一度火がついた彼女のハートは誰も止めることができません。
どんなサンプルも無駄にしないという彼女の前向きな姿勢に感心するとともに、どうしてうちの研究所に来る学生は変わり者が多いのだろうかと疑問に思わずにはいられませんでした。(文責:田中)


IMAG0022