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くじら座のお腹で輝く星

バテン・カイトスというゲームが楽しい。(珈琲おいしい別館)というか放置してて。どうしよう。

【第3回】バテン・カイトスのカラスとサギ

2006-06-25 23:23:30 | Weblog
前回の記事にあるように『RPG』に対してのこだわりが
人一倍保守的であったため、当初はゲーム内のキャラクターが
声を出して喋る。と言う部分に大きく違和感を感じていました。
それ故、このゲームのプレイするまでには大きく時間を取った記憶があります。

しかし、この『バテン・カイトス』という作品の前では
そのこだわりも、うまく吸収される程に魅力的な作りになっていました。

そしてその声を発するキャラクター達。
『バテン・カイトス』には、個性豊かなキャラクター達が
沢山存在していたのです。


といっても、当ブログの管理人は、近頃の『RPG』をあまり
プレイしていないため、現在の『RPG』がどの程度完成度の
高いものなのか、と言う部分で他のソフトとの比較が出来ません。

少なからず、小説や映画、ドラマなどを人並みに見てきているレベルで
言うなら、その完成度はお勧めできるレベルであったと思えます。



【主人公の立ち位置】

『バテン・カイトス』の主人公は『カラス』とよばれる男の子。
18歳の青年である。

この世界では『心の翼』と呼ばれる翼をもち、実際に空を飛ぶことが
出来る。という時代設定なのですが、主人公の『カラス』だけは
片翼が『飛翔器』と呼ばれる機械の翼をつけている。

名前が『カラス』。
とてもありきたりに感じた。
片翼が『機械』。
これもありがちな設定だと感じた。

ある程度の年齢にもなり、ある程度のマンガや物語を楽しんできている。
そのため、この歳になると、なかなか色眼鏡を外してものを見る
と言うことが出来なくなる。
そのため、この主人公『カラス』の設定が『ありがち』と感じ、
また『ありきたり』と感じたのだ。

しかし、その『ありきたり』は、そもそも王道を指していたとは
この時には気付きもしなかったのだが。


プレイヤーは『精霊』として、主人公の『カラス』に力や
英知をあたえる存在。と言うのは前回説明したとおりだが、『カラス』は
『精霊(すなわち自分)』に対して、時には相談を持ちかけたり、
また、ケンカをしたりと、なかなか楽しい演出がちりばめられていて、
それはそれでいて楽しい。

『精霊』は『精霊付き』をずっと眺めている立場のため
2人の間には隠し事は無し。
つまり『主人公』と『プレイヤー』の間には信頼関係が生まれるのだ。

具体的に『ゲーム』レベルに話を落とすと、戦闘中に効果的な
技が発動しやすくなる。といった程度のものだが。


現代の『RPG』の例に漏れず、主人公の『カラス』は
やはり戦闘力が高く、剣による攻撃が主。
やはり主人公を強く鍛えてしまうのはしょうがない話なのかもしれない。


『カラス』の旅の目的は『家族の仇』を取ること。
爺ちゃんとフィー(という弟)が皇帝直属の『ジャコモ』という戦士に
殺害されている。

そういった過去を持つためか、主人公としての『カラス』は
気が短く、不良のような雰囲気を持っている。
しかし『精霊』に対しては、憎まれ口を叩きながらも
次第に心開く前半の演出も、複線としてはられている。

『バテン・カイトス』の主人公『カラス』は、物語の主人公を
見事に果たしている主人公だった。



【サギ】

前述の『カラス』に対して『バテン・カイトス2』の主人公『サギ』。
『カラス』という名前が、物語上意味を成していた事を考えると
若干語呂合わせの感が否めない『サギ』という名前。

こればかりは『続編物』という部分での仕方の無い連動なのかもしれないが
基本的に『サギ』と言う名前が付けられたことに大きな意味は無い。

『バテン・カイトス』と『バテン・カイトス2』のシナリオ製作者が
違っていると言うこともあり、この2本の作品の作風、キャラクター達の
存在感は違和感を感じた。

確かに『バテン・カイトス』は『1』も『2』も名作なのだが
明らかに『2』のキャラクター性には物足りなさがあったのは否めない。
(好みは個人差があるため、あくまで管理人としては、と言うこと)

『サギ』を紹介すると、『カラス』とは打って変わって
『誠実・真面目・一生懸命』が当てはまるキャラクター性。
女性に優しく、祖国の母への仕送りを考えると言う完全無欠の
主人公キャラクターであった。
純粋無垢である部分が大きいため、ちょいワルな『カラス』を越えられるのか。
と、プレイ当時は不安になったものだ。

物語の中盤に差し掛かるまでは対して魅力を感じない『マザコン』にしか
見えなかった。
(女性的な評判は『サギ』のほうが良いようです。)


歳は15歳と若い。
母や友を大事にする気持ちが強く押し出され、物語が進むにつれて、
頼れる存在に。

そして、若さゆえ、傷つく時も奈落へ墜落するほどに。


若さゆえ、回復も恐ろしく早い訳ですが。



【物語の主人公ということ】

『1』の『カラス』、『2』の『サギ』と今後ネタバレ的な記事が
出てくるかと思いますが、何ゆえ主人公と呼ばれるか。
主人公とはなんなのか。をしっかり思い出させてくれます。

彼ら2人は『バテン・カイトス』と呼ばれる『劇』のな中の中心の人物
であり、話の傍観者ではない。
むしろ話が彼らのために回っている。
主人公の大きさ、物語にどれだけ必要であるか。

しっかり感じさせてくれました。


さらに言うと、『プレイヤー』も、同じレベルで主となる
扱いを受けます。
『主人公』が『プレイヤー』でも無いのに、これほど物語りに
同調できるとは。




昨今では、主人公とは名ばかりであり、主人公が物語の中心で
あることを感じさせないゲームもありました。

これは物語を作る側の力量であり、『ロールプレイ』という
ゲームのジャンルを捨て、『ストーリー』を魅せていく、と言う
流れの中では、やはり主人公は魅力的に描くべきであると、
再認識させてくれた作品でした。


『バテン・カイトス』を思い出すたびに
「『名作』だからって売れるわけじゃない」と言うものを
感じさせられます。

続く。

【第2回】バテン・カイトスを構成する不思議なカテゴリ

2006-04-29 11:13:11 | Weblog
現存している『RPG』の中で異質な輝きを示している
『バテンカイトス』シリーズ。

このゲームを紹介するにあたって、通常のロールプレイングゲームとちがう
個性、構成する要素。というものを自分なりに噛み砕いて紹介します。


【プレイヤー参加型RPG】

『バテン・カイトス 終わらない翼と失われた海』
『バテン・カイトスII 始まりの翼と神々の嗣子』

二作が発売されていますが、どちらもプレイヤーは
『精霊』という立場で、ゲームの世界へ参加しています。

現存する『RPG』では、主人公=プレイヤーではなく、
プレイヤー=傍観者であり、主人公は主人公で勝手に動くキャラクター。
となっています。

そのため、既存の『RPG』の楽しみ方は、小説や漫画、アニメ、映画等を
見る事と同様になり、本来の『ゲーム』という遊びを楽しむではなく、
『物語』を楽しむ。といった、シナリオ次第で名作、駄作が
わかれる、ディレクターまたはシナリオライターが主導となる
作品となっています。

主人公=プレイヤーという要素を守ろうとしていた
『ドラゴンクエスト』シリーズでさえ、今は崩壊しつつありますし
『ファイナルファンタジー』においては『RPG』要素は無いと感じています。

要するに現存する『ロールプレイングゲーム』と呼ばれている作品は

『戦闘画面 ⇒ 敵との戦闘 ⇒ 経験値獲得でレベルアップ!』

この仕組みを『ロールプレイングゲーム』と呼んでいるのではないか
と思えます。
時代の流れですし、ソレはソレでよいと思ってます。

(※本館『珈琲おいしい』でも少し述べてます、興味があればコチラ

では本題の『バテン・カイトス』は?
基本的には上で述べている『ロールプレイングゲーム』の
延長であり、主人公は主人公で存在し、終始物語を追う
今時の『ロールプレイングゲーム』となんら変わることが
ないように思えます。


【イメージを変えた1つのエッセンス】

冒頭でも述べていますが、主人公が『精霊』としてゲームに参加する。

この仕組みが、この『バテン・カイトス』を語るにおいて
大きなエッセンスとなっています。

1つの物語の中の登場人物として、自分が登場するのです。
具体的に画面上にキャラクターとしては登場しません。が
自分は見えるはずがありません。
画面が自分の視野なのですから。

ソレもこのゲームに夢中になった1つの理由かもしれません。

『精霊』として主人公にとりついていることで、主人公は
『精霊憑き』とよばれ、その恩恵として特別な魔法、能力の
利用が可能です。

また、主人公も考える、思う、たくらむ、悩むといった感情を
出してきますが、プレイヤー、つまり『精霊』である自分に
相談などを持ちかけてきます。

モチロンその回答も複数用意されていて、プレイヤー次第で
主人公との信頼関係を築いていきます。
この自分参加という部分。登場人物の一人として物語の中に
登場する部分。

コレは現在のゲーム業界における『ロールプレイングゲーム』という
枠組みの中で、めずらしく『ロールプレイ』が出来る、ゲーム性、
物語の中に同調できる仕組みだったのです。
(※若干でいうと、『MOTHER』シリーズにもこの要素がありますが)


【ロールプレイの楽しさ】

もうすぐ三十路になりそうな管理人とのロールプレイングゲームとの
出会いは『ドラゴンクエスト』でした。
その後『ウィザードリィ』に出会い、『ティル・ナ・ノーグ』をプレイ。
そして『テーブルトーク』に行き着いたのです。

『テーブルトーク』とは、そういう名前のゲームではなく
人間がゲームマスターとなり、人間対人間でのロールプレイングを
進めるものです。紙と鉛筆とサイコロで何とかなります。

相手が人間であるが故、ゲームマスターは大魔王の役をやらなくては
いけないし、また、王様の役もやらなくてはいけません。
マスターをつとめる人にはカナリの負荷のかかる
『ロールプレイングゲーム』ですが。

ただ、そこには創造力と想像力といった、映像美に勝るとも劣らない空間と、
計り知れない自由度が最高のゲームを提供してくれていました。
物語とその場を眺めるのではなく、確かにその時はその場所に自分が
存在する。

このゲームとのシンクロ加減が、ゲームへの面白さを何倍にもしてくれる
のですが。

今現存する『ロールプレイング』ゲームの中で、その感覚を味わうことの
出来るゲーム。
このシンクロによる楽しさを『バテンカイトス』は実現できている気がします。

しかし、『バテンカイトス』のすばらしさは、
この『ロールプレイング』の本質を実現できているという部分でさえ、
構成要素のひとつでしかないということが、名作になった要因であると
管理人は感じています。

続く。

【第1回】ごあいさつ

2006-04-27 00:37:32 | Weblog
任天堂ゲームキューブで発売されたRPG
『バテン・カイトス 終わらない翼と失われた海』
(発売元:ナムコ 発売日:2003年12月5日)
『バテン・カイトスII 始まりの翼と神々の嗣子』
(発売元:任天堂 発売日:2006年2月23日)

この二本があまりにも世界感としての完成度が高く、
当ブログの管理人のツボにハマったソフトだったので
本館『珈琲おいしい』で取り上げるのではこと足りず、
別館として『バテン・カイトス』を応援する、または
批評するブログとして開始しました。

とはいっても、本館でさえ更新がままならないときも
ありますので、コチラはあくまで別館ということで
かなりの不定期が予想されます。

すこしでもバテンカイトスの楽しさが書ければいいなぁ・・・
と、考えている管理人です。

もちろん、『バテン・カイトス』に限った内容になりますので
ネタバレは大いにありえます。
未プレイの方は、ご注意ください。

≪バテンカイトス公式Webサイト≫
バテン・カイトス ナムコ公式
バテン・カイトス2 任天堂公式