時雨の記 / 中里恒子・・・ -読書-

時雨の記　/　中里恒子。

「時雨の記」は、大磯の山沿いの屋敷に侘住居する四十代の寡婦と、
会社の社長をしている五十代の男との、ひそかな恋の物語である。


今日読み終わりました。
中断しつつも、読める時にちょこちょこ読んで。

大人が読んでも気恥ずかしくならない、
いや、大人でなければわからない恋愛小説。
と解説されている。

大雑把なストーリーを言うと、女が二十代の頃に仕事関係の通夜で、
一度だけ面識のあるだけなのだが、
二十年後、偶然知り合いの結婚式で見かけて、男が声をかけ、
次の日に男が強引に自宅まで押しかけて、それから付き合いが始まる。

最初は男が一方的に思いを寄せているわけだが、
次第に女も男の魅力に惹かれていく。
しかし、最後まで所謂、男と女の関係にはならない。
その辺のかけ引きと、男と女以上の付き合い、つながりが、
大人の恋愛を描いた小説と言われる所以だろう・・・





１９７７年、中里恒子さんが６８歳の時に発表された作品。

確かに子供には書けない作品ではある。
しかし、男として社長の壬生の気持ちや行動は理解できるが、
寡婦である多江の行動には、納得いかない場面も？
実際女性はもっと警戒心が強いし、物分りもよくない。
特に寡婦、未亡人ともなればね・・・

機会があれば、
読んでみてください・・・