蘭州探訪日記

中国蘭州 (Lanzhou)での生活や、周辺にあるシルクロードの都市についてブログにしました

敦煌市(Dunhuang)訪問ー陽関、鳴沙山、月牙泉

2007-11-24 18:05:57 | 甘粛省敦煌市
9月12日(水)敦煌市の訪問 
*敦煌市(Dunhuan)概要
 敦煌は、甘粛省河西回廊の西の端にあります。敦煌市の面積の4.5%がオアシスで、周りをゴビに囲まれています。漢の武帝が紀元前111年に置いた河西四郡のうちのひとつ。敦煌は中央アジア、西アジア、欧州諸国への重要な入り口として繁栄し、東西の人々が行き交い、多彩な文化が開花しました。その集大成が中国三大石窟のひとつである莫高窟です。この石窟群をメインとして、町の周辺には鳴沙山、陽関、玉門関、漢城長城など、シルクロードのロマンをかきたてる多くの見どころがあります。敦煌の敦は「大きい」、煌は「盛んな」という意味です。

 敦煌では、党河の灌漑による肥沃な土壌、長い日照時間、昼夜の気温差などの気候条件により、綿花や果実の栽培に適しています。特に綿花は高品質で、中国でも有名となっており、農民の重要な現金収入源です。敦煌地区内の鉱物資源には、金、銀、バナジウム、鉄、リン、硫黄、石綿、硫酸ナトリウムなど26種類あります。中でもバナジウムは125.86万tとアジア一の埋蔵量を誇っています。敦煌市七里?には、南方の青海から引いてきた石油の基地もあります。(青海は標高2000m以上あるため、基地はより標高の低い敦煌に建設されました。)

敦煌の文化の回廊、大砂漠の光景を見に毎年20万人ほどの観光客が訪れます。そのうち10分の1は外国人、うち日本人に根強い人気で外国人のうち50%を占めています。井上靖氏の「敦煌」や平山郁夫画伯のシルクロードの名画、NHKのシルクロード放映の影響でしょうか。敦煌には空港があり、北京から直通で行くことができます。

面積 3.12万平方km
   耕地面積は32万畝(約2万ha)(中国畝(mu)は6.667アール)
   草原面積57万畝(約3.8万ha),天然林面積119万畝(約7.9万ha)
人口 18万人
標高 1100m
降水量 年40mm 蒸発量2400mm(降水量の60倍!!乾燥しているはずです)
年間日照時間 3246.7時間
年平均気温 9.4度
典型的温暖乾燥性気候(春は温暖多風、夏は酷暑、秋は爽涼、冬は寒冷)

敦煌市は、鎌倉市、臼杵市、日光市、韓国の南海郡と四つの姉妹都市の提携を結んでいます。大仏や石窟など多くの文化遺産を持つ都市が選ばれています。
私は鎌倉市から研修に参加しています。臼杵市からも一人研修に参加しています。
鎌倉市姉妹都市のページ
http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/bunka/shimai.htm

日程
  8時半 嘉峪関市出発 
 13時  敦煌市到着
 14時半 陽関見学
 16時  鳴沙山、月牙山見学
 19時  敦煌市と交流夕食会
 21時  ナイトマーケット


雪景色の祁連山脈 祁連山脈からの雪解け水があるからこそ、砂漠の中にオアシス都市が生まれました。祁連山脈からの党河の水と、地下水を利用しています。しかし、近年農業が機械化されたことによる農地の増加で深刻な水不足になっているそうです。この30年で地下水の水位は10m下がりました。温家宝総理が農業のコントロールについて3つの政策(1.新たな井戸掘り禁止 2. 農家は敦煌に移住禁止 3. 新しい畑を作ることを禁止)を打ち出し、実施しています。
また、今年の11月、甘粛省では、2010年までの4年間で19億3300万元(約300億円)の投資を行い、敦煌の生態悪化をくい止めるプロジェクトが決定されました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071104-00000010-rcdc-cn


風力発電 嘉峪関から敦煌に向かう途中で甘粛省酒泉市瓜州県の中国最大の1GWの風力発電の風車を見かけました。バスで道路を走っていると荒野の中に無数の風車が現れ、その中を通っていく様は圧巻でした。
甘粛省は更に風力発電の規模を拡大していく予定です。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070907-00000002-rcdc-cn
敦煌では水力発電や太陽熱発電に力を注いでいます。


政府は沿道緑化を推進しています。道中では、石炭を運ぶ列車や液体燃料を運ぶトラックを見かけました。


きれいな空。この時、オアシスの蜃気楼が見えました近づいても近づいても蜃気楼は遠ざかっていきました。


砂漠の中でも電線があります。地下には電話線、インターネット回線が通っています。


葡萄畑。昼夜の温度差が激しいので果実がとても甘く美味しくできます。代表的な果物は、スイカ、メロン、杏、夏みかん、葡萄などです。


農家


陽関 唐の詩人王維が「西、陽関を出ずれば故人なからん」と詠った古代の重要な関所です。関所は二カ所あり、もう一つは玉門関といいます。入場料60元。


関所に古代の兵士に扮した人がいます。陽関専用のパスポートを買うとここではんこを押してくれます。


陽関 この旅で一番お気に入りの写真です。


鳴沙山 


鳴沙山と月牙泉 古来より、砂漠と泉はずっと共存してきました。なぜ泉が砂漠に埋もれないのか謎なんだそうです。砂漠の風景とこの泉が調和していてすてきな景色でした。鳴沙山の上まで登りましたが、急勾配で足下が砂にとられるのでかなり息が上がりました。鳴沙山+月牙泉入場料120元。山登り代15元。


帰りはラクダに乗りました。観光客向けにラクダが100頭以上もいたのにはびっくりしました。ラクダはのんびり歩いていて乗り心地はとても良かったです。夕暮れがとても綺麗でした。ラクダ乗り30元。


晩餐では、敦煌市の人と交流を深めました。日本語をはなせる方もいて、とても親切にしていただきました。
写真は食べ物の彫刻、敦煌の莫高窟の天女です。


ナイトマーケットでラクダを買いました。
観光地だけあって、外国人観光客にはかなり高い値段をふっかけてきます。2倍、3番は当たり前です。ポストカードはセットで定価40元と印刷してありますが、半額の20元(それでも高い)で買えます。このマーケットで値段交渉の仕方を覚えました。

嘉峪関市(jiayuguan)訪問ー嘉峪関と鉄鋼産業

2007-11-23 23:41:13 | 甘粛省嘉峪関市
9月11日(火)嘉峪関市の訪問 
*嘉峪関市(jiayuguan)概要
 明代の万里の長城の最終地。明の初期(14世紀後期)にモンゴルの侵攻を防ぐ為に城が築かれて以来、軍事拠点としての役割を果たしていました。1958年に中国政府が開発に乗り出したときはわずか30数件の農家があるだけでしたが、現在は鉄鋼産業都市、観光都市として甘粛省内でも屈指の豊かな都市に生まれ変わりました。
面積 2935平方km(土地の3割は砂漠)
人口 20万人(2003年)
総GDP 31億8000万元(2003年 前年比12%の伸び率)
1人当たりのGDP  1万4455元(2003年)甘粛省1位と言われています。

嘉峪関市は、多くの鉱物資源に恵まれています。
埋蔵量
鏡鉄(多量のマンガンを含む鋳鉄) 5億t
石灰岩 2億600万t
粘度鉱物 9800万t
ドロマイト 6000万t
グラウバー塩 6900万t
リン化合物 1560万t

日程
  8時  山丹出発 
 12時半 嘉峪関市到着
 14時  嘉峪関見学
 16時  酒鋼集団見学
 18時  雄関広場見学


嘉峪関市街地(嘉峪関より撮影)
数多くの煙突から煙が立ち上っていて、工業都市であることが分かります。


雄関広場(1ha)
計画的に造られた新興都市なので、大きな通りが縦横に広がり、整然とした街です。広場や公園も大きくて綺麗ですが、人通りはまばらでオアシス都市独特の喧騒、活気が感じられませんでした。


嘉峪関は、明代(1372年着工)のもので、高さ11mの城壁に囲まれた巨大な要塞です。東と西に門があり、その上に高さ17mの3層の楼閣が建てられています。門の外は砂漠が一面に広がっています。昔の人が砂漠を歩いていてこつ然と巨大な関門が現れる、というイメージでしょうか。一見の価値有りです。入場料は61元(博物館とセット)。


門から片方の門と楼閣を望む。ここでは弓矢でわら人形を射ることができますが、時間がなく挑戦できませんでした。仮にも弓道部だったので少し残念です。ここにはお土産屋さんもありますが、よく値段交渉しないと高く売りつけられます。


酒鋼集団(Jiu Steel Group; 通称JISCO)を訪問
生産量 110万t/年(2006)
面積 17平方km
ひとつの町レベルの大きさですが、この規模でも鉄鋼業界では中国14位、西北で2位。工場としては177番目に大きいとのこと。これより大きな工場が176もあると聞いたときは中国はなんて大きいだと改めて実感しました。JISCOの生産量の20%は、アメリカ、日本、韓国、フィリピン、アフリカへなど国外へ輸出しています。もしかしすると日本で使っているスチール缶や車が甘粛省の嘉峪関で生産されたものかもしれません。ちなみに、日本は鉄鉱石がほとんどとれないため、ブラジルやオーストラリア、インド、南アフリカなどから輸入しています。


工場内は清潔でした。
大きな騒音と、少し粉塵があったので労働環境が少し心配になりましたが。労働者の健康管理は定期的に行っているそうです。


工業団地 労働者はサラリーが良く、保育園などの施設も充実しています。


嘉峪関国際大酒店 新しく綺麗なホテルです。1泊1部屋780元!(市街中心部から離れていますが快適です。唯一残念なのは国際大酒店なのにスタッフが英語をしゃべれないことでした。)


ホテル内 吹き抜けのロビー ホテルの綺麗さに思わず研修に参加してよかった!と感激しました。


ホテルの部屋 


節水式の近代的なシャワー 山丹のときはお湯が出なかったり鍵がこわれたりしたのに対して、えらい違いなので驚きました。

山丹県(Shandan) 訪問ーRewi Alley記念式典と大佛寺

2007-11-21 23:32:04 | 甘粛省山丹県
9月10日(月)山丹県(Shandan) の訪問 
*山丹県(Shandan) 概要
 山丹県は、武威市(東方)と張掖市(西方)に挟まれた地方都市です。(中国では県は市より小規模です)ここでは、1500年前に創建された大佛寺が有名です。ニュージーランド出身のRewi Alleyという人がここで学校教育を行っており、生誕110周年の大規模な記念式典に参加してきました。
面積 5402平方km
人口 20万人

日程
 9時  Rewi Alley記念式典参加
 12時 昼食
 14時 Rewi Alley博物館、山丹大佛寺見学
 18時 夕食
 20時 Rewi Alley記念式典(夜の部)


記念式典はRewi Alleyが創建した山丹培黎学校で行われました。バスで学校に入ると全生徒が花などをもち、拍手で出迎えてくれました。今まで見たことがないVIP対応の大歓迎でした。こんなことは一生で最初で最後だと思います。(その様子を映像で伝えられないのが残念です。)
主賓はニュージーランドからの代表団で、私たちは国際友好都市代表として出席しました。


この式典にはニュージーランド大使も出席しました。演説は2時間に及び、逆境の中でも教育に力を注いだRewi Allyの功績をたたえていました。記念式典の様子から中国の人たちは受けた恩を忘れずに覚えているのだと感じました。記念式典では戦時中の日本の侵略についてよく話に出たので、少し緊張しました。


新しい校舎


校舎内では、生活費を工面するための職業訓練所があります。ここでは裁縫を行っていました。


山丹の市街地から、遠方に素晴らしい景色の山々を望むことができます。


記念式典で頂いたとても綺麗な写真集。記念切手が入っていて、最後のページにはなんと10元のお金まで挟まっていました。(特別なお札ではないので、友人は使うかどうか迷っていました。私はまだお金に困っていないので使っていません


山丹大佛寺 創建は1500年前の北魏の時代。文化大革命の時に大きな被害を被りましたが、1990年代に7層の大仏殿が復興されました。


金色に輝く大仏。立像、座像、寝仏と種類がありますが、これは座像で像高は35mです(ちなみに奈良の大仏は高さ14.7m、鎌倉の大仏は11mです)。仏殿に入ったときの迫力は驚くべきものでした。大きすぎて、足下からは大仏の上の方はよく見えませんでした。後日、文化の先生が、どの場所からも大仏の全体像を一望できないようにする時代があったと言っていました。仏は無限であり、全てを見ることはできないのだという思想によるそうです。
いつもはふざけているカメラマンも最敬礼をして大仏を拝んでいました。
(大仏は撮影禁止の為パンフレットを撮影)


お寺の中には多くの地獄絵図が描かれていました。現世で悪事を働くと地獄に堕ちて、針地獄、皮はぎ地獄、五右衛門風呂地獄、火の海地獄、獣に食べられる地獄、切り刻まれる地獄、洪水地獄などが待ち受けているそうです。この中でもどれがましなのでしょうか。どうせなら一瞬がいいねと話していました


大佛寺から周辺の平野と山々を一望することができます。風が心地よく清々しかったです。


Rewi Ally 夜の部。踊りや歌などのショーがありました。学生のショーですが、動きがとても統率されていて驚きました。

武威市(Wuwei) 訪問ー孔子の文廟と雷台

2007-11-20 23:26:39 | 甘粛省武威市
9月9日(日)武威市と山丹県の訪問 
*武威市(Pingliang)概要
 甘粛省の西部地方は、南の祁連山脈と北の砂漠に挟まれていて、東西1000km、南北40~100kmという細長い地形になっています。これが河西回廊とよばれるシルクロードのメインルートで、武威は河西回廊の東端に位置する街で前漢の武帝(紀元前159~87年)の時代、匈奴を駆逐し、河西回廊に設置した四郡(武威、酒泉、嘉峪関、敦煌)のうちの1つです。甘粛省の中部、蘭州から西北280kmに位置しています。甘粛省内で蘭州に次ぐ第二の都市といわれています。
武威は5200年もの歴史があり、漢時代以降は中国と西域の接点となり、シルクロードを往来する商人たちが雲集し、中国に仏典を伝えた鳩摩羅什なども滞在をしています。市内には多くの史跡があります。
面積 3万3249平方km
人口 194万人
なお、武威市涼州区は、秋田県鹿角市と友好交流都市です。
http://www2.city.kazuno.akita.jp/kokusai/wuwei/gaiyou.html

日程
 8時  蘭州出発
12時  武威市着、昼食
13時  雷台墳墓、文廟見学
15時  武威市出発
17時半 山丹県着、夕食
20時  散策


蘭州を出発、バスから見た風景です。甘粛省の森林面積は省内面積の13.9%(631万ha)と少なく、段々畑は植林されています。日中緑化基金(小渕基金)プロジェクトでは、蘭州市でも緑化をしており、2005年から2007年まで3年間、年間780万円支援し、126ha(当初80ha予定)緑化したそうです。2008年から3年間も継続してこのプロジェクトを行われる予定です。
http://www.green.or.jp/nichu/


段々畑と山の風景 甘粛省は耕地総面積の64.7%(226万ha)が山の斜面の耕地です。(河原耕地27.67%、高地7.65%)


バスの路程で、あちこちで川が枯渇しているのをみかけました。
この写真はもとが川だったのか不明ですが、最近は川や湖の枯渇が深刻で、その対策として、武威市の涼州区と民勤県の農村部で、ポンプ井戸の3分の1(3千カ所)を閉鎖、耕地の3分の1(約2万6600ha)を縮小する事業を実施しています(2006年~2010年)。北部の民勤県は中国で生態の悪化が最も深刻な地域の1つで、湖は完全に干上がり、ほとんどが砂漠に飲み込まれています。


武威市は石羊河の上流にあります。


雷台は後漢の時代に造られた墳墓。副葬品として軍団のミニチュア青銅品が埋葬されています。写真はもとの作品を6倍にしたレプリカです。


雷台に埋葬されていた銅奔馬。この時代の最高傑作で、中国の旅行のシンボルマークになっています。写真は甘粛省博物館で撮影した実物。


雷台のお寺の中の写真


文廟は、甘粛省最大の孔子廟で、明代の1439年に創建されました。この中には、西夏時代の重要な遺跡が数多くおります。


文廟には、孔子の教えを書いた札が壁や天井に掲げられています。


受験生が孔子にあやかるかるために合格祈願をして赤い布を巻いています。


武威を出発し、山丹に行く間に万里の長城がありました。万里の長城は北京で有名ですが、甘粛省内にも多数あり、西は敦煌の先まで続いています。


周辺の景色!空が広い!


山丹県の公園。どこも大きな公園が整備されており、市民の重要な憩いの場になっています。


山丹でよく使用されている三輪車。地元の人が外国人の研修生を見ながら脇見運転していたら、おじいさんを追突してしまって大変でした。


山丹は小さな集落で、2人以上の子供が認められています。


公園で、外人を見にみんなが集まってきました。


一回は話すとみんなうちとけてたくさん話しかけてきました。


夜店では、ビリヤードをしている姿も見受けられました。

甘粛省シルクロードの旅

2007-11-19 21:56:28 | ひとこと
かなり前の話になりますが、9月での研修について振り返って書きたいと思います。

9月9日(日)から9月16日(日)までの8日間、研修で蘭州から西の都市を訪問してきました。昔のシルクロードと同じ路程です。地元の人でもこの都市すべてを見た人はほとんどいないようです。
甘粛省を自分の目で見て確かめるとてもいい機会でした。
バスでの大移動で、日本でいうと神戸から青森までの間を8日間で往復するのと同じ位です。
(1日の半分はバスにいたと思います。)
スケジュールは少しハードでしたが、かなり内容が充実していました。

日程は以下のとおりです。
9月 9日(日)蘭州発、武威市訪問、山丹県訪問
9月10日(月)山丹県訪問
9月11日(火)嘉峪関市訪問
9月12日(水)敦煌市訪問
9月13日(木)敦煌市訪問、酒泉市訪問
9月14日(金)酒泉市訪問、張掖市訪問
9月15日(土)張掖市訪問、金昌市訪問
9月16日(日)金昌市訪問、蘭州着


旅程がのっている地図です。右下の蘭州(赤文字)から西北(左上)に行きます。武威、金昌、山丹(小文字)、張掖、酒泉、嘉峪関、敦煌(小文字)を訪問しました。

少し情報量が多いので整理しながら1日づつ掲載していきたいと思います。
一緒に旅する気持ちでみてください

麺、西紅柿炒鶏蛋、葱爆牛肉の作り方**

2007-11-18 22:19:07 | 蘭州のたべもの
今日は研修生8人で麺、西紅柿炒鶏蛋、葱爆牛肉の作り方を教わりました。
材料の量はすべて「このくらい」と教えられたので、はっきりいって適当ですが(中国式)
*麺の作り方(4人分くらい)
材料
小麦粉 600g
卵 1個
塩 適量
ぬるま湯
油 適量

作り方
まずボールの中で小麦粉に卵を入れ、すこし混ぜます。
ぬるま湯に塩を少々入れます。
小麦粉に少しずつ(重要!)ぬるま湯を入れながら手で練ります。

小麦粉全量が堅く練れる程度までになったら、ひたすらこねます。
ここで小麦粉がすこしべたべたするようなら小麦粉を足して、粉っぽくてまとまらないようだったらぬるま湯をたします。
なめらかでやわらかくなってきたら、堅くしぼった濡れ布巾をかぶせて15分程度放置します。
麺を練る台とトレーに薄く油をしいておきます。
麺をボールからにぎりこぶしくらいを取り出し、円盤状にしたあと、真ん中をあけ、ドーナツ状にします。

ドーナツの円を均等に広げていき、途中で一カ所切って一本の棒状にします。

棒の太さは直径3cmくらいです。
それを5cmぐらいの長さに切り、手でころがしながら細長く均等にのばしていきます。

1本1本トレーにのせていきます。水分が蒸発したり、くっつかないように油を塗ります。
堅くしぼった濡れ布巾をかぶせて20-30分まちます。
1本のばしてみて、簡単にのびるようになったら準備OKです。

のばし方は、ひっぱりつつぶんぶんゆすります。(よくお店でみるように)
伸びたら2重、3重にしてのばします。3重を手いっぱいにのばしたら、
沸騰したお湯の中にいれていきます。

3分くらいでゆであがります。(麺はなるべく細いほうがいいみたいです。太いのはちょっとコシがありすぎました)
一緒につくる葱爆牛肉、西紅柿炒鶏蛋や辣椒(ラージャー)、黒酢をかけてたべます。
ゆでたては最高です!

辣椒(ラージャー)

できあがり

*西紅柿炒鶏蛋の作り方(一皿分)
材料
トマト大 2個
卵 2個
葱 1/3本
油 適量
塩 適量
味の素 適量
砂糖 適量


トマトを3cm角くらいに切ります。葱は柵切りにします。
卵をよく泡立てながらかきまぜます。

フライパンでかなり強火にして多めに油をしき(おたま1杯分くらい)、油がぶくぶく泡立ち始めたら、卵をゆっくり輪をつくりながら入れます。

卵を少しかきまぜフライパンを動かしながらトマトを入れます。かきまぜつつ、塩、味の素、砂糖を入れたらできあがり。
中華料理は家庭でもかなり強火で料理します。石炭(空気を調節)をつかっており、フライパンの横から火がでてました。
この強火がおいしさと素早さの秘訣です。

西紅柿炒鶏蛋はここでも良く料理にでてくるメジャーな料理です

*葱爆牛肉の作り方(一皿分)
材料
牛肉 500g
葱 2本 
卵白 1/2個
片栗胡
料理酒
醤油
塩 適量
チキンブイヨン 粉 適量
味の素 適量
オイスターソース 適量

葱を1cmの厚みにななめ切りにします。

牛肉は1mmの厚みに薄くスライスします。
牛肉に、卵白、片栗粉、料理酒、醤油を入れてよく混ぜます。
フライパンで強火にして多めに油をしき(おたま1杯分くらい)、油がぶくぶく泡立ち始めたら、牛肉をさっといため、色が変わったら一度外に出します。
再度油をしき、強火で葱をいためます。すこししんなりしてきたらオイスターソースを入れます。
牛肉を入れてかき混ぜ、塩、チキンブイヨン、味の素、最後に醤油をいれてできあがり。


できあがり*
これなら簡単にすぐできてうれしいです

大学の学費と奨学金

2007-11-17 23:40:49 | 蘭州の基礎情報
今日、蘭州大学で日本語を学んでいるSさんと一緒に買い物にでかけました。
その子は江蘇省の農村から来ている大学4年の女学生で、日本語がぺらぺらです。
お料理ができてやさしい子で面倒見が良く困ったことがあると助けてくれます。

Sさんは奨学金をもらっているので少し学費について聞いてみました。
蘭州大学の学費は、年間4200元程度
北京や上海は更に高く、8000元程度
(高校で成績優秀な子は北京や上海に行きます。蘭州大学は中堅です)
学部によって学費が高く、英語や芸術科目が学費が高くなっています。
(英語は外国の教師を雇っているため)
蘭州大学は奨学金の数が100近くあり、奨学金制度が充実している大学です。
奨学金は、国、大学、銀行、企業、個人などから出資しており、中には日本の出資もあります。
銀行からは無利子で借りれます。
大体学生の3分の1くらいは何らかの奨学金をうけているそうです。
Sさんは、奨学金を3種類もらっていて、
1年間で合計5000元、全部無償で
大学 500元
明日女子基金 3000元
国(女子対象)1500元
授業料などは自分で払っています。
最近は、男女平等を図るため、女学生への奨学金が多くあり、特に農村の女性は義務教育過程で終了するケースが多いため、農村の女性への奨学金も充実しているとのことでした。
大学の奨学金は成績順で、成績が良いと多くもらえるシステムです。Sさんは成績優秀なのでたくさんもらっている方です。

奨学金が充実しているのは、将来のために良いことだ感心しました



物価について(食べ物編)

2007-11-16 23:38:14 | 蘭州のくらし
最近学校の話が続いたのでここでの物価、特に身近な食べ物についてふれたいと思います。
主婦が気になるところです。(1元=16円で計算)
<飲み物>
水(2L)          2元 32円 
オレンジジュース(500ml) 3元  48円
牛乳(500ml)        3元  48円
ビール(ビン)         2元~ 32円~
コーヒー(ネスカフェ11パック)9.8元 157円
茶葉(ジャスミン)100g  8元~ 128円
<主食、肉、卵>
米(10kg)          30元 480円  
パン(大1個)         2.5元 40円
豚肉 200g  5元  80円
卵(3個)  1.2元 19円
<野菜>
ピーマン(大)2個  0.8元 13円
トマト(大) 2個  0.8元 13円
ジャガイモ(大)3個  0.8元 13円
<果物>
みかん(大)6個  2.5元 40円
巨峰1房  2元  32円
<加工品>
クッキー1箱   2.5元 40円
ヨーグルト(10パック) 9元  144円
バター1箱  14元 224円

これは大体の値段ですが、こう見ると野菜が圧倒的に安くて、加工品が特に高いことが分かります。
コーヒーなどの輸入品(ネスカフェ(雀巣珈琲と書きます))や、あまり中国の家庭になじみのないバターは値段が張ります。
ここでは家で洋食はあまり作らないそうです。

ところで、外食すると小さな料理店なら
牛肉面  3元 48円
炒飯   5元 80円
野菜料理 5元 80円
肉料理  8元 128円
ちょっと高めの中華料理で1人20元 320円
さらに高いところは1人50元以上  800円
自分でつくるより近くの料理店で食べた方が安くついたりします。
(他に調味料等も買うので)
ちなみに西洋料理は
ケンタッキーのセットで30元    480円
スタバ(西安)でカプチーノ1杯スモール20元 320円
ピザ、サラダ  50元 800円
高すぎる!(日本より高い!)


蘭州大学前のデパート(華潤万家)
食料品の他、衣料品や電化製品など生活用品が揃っていて便利!


デパートの中。広くて綺麗です。ものを盗まないように、入り口で全部手荷物を預けてから入場します。レジは1階で清算します。 


麺売り場。種類が豊富です。


肉売り場 何がぶら下がっているんだろう。。。


喫茶店でとても贅沢なモカ珈琲(illy) なんと38元!(608円位)
でも2ヶ月ぶりの本格的な珈琲にとても感動しました。


市場。野菜や果物、食品はここの方が安くて新鮮!でもはずれもあるので選ぶときには値段と質の品定めが必要です。中国では野菜も果物も肉も、時には米も油さえも量り売りです。1両(50g)、1斤(500g)が単位です。


今日失敗してしまいした。お豆腐屋さんで売っていた茶色いものを豆腐の一種だろうと試しに買ったのですが、宿舎に帰ってフロントの人に聞いたら実はこれは豚の血のかたまりだそうです。うううう。なんでお豆腐屋さんにあるんでしょう。
どう調理したらいいか分からないのですが、明日奮闘したいと思います

甘粛農業大学

2007-11-15 22:36:51 | 蘭州の基礎情報
11月14日(水)午後3時
蘭州中心街から車で1時間ほど離れた場所にある甘粛農業大学を訪問しました。
甘粛農業大学は1946年に創立した中国でも歴史ある農業大学です。
教授、准教授、講師は全部で547人、在校生は約1万8000人います。
農業のほかに、自然科学、経済学、教育学などもありますが、中でも有名なのが1950年から研究されているGrassland scienceです。ここではGrassland ecology system (Grassland resources, Ecology and environment, pasture and forage product processing, Grassland protection and wild life etc.)を研究しています。主な研究対象地は青海チベット高原、砂漠のオアシス、雲貴高原 であり、草地の回復や放牧のシステムについて研究しています。
他にも、この大学は作物学(持続可能な農業について研究など)、畜産学、獣医学が得意分野です。
Chinese medical herbs cultivation and quality evaluation forestry やSoil and water conservation and combating desertification というのもこの土地ならではの面白い研究分野だと思います。


甘粛農業大学


資源環境学院教授のQiu教授。
この大学ではアメリカ、カナダ、オーストラリア、スイス、オランダなどと国際交流を行っており、学生の交換留学も支援しています。通常は学生が日本語を学んでいないので日本への交換留学はまだしていないとのことでした。


化学分析室を訪問しました。電子顕微鏡で植物細胞を観察しています。


実験室内は整理整頓されていて十分なスペースがありました。ガスクロマトグラフィーや液体クロマトグラフィーなど多くの分析装置が揃っており、実験環境が良いと思います。私の大学時代の実験室より綺麗です。


ジャガイモの培養中。甘粛省は中国有数のジャガイモの産地で、この大学では力を入れて研究しています。他にも、トウモロコシや小麦などを研究しています。


新しくて過ごしやすいキャンパスでした。


郊外なので空気が澄んでいて、夕焼けがくっきり見えました。

蘭州大学の専家楼 ジュアンジャーロウ

2007-11-14 23:32:54 | 蘭州の基礎情報
大学にひきつづき、今私が住んでいる宿舎を紹介します。
ここは大学構内にある専家楼というところで、中国語では専門家の住居という意味ですが、英語ではforeigner guesthouse と表記され、留学生が多く住んでいます。


専家楼 11月初めは銀杏の紅葉が綺麗でした


フロント 世界各国の時計があります。東京は時差1時間差。


ホテルとして利用できます。一人1泊100元。長期滞在は安くなります。


吹き抜けのロビー 学生がよく勉強しています。よく夜中まで学生が騒いでます。


部屋。エアコン、テレビ、ポット、クローゼットや本棚など充実しています。


バス、トイレつきです。ホテルのように毎日掃除が入るのでとても快適です。
お湯が出る時間帯は朝6時から9時、夜6時から12時までです。たまにお湯がでなくなったり断水したりしますが、基本的には快適です。

洗濯機は1時間3元、また共同の台所があります。(台所には鼠が。。)
スタッフはいつも笑顔で、外国人になれておりとても親切です。

学生は通常4人一間、共同トイレ、共同シャワーの宿舎です。
ここの環境がかなり恵まれていることに感謝感謝です