蘭州探訪日記

中国蘭州 (Lanzhou)での生活や、周辺にあるシルクロードの都市についてブログにしました

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白銀市(Baiyin)-工業都市

2007-12-26 17:36:35 | 甘粛省白銀市
10月10日(水)
蘭州から東北に車で2時間ほどの場所にある白銀市を訪問しました。
*白銀市(Baiyin)概要
白銀の歴史は古く、5000年前にここで人類が活動していたことが確認されています。白銀は600年前、明の時代に金、銀の採掘機関が設立されたことで、「白銀」と名づけられました。非鉄金属の探査・採掘から、精錬・加工まで一貫した産業が発達しています。鉱産物には金、銀、銅、アルミ、亜鉛、粘土などがあり、うち、凹凸棒石(アタパルジャイト)の推定埋蔵量は世界一の1億トンに達しています。白銀市は甘粛省・省都蘭州市と69キロの高速で結ばれ、中川空港から47キロ、東西に包蘭鉄道、南北に白宝鉄道が交差し、交通の便が良い工業都市です。また、農産物の栽培に適した気候で、主要な農畜産物には、マトン、トマト、ジャガイモ、人参、シイタケ、ナツメ、リンゴ、梨などがあげられます。
2002年のGDPは95億人民元、都市住民の平均年収は6409人民元(+14%)、農村住民の平均年収が1688人民元(+5%)年間GDP・財政収入は共に甘粛省の省都蘭州に次ぐ第2位です。
なお、白銀市は同じく工業都市であるアメリカのオクラホマ州ポンカ市と姉妹都市です。
面積 2.12万平方km
人口 175万人
海抜 1275m~3321m、年間降水量 110~352mm
関連URL
http://www.web-china.jp/baiyin/page01.htm


白銀の位置 蘭州の東北


白銀の工業地帯は1956年に一つの山を爆弾で吹き飛ばして平地にし、作られたとのことです。規模の大きさに驚きました。


工業地帯にある「蒙牛」会社を訪問しました。
牛乳やヨーグルトの会社で、お店で良くみかける一流ブランドです。中国では牛乳とヨーグルトがありますが、あまりバターやチーズは普及しておらず、価格も高く設定されています。


蒙牛工場内。清潔で、コンピューター管理されていました。


白銀ZBYリチウム有限公司の訪問
ZBYとはチベットの湖がある場所の頭文字をとったもので、写真の湖から産出されるリチウム化合物の精製など行っています。この原料は電池などに使用されています。


産出地から3300kn離れた白銀で精製され、世界に輸出しているという地図。日本にも輸出されています。


白銀高技術開発区は、中国科学院と白銀市政府が2002年7月に設立したものです。国道109号沿いにあり、面積16平方キロで、産業区、生活区、サービスセンターと機能別に分けられています。上下水、電力、通信、ガスなどのインフラが整っています。今後開発が望まれているのは、精製化工、非鉄金属系新素材の開発、新エネルギー開発、自然環境回復材料及び技術の開発、環境保護材料の5つです。


高技術開発公園


公園の電光掲示板で、私たち研修員を熱烈歓迎して頂きました。すごい演出にびっくり!


白銀市政府の方々と夕食会
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夏河県(Xiahe)-草原とラプラン寺

2007-12-25 22:49:11 | 甘粛省夏河県
9月29日(土)つづき
*夏河県(Xiahe)概要
夏河県は中国甘粛省甘南チベット族自治州の県の一つ。東は合作市、南はルチュ県,北は臨夏県、青海省循化サラール族自治県、同仁県、西は青海省ツェコク県に隣接しています。チベット族が総人口の約78%を占めていて、残りは漢族と回族で完全に住み分けをしています。標高は2500mで、夏は涼しく、冬は寒さが厳しい地方です。町の歴史は比較的新しく、18世紀初頭にラプラン寺が創建され、その門前町として発展してきました。
面積 6674平方km
人口 8万人


貢唐宝塔 1805年創建。文化大革命の時に破壊され、1993年に再建されたものです。


空が青くゲルがあり、モンゴルのイメージそのままのところでした。


チベット族の子は梵字のようなチベット語を話します。中国語を習っているようですが、少し片言のようです。私が外人だと分かると何度も「アメリカ人か?」と聞いてきました。外人はみんなアメリカ人なのかな。。
ここの地域は、小さな子も働いています。児童労働禁止や女子の教育普及などに関する政府のプロパガンダをまち中で良く見かけました。


桑科草原の風景


乗馬に挑戦


草原のゲルで夕食。羊肉のグリルが美味しかったです。以前、内モンゴルで食べた食事に少し似ていました。


夕食で、チベット族の歌と踊りを披露してくれました。エコーをきかせていて、とてもノリノリ。この後、ファイアーキャンプをしました。そこで小さな子が客の頭に花輪を乗せ、強引に売りつけてきました。「5元、5元!」と叫んでいました。こちらは子供を走って追っかけて花輪を返しました。お金に執着していますが、追っかけっこをしている時は無邪気な子供ではしゃいでいました
標高が高いせいか、何度も追っかけっこをすると息が切れてきました。

9月30日(日)
日程
  9時  ラプラン寺見学   
 13時  夏河県と昼食交流会
 14時  夏河県出発
 17時  蘭州市到着


夏河のまち 周囲を山々に囲まれています。


ラプラン寺
ラプラン寺は、ゲルク派(黄帽派)六大寺院のひとつで、1709年に創建され、アムド地方のチベット仏教の中心となりました。院内には、顕教を学ぶ聞思学院、密教を学ぶ下続部学院と上続部学院、天文、地理などを学ぶ金剛学院と時論学院、チベット医学を学ぶ医薬学院などがあります。特にチベット医学は豊富な薬草の知識があることが有名で、とても興味深いものでした。


チベット僧。尼僧はいません。小さな子供も多くいて、バターとナン、ミルクなど質素な食事をし、熱心にお祈りを捧げていました。こんなに小さい頃からお祈りして、生涯この寺で終えるのか思うと少し胸がつまる思いがしました。


チベット仏教はひとつひとつの色に意味があります。お寺の内部は極彩色でした。


ラプラン寺の寺院のひとつ。僧侶がマニ車を熱心に回していて、ふとネパールのチベット寺院を思い出しました。


お祈りの部屋。薄暗い大きな部屋の中で大勢の僧侶が座禅し、低い声でお祈りを捧げています。
信仰の強さが伝わってきました。

臨夏と夏河は、通常予想する中国とは違うもので、「ここは中国?」と何度も思いました。民族も文化も漢族と異なり、甘粛省内だけでもかなり多彩であることを身を以て体験することができました。
特に夏河は地形も人も文化もチベットに似ているので、「もうチベットに行かなくてもいいや」と思わせるほどです。あまり日本人には知られていない場所ですが、この2都市は全く風情が違うという意味で、ぜひおすすめしたい都市です。
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臨夏(Linxia)回族自治州-回族の町

2007-12-24 22:10:27 | 甘粛省臨夏市
9月29日(土)
土日の2日間をかけて、臨夏回族自治州と夏河県に行ってきました。
*臨夏(Linxia)回族自治州概要
臨夏は甘粛省の中心から南西に位置し、西は青海省に接しています。臨夏市内へは蘭州から車で4時間程度かかります。その名のとおり、回族の自治区で回族は全体の50%以上、市長は回族から選出されることになっています。2002年のGDP(国民総生産)は前年より10.7%増の33億人民元。一人当たりGDPは前年比9.9%成長の1,778人民元。農業、手工業、建材、金融、水力発電、観光が主要な産業。特に臨夏市は蘭州のすぐ南にあるため州の商業・物流・工業の中心となっています。
面積 8169平方km
人口 200万人
平均海抜 2000m、平均気温 8℃、年間降水量442mm 半不毛地帯

日程
  8時半 蘭州市出発 
 12時半 臨夏回族自治区到着、民族用品一条街見学  
 13時  臨夏市と昼食交流会
 14時  紅園訪問、臨夏回族自治区出発
 17時  夏河県到着
 18時  桑科草原見学、夕食会


ガソリンスタンド付近のゴミの山。たまにこうしたゴミを見かけます。


トイレ。旅に出るとトイレ事情は結構厳しいです。ドアがない、鍵がない、紙がない、水が流れない。
これが全部クリアできる日本のトイレは快適!ちなみにアメリカ人の友人は、ホテル以外は絶対トイレを使用しませんでした。


9月29日は、国慶節大連休の初めの日。臨夏のモスクに向かう回族の人たちを多くみかけました。


臨夏市民族用品一条街 毛皮が売っています。


カラフルな装飾品


お昼にお茶差しの芸をしてくれました。差し口がとても長く、いろんな体勢でお茶を注ぎます。


紅園の子供 たくさん子供が遊んでいて可愛かったです。少数民族は一人っ子政策の適用外なので、兄弟の子供も多く見かけました。

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黄河の水質

2007-12-23 17:48:52 | 蘭州の環境

黄河の水質はどうなっているんでしょうか?
以前から気になっていたので、日本から持参したパックテストで調査してみました。
ちょうど川下りをする時だったので、黄河の母像付近(少し上流)、中山橋の少し上流、中山橋の排水口付近と3カ所はかることができました。


調査中 周りの人にちょっといぶかしがられました。


川の水(黄河の母像付近)


調査中、友人は砂に落書きしてます。


黄河の水 下には、少し赤から黄色の土が沈殿しています


排水口近くのパックテストの結果(上からCOD、アンモニウム、りん酸)

2007年10月28日(日)
*黄河の母像付近 午前11時20分
pH7.5
COD 5ppm
亜硝酸 0.02ppm未満
硝酸 1ppm未満
アンモニウムイオン 0.5ppm
リン酸 0.2未満

*中山橋上流 午前11時50分
pH7.5
COD 5ppm
亜硝酸 0.02ppm未満
硝酸 1ppm未満
アンモニウムイオン 0.2-0.5ppm
リン酸 0.2未満

この結果を見て、黄河の水質って思った程生活排水の影響がないのかな、と思いました。
砂のせいで黄色く見えますが。
そこで、少し岸辺を歩いていると、いかにも生活排水と分かるようなものがそのまま川に流れ込んでいました。
川への流入水を調べてみると、

*中山橋下の排水口付近 午後12時15分
pH7.5
COD 50ppm
亜硝酸 0.05ppm未満
硝酸 1ppm未満
アンモニウムイオン 10ppm以上
リン酸 10ppm以上
外観 少し白濁、緑色、油膜
臭い 少し汚水臭
この結果から、し尿や洗剤と思われる排水が黄河に流れ込んでいることが分かります。現在、蘭州市で1日あたり50万トンの排水が発生していますが、そのうち浄化処理されるものはわずかに15万トンです。残りは未処理のまま黄河に垂れ流されているということですから、70%以上がそのまま黄河に流れているんですね。
他の地点で結果がそれほど悪くなかったのは、この時期の蘭州では黄河の流量が多く、汚水が薄まったからと考えられます。
でも、雨の降らない12月などは、渇水とはいかないまでも流量はかなり少なくなっているようです。(半分くらい)
冬はさらに水質が悪化しているのではないでしょうか。また、さらに下流では、さらに渇水や水質汚染に悩まされています。
蘭州市では、日本の借款で作った新しい浄化装置を導入し、大幅な水質の改善を図る見込みです。(浄化装置を見学したいと9月から申し出ていましたが、結局見学できませんでした。)
関連記事
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071014-00000002-rcdc-cn

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酸性雨

2007-12-22 14:13:00 | 蘭州の環境
え、酸性雨?中国は酸性雨すごく降っているんじゃない?
みなさんそう思われるかもしれません。
私もそう思っていたので、日本から簡易的なテスト(パックテスト)を持参し、蘭州で雨が降っては外に出て雨水を採取し、その酸性度を図ってみました。
なお、空気中には二酸化炭素などがあるため、雨水は人的影響がなくても酸性に偏っています。pHが5.6以下の場合、酸性雨と呼び、工場の排気ガスや車の排気ガスなどから出た硫化酸化物、窒素酸化物などが影響していると考えられます。


蘭州の雨(2007年10月1日)

調査方法 パックテスト(pH-BCG)

清潔なコップで雨水を採取し、試薬が入っているチューブに雨水を入れて色の変化を見ます。

調査地点 甘粛省蘭州市蘭州大学専家楼玄関横
調査結果
2007年9月6日(木)pH5.8
2007年9月16日(日)pH6.2以上
2007年9月27日(木)pH5.5
2007年10月1日(月)pH5.6
2007年10月23日(火)pH6.2以上

11月と12月はほとんど雨が降らなかったため、雨水を採取できませんでした。
この時期のお出かけは傘いらずです。

しかしこの結果から、蘭州の雨がほとんど酸性雨ではなかったことが分かり、かなり驚きました。
実は日本でも、雨水を調査すると全国平均はpH4.8です。(環境省酸性雨対策調査結果(平成14~16年度))
日本でも自然が多い地域も関係なく酸性雨が降ります。
通常、乾燥していてあまり雨が降らない季節の雨は、よく酸性になる場合が多いので蘭州でも酸性雨だと推測していたんですが。
平成18年度の梅雨期に行われた鎌倉市の小中学生酸性雨調査(1000人参加)でも、調査結果の66.8%が酸性雨で、一番酸性の時はpH3.6だったそうです。
鎌倉市酸性雨調査ホームページ
http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kankyo/ph/ph.htm
4年程前の9月に、上海でスコールのような大雨に見舞われたときに雨水を測定したらpH3.6以下でした。

ここでの大気汚染がひどいことは間違いないので、酸性雨の問題は広域的な問題なのだと感じました。



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研修の報告

2007-12-21 18:22:09 | ひとこと
12月21日(金)研修を終えて帰国しました。
12月ばたばたしていてブログ更新できませんでした。
研修中、見ていてくださった方、すみませんでした。
そして見てくださっていて本当にありがとうございます。
(まだ書き足りないところもあるので少し続けたいと思います)

最終日はとにかく、お別れがつらかったです。
各国から集まった研修生19人、将来、1人に会いにいくことができても全員が揃うことはもう二度とないと思います。
貴重な時間だったと今でもしみじみ思います。
中国語だけではなく、生活、文化、社会についても学ぶことができました。
また、日本の紹介も少しながらすることができました。
中国だけではなく、国際理解、国際交流を行うこともできました。
この機会を与えてくださった方、研修期間中にお世話になった中国と日本の皆様に本当に本当に感謝致します。
これからもここで築いたつながりを大切にしていきたいと思います。


お別れの時集まってくれた仲間と


最終報告の文章は少し長いですが、この研修の総括として掲載したいと思います。

*甘粛省国際姉妹都市交流員研修報告書

 甘粛省国際姉妹都市研修の中で甘粛省の10以上に渡る都市を訪問しました。それぞれの都市で歴史、文化ともに特色があり、このすばらしい文化遺産を目の当たりにしてきました。一方で、会社、工場の見学により、甘粛省における経済成長について知ることができました。

1 甘粛省における豊富な資源
 甘粛省には、ニッケル、銅、鉛、石炭といった天然資源が豊富にあります。嘉峪関市や金昌市では鋼鉄産業が発達しています。中でも、酒鋼鉄会社は甘粛省北西部第二の鋼鉄会社で、生産量の20%は米国、日本、韓国、アフリカ諸国などの国々に輸出しています。平涼市では甘粛省の重要なエネルギー源である石炭37億トンもの埋蔵量を誇っており、酒泉にある中国最大規模(発電量1GW)の風力発電システムがあります。甘粛省の降水量は少ないものの、果実や野菜の栽培が盛んに行われ、特に甘粛省における有機栽培は将来、国内、国外に誇る特産品となると思われます。

2 国際交流の発展
 このプログラムには、5大陸16カ国から集まった19人の研修生が参加しています。中国の人々はいつも外国の客人を盛大に暖かく迎え、人と人とのつながりを末永くとても大切にします。この開放的な精神は日本人も学ばなければならないと思います。1978年に設立された甘粛自然エネルギー研究所は、国際連合工業開発機関として96もの発展途上国に対し、太陽エネルギー等に関する技術協力を行っています。さらに豊かな資源を誇る甘粛省では、それを基盤に貿易にも力を入れています。国際協力は、地方自治体、研究、貿易など様々な分野で展開されていました。

3 歴史的文化と伝統
 西域との貿易に重要な役割を果たしてきたシルクロードは、甘粛省を東西にまたがっています。シルクロード沿いには2000年以上の歴史を誇る古いオアシス都市が点在しています。私たちは、各都市にある美しい寺や、大仏、万里の長城などを訪問しました。特に、中国の仏教美術の代表ともいえる敦煌の莫高窟は非常に素晴らしいもので、世界遺産として後世に残すべき価値ある遺跡でした。夏河では、チベットのラプラン寺では、古代と同じ信仰と習慣が守り伝えられていました。これらの素晴らしい文化遺産は海外にもアピールすべきものだと思います。一方で、都心部は高層ビルが建ち並び、他のアジア都市とほぼ同じような風景になっています。歴史あるシルクロードの都市として、伝統的なまち並みや建物の保存、復元を通して魅力あるまち並みにしていくことが今後求められていくと思います。

4 貧富の格差
 蘭州市滞在中、高級外車の前で物乞いをする人を見かけました。貧富の格差を感じたそのときの衝撃が今でも忘れられません。政府は都市部における貧者への生活保護が今後迫られることでしょう。また、都市と農村部の貧富の格差もより一層広がってきています。2003年の統計では、甘粛省で都心部における可処分所得は6,657.24人民元であるのに対し、農民一人当たりの純収入が年間1,673人民元です。衣食住のうち、衣と住について都市部と農村の差が大きいように見受けられます。この対策として、政府は農業の産業化や農地の移転など様々な試みを行っています。平涼市にある高効率農業例証地区では、政府の補助金、専門家の助言などの支援により果物のジュース製造などの産業化を進めていました。これらの事業は農家の収入向上に役立っていました。これらの実例がすべての貧困農村に広がっていくことを望みます。
 また、都市部と農村の教育における格差を埋めるための政策が進められていました。蘭州郊外の農村部にある中川鎮寥家槽小学校では、学費が免除されています。蘭州大学においても、100以上の奨学金や無利子の銀行学費貸し付け等があり、学生が勉強するための財政支援の体制が整っています。

5 環境問題
 武威市への道中、水が枯渇している河を度々見かけました。甘粛省の北西部では水不足がとても深刻な問題となっています。鎌倉市の姉妹都市である敦煌でも、耕作地の拡大による水不足の問題が深刻であり、この30年間で地下水の水位は10mも下がっています。この対策として、政府は3つの政策(1. 新しい井戸掘りを禁止、2. 農家の移住禁止、3. 耕作地の拡大禁止)を打ち出しています。また、節水の啓発に関する政府の広告も多く見受けられます。政府以外にもホテル、大学、博物館などにも節水に関する広告があります。水不足が深刻な張掖市においても黒河の水利用についての啓発を行っています。張掖市の2つの湖のうち、1つはすでに枯渇しており、灌木林の30%は草地へと変化しています。このため、政府は耕地における節水、人工林の植林、天然林の保護など、水資源の確保の為の施策を行っています。
 一方、このような努力とは裏腹に、都心部に住む人々の節水意識は薄いように思われます。黒河や黄河で深刻な水不足の問題が生じていますが、蘭州市ではその問題が深刻に受け止められていないように思われます。蘭州市内においてはシャワー水や洗濯水など大量に使用しても、節水するよう戒めるような情報もありません。水不足の問題は対岸の火事ではなく、同じ国内、同じ省内で起こっている問題であると認識することが重要であると思われます。省内全体における節水への啓発は急務であると思います。
 また、水質汚染も深刻な問題です。今日、蘭州市内から排水される1日50万トンの汚水のうち、150トンのみ浄化されています。残りの排水はそのまま黄河に流されています。今年導入された新型水質浄化センターの稼働(日本の円借款により建設)により、大幅な水質の改善が期待されます。
 大気汚染も深刻で、金晶市は2003年には中国で6番目に大気汚染が顕著な都市として公表されています。金晶市で工場見学を行った際、工場内では異臭が充満していました。また、蘭州市でも石炭の小型ボイラーや自動車排気ガスによる大気汚染が深刻で、市民の健康を守るために、エネルギー燃料の転換、低公害自動車、地下鉄や路面電車などの整備など大気汚染の解消への努力が求められます。近年、風力発電や太陽光発電が甘粛省で多く取り入れられています。また、張掖市や平涼市で訪れた農村では、家畜の糞から生成したメタンガスを利用しています。こうした積み重ねが大気汚染を解消する一歩につながると思われます。
 生態系保護の為に、甘粛省では植林事業も行っています。甘粛省の森林面積は全土地面積の13.9%(631万ha)で、中国の全国平均を下回っています。丘陵の耕作地(段々畑)は植林地として生まれ変わっていました。植林事業は、土砂災害などの予防だけではなく、野生生物の保全や地下水資源の涵養にも役立ちます。蘭州市では、植林事業に従事する日本のNGOグループも存在します。また、日中緑化友好基金(通称「小渕基金」)では、蘭州市に2340万円の支援を行い、3年間で128haが緑化されました。この事業は2008年から今後更に3年間事業が継続されることとなっています。日中友好によって中国の環境改善に貢献していることを光栄に思います。

6 教育
 この研修期間中に、私たちは小学校2校と大学2校を訪問しました。蘭州郊外にある中川鎮寥家槽小学校では小学生たちと遊び、話し会うことで交流しました。訪問後には研修生内で寄付を募り、ペンやサッカーボールなどを贈りましたが、この小さな友人に世界中に友人がいることを知ってもらえればと思います。蘭州市内にある水車園小学校では、生徒たち伝統的な楽器を用いて演奏し、水墨画や書道、英語の曲を披露して頂きました。どれもとても技術が高く、大変驚かされました。蘭州大学や甘粛農業大学は研究室、図書館、宿舎、運動場などの施設が充実し、勉強の環境が整備されていました。私たち日本人は日本語専攻の学生と交流を図り、日本や鎌倉市についての講義を行い、ともに市内を歩いて交流を図りました。この交流が日本と日本人の理解につながればと思います。英語が母国語の研修仲間は小学校や高校などで継続的に英語の授業を行いました。この交流は、中国の学生と研修生双方にとって、国際理解を行うのにとても有意義なものだと思います。研修を終えて、日本についてもっと多くの学校で授業をするべきだったと少し後悔しています。

7 中国語
 4ヶ月の研修(実際授業は3ヶ月)で、研修生は中国語と中国文化について勉強しました。私たちを受け持った3人の教師陣はとても熱心で、また外国人に対する教育はとても有能で難なく理解をすることができました。また中国語科目だけではなく、中国人の考え方や習慣なども含めて教えて頂きました。また特に胡先生は、私たちの日常生活にも常に気を使って頂いたこととても感謝しています。中国語の身近な講師としてチューターとも交流しました。彼らは中国語の個人個人の能力の向上にとても貢献してくれました。今ではとても良い友人になっています。研修生は、研修仲間同士で交流する傾向があるため、どうしても英語を使用しがちになります。中国人の友人を作ることはとても重要な機会だと思われます。例えば、12月に蘭州大学図書館で行った各国紹介のEXPOのイベントは中国の学生と交流するとてもいい機会でしたが、次回は研修期間の始めに行うとより多くの友人が作れたのではないかと思います。4ヶ月という短い期間では中国語で会話するにはまだまだ不十分ですので、日本に帰ってからも継続して勉強を続けたいと思います。
 日本に帰国した後も、敦煌、甘粛省、中国についてより多くの人に伝え、日中友好の為に貢献していきたいと思います。

 この研修で大変お世話になった甘粛省人民政府外事弁公室、蘭州大学国際文化交流学院、甘粛省各地方政府、本研修参加者、中国の友人、そして日本の鎌倉市役所の職場の皆様に心より感謝申し上げます。



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金昌市(jinchang)-鉄鋼会社

2007-12-07 13:52:39 | 甘粛省金昌市
9月16日(日)金昌市の訪問 
*金昌市(Jinchang)概要
 金昌市は甘粛省の中央部、黄河の西、祁連山脈の北、アラシャン高原の南に位置します。2006年のGDPは51億人民元。平均可処分収入は都市部住民1万1256人民元、農民は4296元で甘粛省内で豊かな都市。産業基盤となる農業及び自然資源が金昌の経済において主要となっています。「ニッケルの都」と呼ばれており、石英、鉄、マンガン、銅、コバルト、亜鉛、金、タングステン、石灰岩など他の鉱産資源も豊富で、ニッケルの生産量は全国の90%にまで及びます。重工業発展都市。主要作物は油菜。
面積 9600平方km
人口 約46万人(2002年)
年平均気温4.8度、年降水量100mm、蒸発量2600mm、温帯大陸性気候

日程
  9時  金川公司見学 
 12時  金昌市、金川公司と交流昼食会
 13時半 金昌市出発
 18時  蘭州市到着


金川公司の会議室
2005年には、1年間にニッケル11万トン、コバルト6000トン、銅25万トンも50億元の利益を上げています。会議室で会社のプロモーションビデオを拝見しました。


工場施設内見学


工場内で見学中、異臭が。足下で抽出するための油のバブリング中。マスクをしてましたが危険だと思いました。
金昌市は大気汚染でも有名なところです。2003年度の環境観測結果によると、国家環境保護重点都市113市のうち、大気汚染が最も深刻だった10市は、臨汾市(山西省)、陽泉市(同)、大同市(同)、石嘴山市(寧夏回族自治区)、三門峡市(河南省)、金昌市(甘粛省)、石家荘市(河北省)、咸陽市(陝西省)、株洲市(湖南省)、洛陽市(河南省)とのこと。ワースト6位だったんですね。職員の人も、オフィスにいても風向きで臭うことがあると言ってました。今は改善中とのことです。
関連記事
http://j1.people.com.cn/2004/09/10/jp20040910_43250.html


工場の煙突。多くの煙突から排気ガスが立ち上っていました。


金昌市では、まちなかで、集合住宅の上に太陽熱温水機を良くみかけました。かなり普及しているようです。
そういえば、新僵ウイグル自治区のウルムチでも良くみかけました。


太陽熱の宣伝


金昌市政府、金川公司の方との昼食会で羊の丸焼きが出てきました!!甘粛省では、良く羊肉を食べます。イスラム教徒の人は豚肉を食べません。ここでは、日本にいるよりかなり多くの羊を食べたと思います。


帰り道、蘭州の郊外の山間地で雪が降っていました。一緒にいたエジプト人、キューバ人、マダガスカル人、ナミビア人の友人は生まれて初めての雪だと喜んでいました。私は、9月に雪が降るなんてと、蘭州の冬の寒さを想像してびっくりしていました。

この敦煌への旅行は、シルクロードの多くの都市を訪問し、甘粛省の文化と経済の多様性を間近に見るとてもいい機会でした。
また、訪問した時期は暑すぎず寒すぎず、ちょうどいい季節だったので、もしこの地域に旅行に行く機会があればこの時期をおススメします!

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張掖市(Zhangye)ー節水普及、野菜加工工場、農村

2007-12-06 06:37:39 | 甘粛省張掖市
9月15日(土)張掖市の訪問 
*張掖市(Zhanye)概要
 祁連山脈の北麓にある張掖は、古くから「金張掖」といわれており、河西回廊の都市のなかでもひときわ豊かな土地として知られています。609年に随の陽帝が、西域30余カ国の首領や使者と接見して大宴会を開いたことや、ここに1年近くも滞在したマルコ・ポーロの記述などから、張掖のシルクロードでの繁栄を知ることができます。
面積 4万2000平方km(耕地390万畝、森林576.8畝、草原3257万畝)
(中国畝(mu)は6.667アール)
人口 128万人
年平均気温7.6度、年降水量89-283mm、蒸発量1700mm、典型的大陸性乾燥気候

日程
  9時  全国節水教育基地見学 
 10時  野菜加工工場見学
 11時  党寨鎮田家閘市級新農村見学
 12時  張掖市と交流昼食会
 13時半 張掖市出発
 17時  金昌市到着
 18時  金昌市と交流夕食会


全国節水教育基地を訪問しました。黒河の水利用について啓発するセンターで、3部屋程度の展示のうち、張掖市内の黒河の現状に関する展示や節水技術の展示がありました。黒河(全長821m、水資源全量28.1億立方メートル、流域面積14.3万平方km)は、青海省、甘粛省、 内モンゴル自治区を流れる中国第二の内陸河川です。 張掖市に流れる黒河の全長は185m、流域面積2.56万平方kmで祁連山脈の北麓が水源となっています。
張掖市は、水資源が極端に不足している地域です。平均水資源量1250立方メートル(全国平均の57%)、畝平均水量511立方メートル(全国平均の29%)です。年降水量89-283mmというと、私の住む神奈川県(横浜市統計、2004年)1932mmの20分の1から7分1程度です。ここでは、農業における水利用が全体の87.7%とかなり高い割合を占めています。また、水汚染や水源の生態系破壊も深刻で祁連山の619万畝の灌木林のうち30%は草地化しています。
水不足を解消するために、2001年から国を上げて農地における節水の徹底や、退耕還林、天然林保全、人口林植林などに取り組んでいます。


祁連山脈の麓にある張掖市
ここにある2つの湖のうち、1つは40年前に干上がってしまい、もう1つは干上がる寸前だそうです。


酒泉市の甘粛大禹節水株式会社で見た節水型灌漑製品の展示
他にも節水型シャワーなどの展示がありました。環境問題に取り組み始めていることは良いのですが、せっかくの啓発センターなのに、市街地からはずれた場所にあり、私たち以外に訪問者がいなかったことが気がかりです。


野菜加工工場の見学
ドライ野菜を生産しており、カップラーメンの具などに使用されています。ここからイタリア、ドイツ、日本(玉葱)などに輸出しています。農村にある小さな工場に見えましたが、世界に輸出しているということや英語のプロモーションビデオがあるのには驚きました。資本金は20年前は200万元、今は8000万元に成長しています。従業員の給料は1人あたり月1000元であり、この地域はかなり高い金額です。また、近くの農村から野菜を仕入れるため、地域の農業の活性化に貢献しています。農作物をそのまま販売しても収入が向上しないため、貧困の解消のために全国で農作物の加工産業が行われています。


赤ピーマンの天日干し
ここでは1987年から有機栽培の野菜を使用しています。


甘州区党寨鎮田家閘市級新農村の訪問
人口2万人。33の小さな村があり、訪れた村には約120戸の家(一戸3-4人)がありました。生活改善のための実験型農村です。


甘州区党寨鎮田家閘市級新農村の発展計画図
田畑を作るのに1万7000元が必要ですが、そのうち5000元は政府から支給され、残りの金額も5年程度で借金を返すことができます。また、家をつくる7万5000元のうち5万元は助成されており、新しく同様の家が均等に並んでいました。農村では、通常農業だけで生計が立てられず若者は都市に出稼ぎに行ってしまうケースが多いのですが、ここは農耕に適した気候のため収入が一人あたり年4000元と高く、若者が農村に残る場合もあるそうです。


新しい農家


段ボールの中で鳴いてた鶏
ほかに1戸あたり2頭の牛をかっています。


グレープを栽培する温室
温室でグレープを育てると冬の時期に値段が高く販売することができます。温室グレープは1農家で2000kgの生産量があります。


トウモロコシ畑
昔はトウモロコシの葉や茎を燃料として燃やしており、村の大気汚染がひどかったそうですが、今は家畜の糞などから得られるメタンガスを燃料(調理等)として使用し、トウモロコシの葉は堆肥化工場に売ることで環境が大幅に改善したとのことです。ここには、以前ブログで取り上げた甘粛農業大学から教授が来訪し、農業技術などのアドバイスをしています。政府の資金援助だけではなく、専門家の知識も取り入れていることに感心しました。


村の景色


畑の景色

お昼に張掖市の方と食事をしました。


バスの中からの景色。乾燥した山肌が見えます。

夜に金昌市の方と食事をしました。
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酒泉市(Jiuquan)訪問ー酒泉、夜光杯、灌漑用パイプ工場

2007-12-03 23:47:39 | 甘粛省酒泉市
9月14日(金)酒泉市、張掖市の訪問 
*酒泉市(Jiuquan)概要
 酒泉は、1区2市(敦煌市も含む)2県2民族自治県を管轄しています。西の嘉峪関と遊牧民族の本拠地モンゴル高原の分岐点であったことから、早くから交易と軍事の拠点でした。市街地中心部には伝説の泉の酒泉、漢民族と回族の集まるマーケットなどがあります。
面積 16万7966平方km
人口 91万人
(市街地である粛州区は面積3349平方km、人口35万人)

日程
  9時  西漢酒泉勝跡見学 
 10時  酒泉夜光杯厰見学
 11時  甘粛大禹節水株式会社見学
 12時半 酒泉市と交流昼食会
 13時半 酒泉市出発
 17時半 張掖市到着
 18時  大仏寺見学
 19時  張掖市と交流夕食会


西漢酒泉勝跡
前漢の武帝の時代(紀元前141年から紀元前87年)、名将軍霍去病が匈奴を破って大勝利を収めました。武帝が褒美として酒を賜りましたが、兵士全員に行き届かなかったので、霍去病は全ての兵士に平等に分けるため酒を泉に注ぎ込みました。すると泉の水が酒の香りを放ち、美酒がこんこんと湧き続けました、めでたしめでたしという伝説があります。この話について床石に漢文が刻まれているので、日本人は通訳なしでも大体理解することができます。


酒泉 泉が透き通っていて綺麗でした。中にはお金が投げ込まれいます。水は湧き出ていましたが、残念ながらお酒の匂いはしませんでした。


夜光杯 酒泉の名物です。黒みがかった緑の玉石は、光が透けるほど磨き上げられています。杯にお酒を注ぐと表面張力でお酒がかなり盛り上がり、杯の中に差す月の光が素晴らしいと評判です。唐詩「涼州詩」で、「葡萄の美酒夜光杯。。。」と詠まれています。


酒泉夜光杯厰
すべて手作業で夜光杯を制作しています。1対100元前後からです。良いものと悪いものの差があるので、みんな真剣に吟味しながらお土産を買っていました。良い夜光杯は、杯の厚みが薄く、黒の斑点(鉄分)が少なく磨き上がっているものだそうです。鉄分が入っているのでこの杯は磁石にくっつきます。蘭州でも夜光杯を売ってますが、私が見たときは良い条件にそぐわないものばかりでした。


甘粛大禹節水株式会社
ここは、灌漑農業用のパイプをつくっています。資本金は2003年に3000万RMBでしたが、今は1億RMBとなり、急成長している会社です。パイプに穴が空いていて、そこから水が出るしくみです。畑に水をそのまま散水するより、パイプをつかってピンポイントに水を送った方が、60%も節水できるそうです。ISO 19001を取得しています(ISO14001はまだです。)


様々の太さのパイプ。
パイプの寿命は2ー3年程度です。パイプを切り替えるときは古くなったパイプを回収し、この会社でなるべくリサイクルしてます。(同じ会社製品を継続して使う場合は割引があります)


製造機


道中のガソリンスタンド。
時々トイレがとても汚いです。紙がないのはもちろん、ドアもありません。山小屋のトイレより厳しい状況のときもあります。アメリカ人の友人は潔癖性のため、バスでの移動中は一度もトイレにいきませんでした。体に悪そう。。。


張掖市の大仏寺
今から約900年前に建てられました。この大仏寺に関して約700年前に訪れたマルコ・ポーロが「東方見聞録」に記述を残しているほか、元の世祖フビライが生まれたところとして知られています。


丸くえぐられた入り口。中国独自の様式でしょうか。


涅槃大仏
体長34.5m、肩幅7.5mの金色の釈迦仏が横たわっていて、その周囲に高さ10m程度の十大弟子の像が並んでいます。実物は残念ながら工事中のため見学できませんでした。山丹の大仏と共に甘粛省でとても有名な大仏です。


チベット仏教様式の金剛宝座塔
高さ33m。これだけ大きい仏塔は西北地域では珍しいそうです。


張掖市では、夜で歩いたときのほのぼのとした雰囲気が一番印象深く心に残りました。電気屋さんの横では大型テレビの前で大人も子供もたくさんの人が集まり、道ばたでは中国の伝統楽器を奏でる人がいて、通りに響き渡っていました。この写真は大仏寺の横の柳並木の通りで、夜になっても多くの人が通り沿いのベンチで座談していました。子供が走り、飼い犬もかけまわっていました。そういえば山丹でも夜分遅くまで子供が一人で歩き回ってました。みんなが安心して暮らせる環境なんですね。
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敦煌市(Dunhuang)訪問ー莫高窟

2007-11-26 22:56:18 | 甘粛省敦煌市
9月13日(木)敦煌市の訪問 2日目
日程
  9時半 莫高窟訪問 
 12時  敦煌市と交流昼食会
 13時  敦煌市出発
 18時  酒泉市到着
 18時半 酒泉市と交流夕食会


オアシスの中の並木道


莫高窟
莫高窟は鳴沙山東端の断崖に開削された大規模な石窟で、敦煌観光のメインスポットです。現在確認されている莫高窟の石窟の数は492窟で、そのうち早期のものは北涼期(5世紀前半)に作成されたといわれています。その後も北魏、随、唐、五代、元と継続して開削されており、各時代によって窟の構造、彫刻の様式、壁画の画題に相違が見られます。例えば、初期の壁画はインドの影響を強く受けており、時代が経つにつれて菩薩様が中国的な様相、服装に変わっていきます。中国の仏教美術史がこの敦煌だけで学ぶことができるそうです。敦煌が乾燥地にあり、また仏教勢力の領土内にあったことから大きな損傷は免れていますが、今世紀に入ると日本も含む列強諸国によって敦煌の文書や絵画、さらに壁画や塑像の一部までもが海外にもちされてしまっています。教典などの遺産は、半分はアメリカ、イギリス、ドイツなどの外国に、4分1は北京や敦煌に、あとの4分の1は破壊されてしまっているそうです。(新彊ウイグル自治区にあったトルファンのベゼクリク千仏堂は、イスラム勢力の破壊と海外の探検隊によって悲しい程破壊されていました)敦煌の遺産は日本の東京国立博物館でも所蔵しており、時々特集で展示されています。
現在は、日本からの技術協力や、敦煌研究院で日本と共同研究など行っています。日本から寄付した太陽光エネルギー発電も莫高窟研究所を含む3カ所にあるそうです。蘭州大学には、敦煌学という独特の学問があり、そこには日本からの留学生も通っています。世界遺産である敦煌が、国際協力でずっと後世まで残りますように。
なお遺産を守るため、来年から莫高窟の入場者数の制限を開始するそうです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070904-00000020-rcdc-cn


莫高窟のシンボル 九層楼 9月の敦煌は暑すぎず晴れ渡っていてとても過ごしやすい陽気でした。


第130窟 大仏 盛唐 26メートルの大型な仏像です。石窟内は撮影禁止なので本を撮影しました。


第57窟 観音菩薩 初唐 これは一般公開されていませんが、美人窟としてとても有名で、ポストカードなどで売られています。美しくとても穏やかな表情をした絵画で、見ていて心温まります。菩薩様は性別がないそうです。仏像は口ひげがあり胸がないのですが、顔や体つきは線が細く、しなやかで女性のようです。


敦煌のホテルのロビーにあったロケット模型。
中国は現在、山西省太原、四川省西昌、甘粛省酒泉の3箇所にロケット発射基地を保有しています。これまでロケット発射基地はセキュリティー上の理由から内陸部に建設されてきましたが、今後は、軌道にのせやすい低緯度に位置する海南島(中国最南端)に第4の宇宙ロケット発射基地を建設する予定です。中国は月探査機の打ち上げにも成功しています。今後は本格的に宇宙の国際競争が激しくなるといわれています。


ホテルのトイレにあった節水の広告
甘粛省西北地域では、道中でも節水を呼びかける政府の広告を良くみかけました。ホテルでの長期滞在の場合、節水のため毎日タオルを変更しなくてもいいかどうか顧客に尋ねるところもあります。

お昼に敦煌市の方と食事をしました。敦煌市の日本語がはなせる方がついてくださり、お世話になりました。


砂漠を走る列車。酒泉市に向かうバスの中から撮影しました。

夕食会では酒泉市政府の方々と交流しました。
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