持続する夢

つれづれにふと気づいたことなど書き留めてみようかと
・観劇生活はえきさいてぃんぐに・日常生活はゆるゆると

ラスト・ファイブ・イアーズ 4/5

2005-08-12 00:12:35 | 演劇:2005年観劇感想編
8/11のつづき> 余ったピースのお話。 今回、思うところあって隠しません。
ラストシーン。また明日、と歌ったキャサリンは。なぜか、ジェイミーの去った机に腰掛ける。彼が残した幸せの象徴ともいえるキィ(鍵)を握り締めて、微笑む。この背景の壁に、映し出されるのが薔薇の花。それまでにも何度か映った黄色の薔薇が。徐々に紅く染まり。いつしか、全面に咲き誇る。あぁそう言えば、と花言葉を思い出す。キャサリンの「嫉妬」心は「情熱」に変化を遂げたということだ。

演出の鈴木勝秀氏は。彼女の再生を示唆する。この先へ、力強く踏み出す彼女の姿を予感させて終わらせる。これは。たいへんシンプルに、彼の慣れたストレートプレイの手法で描かれたミュージカル。なんだけど。ミュージカルとは。音楽の存在が、いろいろを演出してくれるのだと信じている。それゆえに。鈴木氏の描き出す世界は、少し面映い。

Nao氏が、ようやく5年を遡りきった瞬間に。時間軸を、再び5年後に戻すのは。希望を歌った彼女に、再び苦悩の時間を与え、踏み出させて終わるのは。。書いてしまおう。少し冗長だった気がしてならない。ここで時間軸を正常に戻してしまえば。彼の存在が、ただの過去になってしまう。それでは、わざわざ交差させた意味すらなくなってしまう。

純粋に不明なこともあり。たとえば。壁に映し続けられた時計。時折、アンティークに姿を変えたり、時計針が逆行するなど。効果的だったけれど。リアルタイム表示は、どうしても外界がちらついてしまう。それと。キャシーの足首に目立つタトゥ。敬虔なカソリックは自然の姿を変えないと聞いている。そういえば、ジェイミーは刺青OKと歌っていたけれど?

観客の立場で言わせてもらう。そろそろ、ドラマターク(※注)という職種を大事に考えたほうがいい。こういう斬新な翻訳物では、特に。
もっともっと、丁寧に扱えば。必ず、息の長いファンがつき。何度もの再演が望まれて、進化して。良い「舞台」と呼ばれていくはずなのに。もったいないよ。。
(※注)客観的な立場から脚本の背景考証や読解をして、制作者に提案を行う人のこと

明日で終了。あとは、好きだ好きだと言うわりに、名前すら出ていない主演の彼のことも。

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2 コメント

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Unknown (yuko)
2005-08-12 13:33:43
時計のリアルタイム表示。。

私も疑問に思いました。

初めて見たときは便利だな。と思ったけれど、

表示の度に、後○分だ・・と現実に引き戻されました。

観劇の間は現実を忘れたいです。

工夫が欲しかったと思います。
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Re: (こやま)
2005-08-13 23:55:42
>yukoさま



コメントありがとうございます!

よかったぁ。読んで下さっているんですね。



時計はね。ふたりにリアル感をもたせたかったのかもしれませんが。

やはり夢が削がれてしまいますよねぇ。
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