持続する夢

つれづれにふと気づいたことなど書き留めてみようかと
・観劇生活はえきさいてぃんぐに・日常生活はゆるゆると

マクベス 1/2

2006-02-20 00:37:38 | 演劇:2006年観劇感想編
りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ 『マクベス』
劇場:大槻能楽堂
作:ウィリアム・シェイクスピア
翻訳:松岡和子
構成/演出:栗田芳宏
衣裳:時広真吾
出演:市川右近,市川笑也, 菅生隆之,谷田歩,市川喜之助,藤間紫 他


幕開けに現れたのは、笹を掲げもつ3人の童女。これが魔女だと思えるほどには、マクベスは見ている。乾いた歯車の音響と、いびつな所作のすべては、からくり人形のそれで。西洋風のおどろおどろしさでなく、厳粛な恐れを伝えてくる。彼女らの、主(あるじ)なのであろう威厳を示すヘカテは。老女の姿でありながら、人としての空気をもたず。マクベス夫妻が現れるにあたって、ようやく舞台から生気が流れてくる。

数あるシェイクスピアの作品で、マクベスから感じる異国性は強く。親指がチクチクするから、何かが起ころうとしているだとか。心の痛みは、すべてをぶちまけ叫ぶことで治めるだとか。感情垂れ流しの台詞の数々は、耳障りで仕方がない。そんなこんなの拒否本能で、ふと眠気が襲うころに耳に飛び込んでくる、「起きろーーっ」という名言(←大間違い)。今回も、しっかりお世話になり(←恒例なのかよ)。。

大槻能楽堂では、狂言を楽しんだことがある。ここに立つ、歌舞伎役者たちの芝居を楽しんだことがある。入場するなり、これらの記憶に支配され。果たして、どんな舞台が繰り広げられるのかと。どんどんと、緊張の度合いが高くなる。
揺らぎのある、絞りきった照明。崩しをかけた、それでも本格的な和装。能らしい登場ながら、現代的かつクラッシックな台詞まわし。様式美とは、感情を内へ内へと追い込む性質の伝統芸能。これを保ったまま、外へ外へ向かう海外芸術へ。美しく融合した舞台。

解釈が斬新だったと思う。どこがといえば、マクベス夫人が怖くない(←稚拙な表現だね)。観劇の目的の大半は、笑也くんだったので、これは嬉しい。悪役を観たい気持ちより、観たくない気持ちが大きかったことに、いまさら気づく。
役者さんのことを書きたいので、久しぶりに続けます。できるだけ早めに(汗)。


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4 コメント

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東京で観ました (ぴかちゅう)
2006-02-20 01:28:24
東京公演を観た感想をTBさせていただきました。

マクベス夫人って夫を愛してたから夫の野心を支えてあげたというのがメインなのねって今回初めて思いました。

こやまさんのレポの続々アップをお待ちしていますね~。

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(^^)v (midori)
2006-02-20 10:28:33
自分が“素敵だ!”と思った舞台を、他の方がどう受け止めるのか、すっごい興味があります。

普段から色々な感想を興味深く読んでいる方は、特に!

こやまさんの引き続きのアップを楽しみにしています♪

先ずはトラバさせていただきました。

(*^^*)
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Re:東京で観ました (こやま)
2006-02-21 00:31:44
>ぴかちゅうさま



>マクベス夫人って夫を愛してたから

そう!ここなんですよっ。次は、この愛について書き連ねたいと思ってます。うざいくらいに♪

2/2が完成したら、そちらにおうかがいしますね。
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Re:(^^)v (こやま)
2006-02-21 00:39:09
>midoriさま



ほんと、素敵でした。思い出すたび、ほろっとする舞台なんて、そうそうないですよね。

書きたいことは、もう決まっているので。待っていただいているという言葉を励みに、明日には仕上げます!
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