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英国圏のサッカー代表~アイルランド代表と北アイルランド代表~

2014-07-29 01:43:58 | 日記
今日は過去にゼミで使ったレポートを見せちゃうよ。

イングランド代表編とアイルランド代表編の2つにわけて発表ですう。
真面目だよ。


ではアイルランド代表編はじまり



私は、サッカーアイルランド代表選手と北アイルランド代表の大部分の選手が、イングランドのプレミアリーグのチームであることを知りました。
さらに調べていくうちに、これらの2つの国は自国内のリーグがあるにもかかわらず、自国リーグのチームに所属している代表選手は一人もいませんでした。
この問題を発展させ、イングランドプレミアリーグにおける人種分布を調べていきたいとおもいます。



私は幼いころからサッカーをしており、観戦するのも大好きでした。なかでも、イングランドプレミアリーグのサッカーに魅了され、お気に入りのチームはリバプールです。
毎週末にリバプールの試合をはじめとし4~5試合ほど観戦しています。ですから、年間150試合ほど海外サッカーの試合を見ていることになります。
こういった経緯で、普段からサッカー雑誌等で海外リーグや各国の選手名鑑を読んでおり前述したことに気付いたのです。



アイルランド代表メンバーを見てみると、29名中27人がイングランドプレミアリーグのチームに所属しています。
あとの2名は、スコットランドリーグとアメリカのチームに所属しており、自国のリーグ“リーグ・オブ・アイルランド”にあるチームに所属している選手はいませんでした。
“リーグ・オブ・アイルランド”の歴史は古く1921年のイギリスからの独立を受け、同年からアイルランドリーグとして8チームによるリーグ戦がスタートしました。


また同様に北アイルランド代表メンバーを見てみると、22名中13人がイングランドプレミアリーグのチームに所属しています。
残りの9名は、スコットランドリーグが7人、アメリカとギリシャのチームに所属している選手がそれぞれ1名ずつでした。
こちらも同様に、北アイルランド国内リーグ“IFAプレミアシップ”のチームに所属している選手が一人もいませんでした。
“IFAプレミアシップ”は、1890年に開始されました。



こうして調べていくと、イングランドはもちろんスコットランドのチームに所属している選手が多いのがわかります。
その理由はスコットランドプレミアリーグには、3つのアイルランド由来のチームがあるからだと思われます。
一つは、グラスゴーにあるセルティック、エディンバラにあるヒバーニアン、もう一つはダンディ・ユナイテッドです。


セルティックは、Celticとつづり、”ケルト人”とか”ケルトの”という意味です。
そして、ヒバーニアンは、Hibernianと書いて、”アイルランド人”とか”アイランド人の”という意味です(Hibernia はアイルランドのラテン語名)。
意味を調べてみるとアイルランド人のチームというのがはっきりとわかりました。


スコットランドを含むイギリスでは産業革命の好景気を維持しており、当時はイギリスの植民地だったアイルランドが、ポテト飢饉と言われるほど、主食のジャガイモが不作になりました
飢えたアイルランド人がイングランド、スコットランドはもちろんのこと、アメリカ、カナダ、オーストラリアなどへ、食べ物と仕事を求めて沢山の人々が移住しました。


そんな中でヒバーニアンがエディンバラで1875年に、ダンディ・ユナイテッドがダンディで1878年に、セルティック はグラスゴーで1887年に結成されています。
エディンバラで結成されたヒバーニアンは、少数物であるアイルランド移民達の中でサッカーが好きな人々が集まってできたチームでした。
このチームができたおかげで、ダンディやグラスゴーに暮らすアイルランド系移民の人々も、自分たちもと、相次いでチームを結成させてきました。
このような経緯でスコットランドとアイルランドのサッカーに対する関係が築かれていったのだと思いました。



こういった中で、どうしてアイルランド代表と北アイルランド代表が自国のリーグではなく、主にイングランドプレミアリーグのチームに所属しているのかというと3つの視点から言えると思います。


一つ目は、リーグのレベルの差です。

UEFAランキングというものがあり、このリーグランキングは、ヨーロッパの各所属協会から、UEFAチャンピオンズリーグ、UEFAヨーロッパリーグなどに参加できるクラブ数を決めるのに使われます。
2013年11月のランキングでは、ヨーロッパ53か国中、アイルランドは43位。
また北アイルランドは47位となっています。

一方でイングランドはスペインに次ぐ2位でした。
このようにヨーロッパの主要リーグと規模を比べると雲泥の差があります。
優秀な選手は10代のうちに主にイングランド、スコットランドといった隣国のリーグに引き抜かれる現状があります。
少年時代から隣国のユースチームに所属する選手も多く、アイルランドで技術を磨いてできる限り早く隣国のクラブに所属するのがエリートコースであるため、選手の国外流失は避けられません。


二つ目が自国内選手として扱われていることです。

プレミアリーグはイングランド以外のイギリス人とアイルランド人選手を国内選手として扱っています。
1995年ボスマン判決以降はEUの選手ならEU内では外国人枠や労働ビザで制限されることがなくなりましたが、1995年以前からイングランド以外のイギリス人とアイルランド人選手はイングランドで国内選手扱いとなっており今現在も自国内選手として扱われています。


最後にイギリスとの歴史的・経済的結びつきです。

アイルランドは17世紀中頃によりイギリスの植民地化が進み、19世紀初頭にイギリスに併合されました。
イギリスの帝国主義のせいで人口が大幅に減ってしまうくらいの大量餓死が発生したりしてイギリスへの反感が強く、20世紀前半には激しい独立戦争を経て段階的に独立しました。

このとき北アイルランドをイギリスが譲らなかったことがその後も火種となっており、1990年代まで北アイルランド独立を主張する強硬派によるテロが頻発していました。
少数物であるアイルランドは経済規模が小さい国であるため経済的には結びついています。




これらの三つの視点を踏まえると、すぐ隣で近い上に、歴史的にも経済的にも結びつきが強く、さらには国内選手扱いしてくれるイングランドプレミアリーグへ少数物のアイルランド・北アイルランドのサッカー選手が移籍するわけです。
そして、イギリスでもずば抜けて経済規模が大きく、レベルも高いプレミアリーグにアイルランド・北アイルランド代表にはいるようなトップレベルの選手が集まっているのだと考えます。


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