~4年前~
空の交易で栄えた自治都市・イカロス。数年前から急速に財政が悪化し、中央政府から補助を捻出するため軍港化する案が浮上した。当初、反対派と賛成派が対立したが、ラトーが政権を握ると流れは一変し、議会の承諾なく軍港化を推進していった。賛成派もこれを支持した。それは、ラトー派の事実上独裁と、特定の船しか港を利用できなくなるという、自由交易都市の終わりを意味した。
その年、どこからともなく暴 . . . 本文を読む
その時、ふいに扉の向こうから足音が・・
「誰かいるのか!?」
「ほ、ほらっ、余計な話するから見つかっちゃったじゃないかっ!!」
子供が紛れ込んだか?警備兵は横柄な態度で内側のキーロックを解除した。
「おいこらっ!ここに立ち入っていいと思ってるのか・・ああっ!誰だ貴様」
ガツッと鈍い音がした。エーディーに銃を突きつけようとした警備兵が倒れる。背後から銃のカドで打ったのだ。
「ほらよっと」
コ . . . 本文を読む
~『セイレーンの塔』84階~
「洗脳教育、洗脳報道を徹底的に繰り返せば、愚かな民など完璧に支配できるっっ・・!!」
吐き捨てるような激しい口調で言うのは、ラトー総督。ここ城塞都市・イカロスの最高権力者だ。
「はっ。その通りですっ、総督!!」
近衛兵数人が同時に応えた。
「よいな、この完璧な洗脳システムは、繰り返し繰り返し繰り返し・・・継続的に行わなければならいのだっ!!」
「はっ!」
「・ . . . 本文を読む
雲に乗って現れるという ドロボウ船・ミストアーク
今日もどこかの街で大暴れ 財宝・秘密・子供たち
なんでも根こそぎかっさらえー・・
(おとぎ話のようなそれでいてどこかで聞いたような、遠い国で恐怖に震える人々が、声をひそめて語るお話)
「・・そんな船があるならこのおっさんを乗せてって欲しいよ」
「むむ!?」
高い塀に囲まれた城塞都市の中心部、『セイレーンの塔』に2人は侵入しようと . . . 本文を読む