海松色☆茶色

~猫写真・日記・ゲーム感想・オリジナル作品 等~

ミストアーク4:消えた子供たちと残された子供たち

2010年02月13日 | 小説『ミストアーク』
~4年前~  空の交易で栄えた自治都市・イカロス。数年前から急速に財政が悪化し、中央政府から補助を捻出するため軍港化する案が浮上した。当初、反対派と賛成派が対立したが、ラトーが政権を握ると流れは一変し、議会の承諾なく軍港化を推進していった。賛成派もこれを支持した。それは、ラトー派の事実上独裁と、特定の船しか港を利用できなくなるという、自由交易都市の終わりを意味した。  その年、どこからともなく暴 . . . 本文を読む

ミストアーク3:塔の侵入者

2010年02月09日 | 小説『ミストアーク』
 その時、ふいに扉の向こうから足音が・・ 「誰かいるのか!?」 「ほ、ほらっ、余計な話するから見つかっちゃったじゃないかっ!!」  子供が紛れ込んだか?警備兵は横柄な態度で内側のキーロックを解除した。 「おいこらっ!ここに立ち入っていいと思ってるのか・・ああっ!誰だ貴様」  ガツッと鈍い音がした。エーディーに銃を突きつけようとした警備兵が倒れる。背後から銃のカドで打ったのだ。 「ほらよっと」  コ . . . 本文を読む

ミストアーク2:セイレーン

2010年02月08日 | 小説『ミストアーク』
~『セイレーンの塔』84階~   「洗脳教育、洗脳報道を徹底的に繰り返せば、愚かな民など完璧に支配できるっっ・・!!」  吐き捨てるような激しい口調で言うのは、ラトー総督。ここ城塞都市・イカロスの最高権力者だ。 「はっ。その通りですっ、総督!!」  近衛兵数人が同時に応えた。 「よいな、この完璧な洗脳システムは、繰り返し繰り返し繰り返し・・・継続的に行わなければならいのだっ!!」 「はっ!」 「・ . . . 本文を読む

ミストアーク1:元博士と助手

2010年02月07日 | 小説『ミストアーク』
 雲に乗って現れるという ドロボウ船・ミストアーク  今日もどこかの街で大暴れ 財宝・秘密・子供たち   なんでも根こそぎかっさらえー・・   (おとぎ話のようなそれでいてどこかで聞いたような、遠い国で恐怖に震える人々が、声をひそめて語るお話) 「・・そんな船があるならこのおっさんを乗せてって欲しいよ」 「むむ!?」  高い塀に囲まれた城塞都市の中心部、『セイレーンの塔』に2人は侵入しようと . . . 本文を読む