30代からの米国大学院

元材料系エンジニア、カリフォルニア大学ロサンゼルス校で博士課程へ挑戦中

Boston旅行

2017-06-19 19:44:13 | 雑記
Prelimも終わり時間が出来たので、Bostonまで旅行に行ってきました。旅の目的はMITに留学中の会社時代の同期に会うためでしたが、もう一つ大事なことをしてきました。MITのMaterials Science and Engineeringの学科長の先生と会って、ほんとに少しでしたが話をすることができました。特にポジションハンティングというわけでもなく、自分の研究とその先生の研究が強くマッチしている部分があり、「先々、こういう研究もやってみたいと思っています」という雑談半分の自己アピールをしてきました。特に何かを得たわけでもありませんが、先々学会であった時などに気軽に挨拶できるようになるし、また具体的にポジション探しをするときにも込み入った相談もしやすくなると信じています。

アメリカに来て感じたことですが、アメリカのアカデミアは日本企業よりも圧倒的に自由です。特に人脈形成に関しては完全に個人マターであり「社外の人間に話をするときは必ず上を通せ!」とかアホな上司に言われるなんてことは全くありません。PhDの学生にとって、人脈形成は義務ではありません。何もせずに自分のグループの人間とだけ付き合って卒業することも出来ます。ただし、自由の国アメリカにおいて、それは大きな(致命的な)損になるはずです。というのも、アメリカでは就職の際に推薦状が必ずついてまわるからです。優秀な人が書いた推薦状ほど「強い」ということであり、優秀な人と付き合うためには積極的な人脈形成が必要不可欠です。日本では「コネ」という言葉に否定的な意味がいが少なからずありますが、アメリカでは人脈=個人の築いた財産であり、ネガティブな意味合いは全くありません。会社を辞めて一匹狼で過ごしている私にとって、在学中の人脈形成は必要不可欠です。ですので、学会中はいろんな人と話す、興味があれば会いに行って話をする、ということを意識しています。今すぐ直接的に関係しなくても、後々になって「そういえば彼はあんなことしてなかったっけ?」という引き出しをお互い持っていれば、そこから新たな人脈に繋がることもあります。Facebookやっていると面白いもんで、「この論文面白いなー」と思ったら著者が友達の友達だったとか。

さて、では著名な先生にどうやってコンタクトするか?
基本はメールですよね。教授は基本的に多忙なので返信がないこともあります。ただしわざと無視しているなんて人は少なく、数行だけだけど返してくれるという先生もたくさんいます。受験時代にもいろんな先生にコンタクトしましたが、返信率はそこそこ(60%くらい)あったと思います。大切なのは、嫌われてるとか無視されてるとか勝手に思い込まないこと。他のメールに紛れて見落としてるパターンもあるし、忙しくて返信できてないものの「音沙汰ないってことはそんな本気じゃないのかな?ま、ほっときゃいいか」という判断をする人もいます。2、3日たって返事が無かったらリマインダーを送りましょう。嫌がられることはありません。ダメ元です。
他に有効なのは、学会を利用するパターン。その先生が行きそうな学会をチェックしておいて、公開されているProgramを見て参加確認したら、メールを送って学会で会う約束を取り付ける。返事があってもなくても、学会期間中、徹底的にマークして(半ばストーカー)ウェルカムパーティーやセッションの切れ目などでチャンスを見つけて話しかける。これはけっこう成功率高いですよ。メールと違って無視できないですからね。

日本にいた頃は、相手が大学教授ともなればメール一本送るのに神経すり減らしてやっていましたし、あーどうせ返事来ないだろうなーといつも思っていました。世界に出てみれば全然そんなことはなく、世の中は意外とおおらかです。真正面からドアを叩けば、ちゃんと応えてくれます。