徒然なるままに、異議申し立て

文学・政治・思想・哲学など、心に引っかかる事柄について思ったまま、感じたままを綴る

あきらめない!(5)――この国は何処へ?

2023-01-30 06:30:26 | 日記
 まずは弁解から。
 この欄をしばらく休んでいたのは、しばらくぶりに批評家として「忙しい日々」を送ることになったからである。
 その仕事の1は、華中師範大学時代の教え子で日本で博士号を取得し、今は四川外国語大学日本語科の助教授になっているT君が翻訳した『日本軍従軍慰安婦問題の研究』(実は、このタイトルは仮のもので、タイトルはまだ決定していない)の「再校」の校正、である。上下2段組で370ページにも及ぶ大作の「日本語チェック」(その本の監訳者という事になっているので)、T君は論文を書く場合は巧みな日本語を駆使して日本人学生も及ばないような日本語の文章を書くのだが、「翻訳」となると、原著書の「中国語」に引きずられてしまうのか、それとも原著の著者の表現が難解な(わかりにくい)せいか、それとも明確な「時制」表現のない中国語のせいなのか、修正箇所がかなりたくさんあり、時間をとられる作業を毎日強いられ、かなり疲れた。

 またそのことに加えて、加齢による「目の疲れ」も相当なもので、持続力が減退したということを痛感した。
 仕事の2は、昨年暮れから書き始めた、今年中に刊行されるはずの次著『沖縄文学論』(仮称)の第1章「同化と異化のはざまで――大城立裕の文学」(これも仮称 約170枚)の下書きが書き終わり、編集者に読んでもらうべく、急いで文章の「手直し・推敲」をすることであった。『カクテル・パーテイー』沖縄初の芥川賞を受賞した大城立裕は、沖縄県庁の役人(博物館長などを歴任)をしながら精力的に創作活動を繰り広げてきた作家であるが、沖縄出身の学生(修士-博士)との関係で2002年に『大城立裕全集』(全13巻 勉誠出版刊)を、琉球大学の仲程昌徳氏などの協力で刊行したことがあり、その時に大城の作品は小説からエッセイまで全集刊行以後に出版されたものを含めて全部読んだつもりだったのだが、いざ「作家論」を書くとなる、勘違いなどがあり読み直しが必要で、自分の書いた「文章の見直し」に、思いのほか時間がかかってしまった。若い時と違って、「勢い」で書く文章が減り、自分の言葉(批評)に慎重になるということが多くなったせいなのかもしれない。
 「沖縄文学論」は、次に「又吉栄喜」「目取真俊」と続き、沖縄に深く関係して作品を残してきた立松和平や池澤夏樹の作品分析を行う予定であるが、
 今は、「乞う!ご期待」としか言えない。
 お待ちください。

 そんな多忙な日々にあって、休憩の時間に新聞やTVのワイドショーを見ていたのだが、「岸田政権は、本当にひどいな!」と思うばかりで、岸田によってこの国は何処へ行こうとしているのか、と「不安」ばかりが募る日々であった。
 なぜそのように思ったか(感じたか)、それは次回に詳しく書きたいと思う。

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