徒然なるままに、異議申し立て

文学・政治・思想・哲学など、心に引っかかる事柄について思ったまま、感じたままを綴る

心新たに(4)――北朝鮮問題と「政治不信」、そして政治家のモラル・ハザードについて

2017-09-07 09:23:27 | 日記
 マスコミは相変わらず、あたかも米(日)・朝戦争が今にも始まるかのような報道を伝え、また「戦争」に前のめりになっているような為政者たち(トランプ大統領や安倍首相、金正恩ら)を「煽る」ような言説を振りまいていて、何とも「憂鬱」な時を過ごさなければならないことに「苛立つ」日々を送っているのだが、「戦争」を弄んでいるようにしか思えないよの風潮は、どうにかならないのだろうか。
 そんな何とも言いようのない昨今であるが、このような「あたかも今すぐ戦争が起こるかもしれないという言説横行している」状況を、「一番喜んでいる」のは、一連のファシズムの到来を予感させる「強引な政治手法」と森友・加計学園問題で支持率を大幅に下落させた安倍自公政権(安倍首相)なのではないか、と思っている
 国民というのは、村上龍の『愛と幻想のファシズム』(1987年)が明らかにしたように、いつの時代でも「英雄を待望する」という側面を持っているものである。あれほど国民を愚弄する問題発言を連発しても、都民から圧倒的な支持を得た「石原慎太郎」という存在を想起すれば、そのことはよくわかるだろう。
 北朝鮮に対して、「対話の道」を封じ、「圧力」一辺倒を強調する安倍首相を歓迎する風潮が国民の中に徐々に醸成されているが、このような「強者=英雄」を歓迎する風潮の裏側に、激しい「政治不信」(「ニヒリズム」と言い換えていい)が存在することを忘れてはならない。
 先に行わた茨城県知事選、結果は多選(7選)を批判された現職が自公推薦候補の新人(元官僚)に敗れたわけだが、にわかに東海村の原発再稼働を認めないと言明した現職の得票と共産党推薦の候補者が得た得票を合わせれば、自公推薦候補者の得票より多かったという事実に加えて、投票率が44パーセント強だったという事実、この事実はいかに「政治不信」が全国的に蔓延しているかを、如実の物語るものだと僕は思っている。
 併せて、前原誠司という新代表を選んだばかりの民進党を襲った、これからを期待されていた山尾志桜里衆議院議員の「不倫スキャンダル」、政治家の不倫スキャンダルは自民との専売特許だと思っていたら、民主党のホープと言われた女性議員の「お前もか!」といった不祥事、これは「週刊文書」の特ダネとなっているが、おそらくその大本は警察権力をフルに使いこなしている自民党がリークした情報なおではないか、と僕は思っている。
 次の選挙に備えて民進党の出鼻をくじき、併せて森友。加計学園問題で「弱み」を濁られている自民党が「攻勢」に出るために仕組んだ「罠」、総じていえることは、「政治」の全体がモラル・ハザード状態になっていることで、まさに民主主義の危機も極まったと思わないわけにはいかない。

 昨年秋から書き続けてきた『原発文学史・論』(仮題)が昨日ようやく脱稿した。刊行はいつになるか分からないが、刊行されたら読んでほしいと思う。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿