室町幕府迷宮案内

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就職研修屋が日本社会を破滅させる

2010-06-02 23:02:18 | 日記
 このブログの読者はご存じの通り、就職研修屋が主張するような
コミュニケーション能力やメラビアンの法則はどこにも存在しない。
彼らは根拠としている論文からは到底導き出せないような見解を
科学的にも立証されたと言い張って、独自の主張を展開しているのである。
彼らは根拠としている論文の和訳すらよんでいないか、
知っていながらわざとやっているかのどちらかである。
(このブログを見るのが初めてという人は最終段落の補足を読んで欲しい)

 近年、一般企業が採用活動をする時期が早まってきている。
以前は大学4年生の10月までは採用活動をしないと企業同士で協定を結んでいたが、
今では大学3年の10月には採用活動を開始するところが主流になっている。
さらに今年になって、大学3年生の6月にして、すでに採用活動を始める企業まで
出てきている。

 就職研修屋が早めの就職活動スタートを歌って商売を広めており
教育の現場は、大学3年生のうちから授業を休んで就職活動をする学生が続出して
崩壊の危機に瀕している。

 もはや、まともな大学教育は学部1年次、2年次にしか存在し得なくなりつつある。
この点に関して、大学教員の側からも「大学教育の充実と質の高い教育を養成しておきながら
採用活動の時期を著しく早めて、教育を妨害している」という批判の声が高まっている。


(補足:就職研修屋の虚実)

(1)「なぜ働くか」という問いは、「ひょうたんでどじょうを捕まえる方法を答えよ」という問いとイコールである。にもかかわらず、第一印象を良くして生活費のためだと答えたり、家族の笑顔のためだと答えたりする者が後を絶たない。就職の面接本を読んでいる時間を臨済宗の入門書の読解に充てるべきである。

 上記の見解に対して、メラビアンの法則によれば、見掛け(外見)の情報のみで全印象の93パーセントが形成されるという反論があるかも知れない。
 しかし、メラビアン博士(この人は就職業界では有名人だというのに、心理学界ではあまり有名ではない)の行った実験は「Maybe(たぶん)」という英単語1つだけを様々な表情・しぐさ(写真のみ)・声質(録音した音声のみ)で相手に伝えた時の相手に与えた印象の結果などについて調べただけにすぎない。
 しかも、心理学について書かれた分厚い辞典を調べてもメラビアンの法則という項目は存在しない。心理学の世界ではその程度の扱いの法則が就職業界を牛耳っているのである。

(2)経営コンサルタント・就職研修屋に仕事を頼む前に読んでおくべき書籍。
『非言語コミュニケーション』(聖文社、A・マレービアン、西田司他訳)を読んでもらいたい。
この本は絶版になっているので、図書館などで読んで欲しい。

 また、上の和訳の本が入手できない場合、
『反社会学講座』(筑摩書房、パオロ・マッツァリーノ、2007年)の
139ページ以降を読んでもらいたい。

 この本は、稲葉振一郎明治学院大学教授が『社会学入門』(日本放送出版協会、2009年)の
巻末付録の読書案内でも紹介している。

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