「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

国際紛争を考えるうえで必要なこと(日本の場合)<ウクライナ紛争2023年10月

2023-10-18 18:16:48 | ウクライナ紛争

基本的にどんな国際紛争であろうと地域の紛争です。
日本は平和国家であり、原則紛争解決のための戦争は放棄しています。とは言え全く軍事力の行使を放棄するわけにもいかず、現在の共通認識は自衛戦争は戦う・と言うところだと思います。

これが原則であるとすると、外国で起きる紛争に日本が軍事的に関与する余地はありません。小泉政権時代にアフガン戦争とイラク戦争に自衛隊を後方支援任務で送りましたが、原則に抵触しています。

あの時代の雰囲気で断り切れなかったのであろうと思いますが、そのような場合に穏やかに断る下地を普段から作っておくべきだと思います。

ウクライナ紛争はヨーロッパの田舎の戦争ですが、マスコミの報道もあり、かなりウクライナ応援団が形成されたと思います。(私も最近までそうでした)西側社会の一員として人道支援や資金供与は必要だと思います。付き合いですからね?

しかし、日本が軍事的に関与できない以上、深入りするべきではないと思います。まずウクライナ紛争の事情も理由も日本政府には、理解できていないと思います。一方的に欧米が作り出したプロパガンダに乗る必要はないと思います。

なぜならウクライナ紛争はセンセーショナルな部分もあり大々的に取り上げられました。しかし、この程度のことは21世紀に入ってからだけでも沢山あります。それに一々全部は付き合えないと言うことです。

ウクライナが正しいかどうかは分からない部分もあります。今の場面だけ切り取れば、ウクライナは被害者でありロシアは極悪です。しかし、歴史的経緯まで含めてロシアとウクライナの関係を見るならば、ウクライナが今主張していることが全部正しいとも言い切れません。ウクライナが悪いのではありませんが、落ち度があります。

それは2014年からロシアの軍事介入を受けているのに局地戦を戦う以外に何もしていないことです。ロシアとその紛争を終結するために話し合い妥協をするか、ロシアが侵略してきた場合に備えて軍事力を整えて武器を備蓄して備えるか、どちらかの対応が必要です。ウクライナは、どちらもしませんでしたのでロシアの準備が整った段階でロシア軍が侵攻しました。

それでもロシア軍の作戦計画が支離滅裂でロシア軍も訓練も疎かだったようでロシア軍が本来の力を全く発揮できず侵攻を食い止めて持久戦に持ち込めたのは、ウクライナにとっては幸運だったと言えます。

どちらにしてもウクライナ紛争に関して日本が軍事的に関与する余地は、ゼロです。第三者であるべきですね。

では、日本には何もできないかと言うとそうではありません。もう戦争は決着が付かず、ずるずると長引きそうです。その時、日本政府が両方とコネクションがあれば双方の話を聞いて停戦の橋渡しをすることは、可能だと思います。それが平和国家の仕事だとも言えます。

頭が熱くなってカッカしている者同士や、その応援団には無理だと思います。だから第三者が必要なわけです。それが日本の役回りだと思います。そうであるなら猶更紛争に関与しては、ならないわけです。

トルコの振る舞いが参考になります。
黒海経由の穀物輸送の合意を、国連と協力して双方から取り付けました。トルコがロシアの合意を取り付けることが出来たのは、トルコの大統領がプーチン氏と面識があり親しい間柄だったからです。調停や仲介には、このような能力が必要です。

世界には紛争は沢山あり、ウクライナ紛争はその中の一つにすぎません。ゼレンスキー大統領を見ていると「世界の紛争はウクライナ紛争があるのみで世界はウクライナを支援するべきだ!」と言っているように聞こえます。しかし現実には、ヨーロッパの国がロシアに脅威を感じているに過ぎません。支援をするならアメリカとヨーロッパがするべきであり、それ以外は手出し無用だと思います。

国際社会全体でウクライナ支援の合意が出来たならそれに従うべきでしょう。
なんだか日本を見ていると「国際社会の多数意見としての合意」と「欧米の合意」をごちゃまぜにしているような気がします。

例えば、ハマスの武装蜂起事件です。
G7財相会議は、イスラエル絶対支持を声明で打ち出しました。

G20は?
G20、戦争に「深い懸念」 7会合ぶり共同声明―財務相会議閉幕
2023年10月13日23時50分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023101301148&g=eco
『声明は、イスラム組織ハマスとイスラエルの武力衝突への言及を見送った。』

そんなに簡単に声明を出せる問題ではないから声明に盛り込むのは控えました。そもそも財務相会合で議論するべき問題ではないからです。

G7とG20では、これほど違います。
国連総会なら、もっと違うでしょう。
私が言う「国際社会の多数意見としての合意」とは、このような意味です。

前回インドで開催されたG20会合では、その前の会合で見送られた共同声明が出されました。
インドの知恵は、戦争は批判しましたがロシアを名指しはしませんでした。ロシアの名指しを避けることで合意を取りまとめました。

メキシコの大統領が、アメリカに言ったことはウクライナが聞いたら仰け反ると思います。
「中南米諸国は困窮しているんだから、ウクライナ支援に使う(無駄)金を、中南米支援に回してほしい」と言っていました。
ウクライナ支援なんか、止めろと言っています。

紛争の近くから離れて色々な国の意見を聞くと、このようなものが多いです。欧米の意見は、その中の一つにすぎません。


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