大人はいちにちにしてならず

「くりん　VUL VUL vol.13 福田澄子展」　二週目に入りました。

ぼやぼやしている間に一週目のご紹介が出来ずじまい。反省しております。

横浜から能登の山奥に移り住んで2０年くらいのこの作家は、アカデミックな素養の上に自然からのいろんな栄養を貪欲に食べ、その結果をいつも　おっ　すみちゃん　今度はこう来たか！という衝撃を与えてくれる　不思議パワーの人です。ここ数年は住んでいる土地ならではの土、泥を素材にしての造形に熱中。今回も熟成させた泥で描いた（見ただけでは泥と判りません）平面作品と、タイトルにあるようにくりくりしたどろの玉が重なって塔のようになっている立体など。

一週目、すぐにご紹介できなかったのは、多分、いつもの不思議パワーを纏いながらも、穏やかで大人の雰囲気の作品に、すごいなあと、なんでこうなるんだ？と問いかけが始まってしまったからです。多分。

人間として、女性として、母として、とか自然の中で暮らし続ける人としてのキャリア　積み重ねが感じられて、こんな大人アになんにも言えないなあ、同世代だけどアタシはなんも積み重ねがないもんなあ、と　とっかかり　なし！の気分になったからです。

伺うところによると、子育てもひと段落の由。母は強しの上に　まだまだ作家として　大完成の坂道をぐーんと登り出しているパワーに脱帽。

ホントはキュートでマッドな作品にもっとつっこみを入れて楽しみたかったのに・・・という　一抹の寂しさも。

ちなみに　くりんは　仏教でいう九輪ともつながっていて、お釈迦さまや高貴な人の頭上に皆が有難さ大切さで傘をわれもわれもとさしかけたところから来ているとか。作家はそれに加えてその玉の重なりを日々の積み重ねのようにも感じて・・・と話してくれました。

そうか　すみちゃんなんてもう呼べないなあ。福田澄子さんの積み重ねの日々よおめでとう。