ギネス更新！

ＦＺＸ乗りで一堂に会し、心ゆくまでＦＺＸ話に浸りたい、というのはＦＺＸ乗りなら誰もが一度はあこがれる夢であったが(笑)、その夢がついに実現した。

日頃から掲示板を介して情報交換（といいながら、実際は教えてもらうだけだが）している仲間内で、４台ＦＺＸ並べてみてぇな、という他愛のない話が盛り上がった。

なぜ４台か、というと組長！さんという方が、３台並べた写真をブログで公開しているのだ。かくして、「俺も、３台のＦＺＸが並んだところを見たい」というのが、全国のＦＺＸ乗りの悲願となった(笑)。

私も、ＭＡＳＡさんやＧＡＫＵさんと知り合いになり、２台並べた写真は写した。じゃあ、３人で集まれば、できるじゃん！というわけで、この指、と～まれ、と叫んでみた。

しかし、そこがギネスの難しいところで、なかなか指がそろわない。この日がいいなと思っても、他の人がダメ、いつも暇をもてあましている私からして、結構７月は忙しかったりする。５月から調整を始めて約２ヶ月、何とか７台めどがついた。後は決行のみである。

しかし、今年はいつまで待っても梅雨が明けない。ＴＭＴＣの定例ツーも雨で数回流れている。決行の日と定めた７月２９日もあと１週間に迫った頃、梅雨の晴れ間が数日続いた。

「くそ～、こんな晴れた日に走りてぇ～」と空を見ながらつぶやくが、２９日の天気予報は「曇り後雨、降水確率４０％」。雨の日に走りたくはないし、そうでなくても雨に弱いＦＺＸである。

いよいよ、明後日に迫った時、降水確率が３０％に下がった。よし、一か八かやったるでぇ、とゴーサインを出した。

いつものことながら、朝５時に目が覚めた。まだ、薄暗いが、雨は降ってない。隣近所の安眠を妨げぬよう、暖気もそこそこに走り出した。

ツーリングは５月の連休以来だ。集合は箱根の大観山Ｐだが、まず東京近辺のもので海老名ＳＡに集合する手はずだ。７時過ぎに到着したが、さすがにまだ１台もＦＺＸはいない。軽く朝食を済ませていると欠席の予定だったＭＡＳＡさんから「都合がついたので行く！」というメールが入った。

バイク駐輪場に戻ると、ＦＺＸが１台停まっている。どの人だろうと辺りを見回す。ＦＺＸに乗りそうな女性を探すと（何で女性なんだ？）一人いた。あの人に違いない、とメールで聞いておいた携帯の番号を押すと、やっぱり鳴った！バービーさんだ。

挨拶や自己紹介をしていると、ＭＡＳＡさんが現れた。「俺、途中でＦＺＸを追い抜いたよ。カップルだったぜ」とのこと。誰だろう？

千葉ののりまきさんも到着し、４台のＦＺＸが並んだ。８時半に出発の予定が、ＦＺＸ話で盛り上がり、８時４５分になってしまった。

大井松田ＩＣで下り、小田原市内を経てターンパイクに入る。渋滞を予想したが、車は意外なほど少ない。少し日が射して暑くなってきたが、７月後半の暑さではない。快適なツーリング日和である。

大観山Ｐには、既にたくさんのバイクが停まっているが、ＦＺＸはない。駐車場を奥に進むと、ＧＡＫＵさんがいた。集合時刻の１０時ジャストに滑り込んだ。

あいているスペースにバイクを移動し、撮影準備にかかる。




大観山に集まったＧＡＫＵさん、ジョニーさん、トキさんの３台と我々の４台を並べていると、もう一台ＦＺＸが眼に入った。「あっ、追い抜いたバイクだ！」とＭＡＳＡさん。一緒にどうですか、とＧＡＫＵさんが呼びに行った。なんと、ＦＺＸ掲示板を見て出かけてきたのだそうな。

とうとう、8台のＦＺＸが並んだ。ジョニーさんは「全国のＦＺＸの３割が、箱根に集結した！」と思ったそうだ。３割どころか、５割かもしれない(笑)。ついに、ギネス更新だ！

初期型の２AKは私だけで、他の方は改良型の３XF、１台だけ輸出仕様の２JE（だったかな？）もあった。どのＦＺＸも個性を主張しており、おれもあんなパーツを着けてみたいな、と物欲しげに見るが、手作りのものであったり、他車の流用であったり、私にはちょっと敷居が高そうである。

カスタムパーツが皆無のＦＺＸならではの、苦労がしのばれる話があちこちから聞こえてくる。

「じゃあ、記念撮影といきますか」とＧＡＫＵさんが三脚を持ち出した。バービーさんのＳＰとか、ＧＡＫＵさんの応援団とかも加わり、総勢１２人である。

「おれ、記念写真なんて、何年ぶりかなぁ～」というジョニーさん。ＦＺＸ乗りは孤独なんだなぁ、としみじみ思った。でも、今日からは独りじゃないぜ、とお互いに励ましつつ、パチリ。

急用のできたＭＡＳＡさんと飛び入りの方は、ここでお別れ。残りの９名で伊豆スカイライン～修善寺～達磨山～西伊豆スカイラインツーの始まりである。コースは静岡県人のＧＡＫＵさんにおまかせである。



天気はやや雲が多いものの、青空も時折見えている。伊豆スカイラインは、景色の良い道だが、今日は少しかすんでいて遠くは見えない。しかし、ＦＺＸサウンドの大合唱を聞きながら走るのは楽しくてしかたがない。

昼食時間に合わせるため、富士見パークウェイは割愛し、修善寺に向かう。今日の昼食は「狩野川屋」。鮎炊き込みご飯定食は、味噌汁にも鮎という鮎尽くしだった。


店に入る時は今にも泣き出しそうだった空が、歓談している間に明るくなった。次は達磨山でソフトクリームだ。

Ｒ１３６号では、先頃の大雨により船原地区で道路の陥没があったとかで、要所要所には旅館のはっぴを着た誘導員が迂回路へ誘導しており、船原トンネルの手前で、全車西伊豆スカイラインに迂回させられた。

西伊豆スカイラインは、尾根筋を走る気持ちのよいワインディングだ。我々は達磨山レストハウスに行くので、戸田峠で右折した。



おいしい黒米ソフトを食べ、また歓談に時を過ごす。ＧＡＫＵさんが「あそこに見える内浦三津を走る予定だけど」とはるか先の海を示した。でも、雲行きは怪しいし、今日はゆっくりしない方がよいのではと相談し、修善寺から８０号で山伏峠に戻ることにした。

細い山道を走るが、ＧＡＫＵさんとお仲間はめちゃくちゃ早い。そうこうするうちにポツリポツリと落ちてきた。道路わきで雨具を装着し、さらに走り続ける。やがて、霧がかかってきたかと思うまもなく、前を走っていたバイクが見えなくなった。１０ｍほどの距離のはずだが何も見えない。ヘルメットのスクリーンが曇ったのかと拭いてみたが、視界ゼロである。

センターラインも見えなくなったので、危険を感じスピードダウンすると、かろうじてセンターラインが見えた。

雨はそれほど強くはないので、前方に細心の注意を払いながら進んだ。後ろのバイクのヘッドライトが見えるので、ついてきているようだ。

箱根峠から箱根新道に入る頃には、霧も晴れ雨もやみ、雨具についた水滴を風が乾かしてくれた。

新道の料金所横の駐車場で雨具を脱いだ。このまま降らないでほしい。楽しかった今日のミーティングもここで解散だ。名残を惜しみ、再会を約束して別れた。ほとんどの人が今日初対面なのに、この親しさこそＦＺＸな人々である。

同じ方面ののりまきさんと走り出し、小田原厚木道路の途中まで一緒だったが、また雨が激しくなり別々になってしまった。料金所渋滞をすり抜け、東名に入ったがやむ気配もなく、海老名から港北にかけては土砂降りとなった。幸いなことに、雨に弱くストールしがちの愛車が今日は調子よく回っている。

下手に休んで始動できなくなってはと思い、そのまま突っ走る。首都高に入ったらようやく雨は上がった。

本日の走行距離４２０ｋｍ。