名無しの教師の日誌

ある公立中学校教師の教育私論と日記です。

結局、部活動はどのように変えていけば良いのか その2

2018-01-08 12:49:27 | 部活動問題
前回の記事では、なんで話がまとまらないのかについて、私の考えを書きました。

今回からは、本題に入り

「じゃ、どうすりゃいいのさ?」という私の意見を書きます。

書きますが、前回の記事でも書いたとおり、現場の教師の意見はあまり聞かずに、今後の方針を決めた方がいいと思います。



とりうる選択肢は、4つだと思います。

・何もしない
・部活動以外の業務を削減し、多忙化解消を図る
・部活動を外部に部分委託し、多忙化解消を図る
・部活動を外部に完全委託し、多忙化解消を図る

1つ1つ論じていきます。



【プラン1:何もしない】

何もしないというのは、すなわち現状維持です。

現状維持の場合、どうなるでしょうか。

良くも悪くも、変わらないと思います。

いじめや問題行動、不登校や自殺をなくそう、というゼロからマイナスにならないように使用という目標が各校で掲げられ

ゼロからプラスに持って行こう、という目標を掲げるレベルに達せないのです。

いじめなどが発生する要因は、色々とありますけれど

「教師の見落とし」によって発生する部分は、少なからずあると思います。

つまり、初期段階で教師が気づき、「火消し」に走っていれば、大きな問題にならずにすんだのに……というパターンです。

では、なぜ教師が見落とすのか、ですが

「怠慢」が原因である可能性もありますし、「多忙により心の余裕が無いこと」が原因である可能性もあります。

どちらなのかは、私が断言することはできませんが

報道されている教師の残業時間を見ながら、どちらの可能性がより濃いか、読者の皆様は各自想像してみて下さい。

そんなわけで、全国で大小様々なトラブルは発生しつつ、今までと変わらない日々が学校で流れていく、というところでしょうね。


参考:運動顧問の一日[神原楓先生(@wakateowl)作成の図を転載]



ちなみに、「昔の先生は授業も部活も当然のようにやっていたが、こんなに多忙じゃ無かったぞ」という意見に反論しておきましょう。

実は、近年の、個性を尊重し、個々の特性を認めよう、という風潮が大きく関係しています

昔は、「正しいこと」「悪いこと」というシンプルな二元論に近かったため

「正しい生徒」をほめ、「悪い生徒」を叱るという単純な指導で、どうにかなりました。

叱り方も、「バカヤロー」と言いながら愛の鞭という名の鉄拳制裁を加えることもOKでした。

ところが、今そんなことをやったら大変なことになります。

今日では、個性を尊重し、多様な価値観を認めた結果、「正しいかどうか」の判定が極めて難しくなってしまったのです。

すなわち、「その行いは道徳的にどうなのか」という判定が、そもそも大変な作業になりました。

そのため、その後の指導も、昔よりも複雑になるわけです。

また、スマホによるトラブルなど、今までは無かった案件も出現しましたし

核家族化、共働きの一般化、片親家庭の増加などによる、保護者の監督力の低下も無視できません。

要するに

昔はやらなくて良かった仕事が新たに出現したし、その対応もデリケートだから、昔と比較するな

ということです。



続く……


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