名無しの教師の日誌

ある公立中学校教師の教育私論と日記です。

学校の予算執行

2017-08-18 17:17:22 | 日記(学校)
仕事で必要な物を経費で買う。

誰もが行っていることです。

一方で、様々な事情で自腹を切る羽目になってしまうことも、あるでしょう。

今日は、教員を目指している大学生には知っておいて欲しい、学校の予算執行と教師の自腹切りについてのお話です。

なお、この記事における学校とは、公立の小中学校を指します。



学校は税金でまかなわれている部分が大きいです。

公金とも呼びますね。

もちろん、全額ではありません。

例えば、修学旅行費、集金されるでしょう?

つまり、修学旅行の費用は、税金ではありません。

まぁ、この話は今日の本題では無いので、この程度にしておきます。

やはり、公金を動かすのは、表現は悪いですが、面倒です。

それに学校の総予算は少ないですからね。

精選する必要があるのです。

「これが必要だから、いくら使わせてくれ!」と申請してから、OKが出るまで、結構時間がかかります。

これが、予算が潤沢だったら、ポンポンOKが出るのかも知れませんが……そんな学校、無いと思います。



自分たちの不幸自慢みたいになってしまうかも知れませんが

最近、メディアとかでよく取り上げられていますが

部活動指導が終わって、なんやかんややっていたらもう18時半。

そこから色々な事務仕事や学級のこと、等々やっていると、どうしても、授業の準備は直前とかになってしまいます。

例えば、私は理科教師ですが

明日の実験で、アルミホイルが必要だとしましょう。

アルミホイルくらいあるだろう、そう思っていて

色々忙しくて、その確認が、前日の夜になってしまった。

そして、前日夜にアルミホイルが十分でないことに気がついてしまった……

完全に、自腹コースです。



自分の財布でとりあえず立て替えて、領収書を提出して後から請求する……

これ、無理です。

正規のプロセスだと

何かを買いたいと思う
→見積もりを出す
→見積もりを元に、検討の後、決済をもらう
→市役所が指定または推奨する業者を通して、購入する
(これは、そうでない地域もあるでしょう)

となります。

それに、この正規のプロセスを踏んだ場合、OKがもらえるか?という問題も生じます。



というわけで、そうゆう少額の物は、ポンポン自腹を切っていく感じになります。

これは、全国どこの学校も同じなのでは無いでしょうか?

以下は完全に私の思い出話ですが

私が新任の時、色々と忙しく、明日の実験で使う備品の確認が夜の9時くらいになってしまった。

それから、アルミホイルが無いことに気づき、夜の23時くらいにコンビニへ。

ドラックストアとかはもう閉まっていて、コンビニが最初で最後の砦。

コンビニに行くと、無い……

棚に物は無くても、値段の表示はある。

裏に在庫は無いか、とオーナー店長さんに聞いてみると

「無いけど、先生大変そうだから、これやるよ、もって行きな」
(いつも使っているコンビニだったから、この人は私が教師だと知っている)

と、ホットスナック調理用の、アルミホイルを1つ丸ごと渡してくれたあの優しさ。心にしみました。



例えば、1年あたり数千円でいいから、事後請求が許される、授業者の自由な裁量で動かせる予算が欲しいです。

でも、それが実現することはないだろうなぁ。

こうゆう状況が健全だとは思いませんけれど、現実でもあります。

今日の話を聞いて、これを受け入れられない学生さんは、教師目指すのたぶんやめた方が良いです。

学校とは保守的な職場です。そう簡単には変わらないですから。

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